国家公務員はどこにいる
国家公務員は一般職と特別職に分かれており、さらに一般職は「キャリア」と呼ばれる総合職(全職員の約7%)と一般職に分けて採用される。
両者は採用される官職が違うだけで、採用後の人事は能力・実績に基づいて行われる。結果的に、政策の企画立案にかかわる職種や管理職は、総合職採用者の割合が多いが、能力・実績や本人の希望によっては一般職採用者にも道は拓かれている。
政策の企画立案を担う総合職は、自分が向き合いたい社会課題や社会で実現したい価値が明確で、公務に対する強い動機がある人に親和性が高い。
定型的な業務を行う職務からスタートする一般職は、向き合いたい課題が決まっていない人向き。「安定志向の人に総合職はおすすめしない。信念なき受け身志向だと、管理職として判断を求められた際、前例踏襲的な小役人に陥りかねない」(人事院・橋本さん)。
国家公務員の就職・転職事情
新卒採用
新卒で国家公務員になるためのルートは主に3つ。総合職と一般職向けの「総合職試験」「一般職試験」、さらに特定の行政分野に係る専門的な知識または技能に基づく業務に従事する係員を採用する ための試験である「専門職試験」だ。
事務処理能力や公務遂行に必要な基礎能力を判定する一般教養・一般論文、行政上の判断を行う基礎知識を判定する専門科目・専門論文、全人格的な要素を判定する個別面接・集団討論などを実施。
近年は「面接などによる人物試験を重視するようになっている」(人事院・橋本さん)という。
中途採用
新卒採用のイメージが強い国家公務員だが、中途採用も珍しくない。総合職・一般職・専門職に関しては、30歳まで受験資格があるため、第二新卒での受験も可能。
係長級以上で採用される「経験者採用試験」についても、2019年度は313名が合格している。弁護士や会計士など、高度に専門的な知識や能力を持った人の「任期付採用」 もある。
「募集分野がさまざまなので、前職も多種多様です」(人事院・橋本さん)。