現場主義の視点で日本の「食」と「地方」を支えることのできる仕事。
国家百年の計を立案する国家の投資家
熱い情熱と冷徹な眼で、現実を一歩でも理想に近づける仕事
国家公務員とは、中央省庁や内閣府といった行政府や、司法府、立法府に勤めながら、各機関が管轄する分野のスペシャリストとして業務にあたる。「特別職」と「一般職」に大別されるが、いずれも国民全体の奉仕者として国に勤務し、国全体に関わる業務を行う。
仕事の中で、最も楽しいと感じる瞬間はどんな時ですか?
楽しみを感じるポイントがいくつかあるので、“最も”楽しいと感じる瞬間を切り出すことは難しいですが、以下の4点は自己効力感が高まるタイミングだと感じています。
【圧倒的な成長】
公務員の仕事からは視座、情報、信頼が得られます。これらが掛け合わさると圧倒的な成長が得られます。全てが思い描く理想通りにいくわけではないので、苦労も絶えませんが、それにも勝る成長機会が公務にはあります。
【幅広い視座の習得】
憲法で公務員は「全体の奉仕者」だと...
この仕事をやっていて、眠れないほどしんどい瞬間はどんな時ですか?
扱っている政策課題のスケールが非常に大きく、どのようにすべきか皆目見当がつかない瞬間はとてもプレッシャーを感じます。
政策課題の背景には、現実に困っている人々がおり、その人々のことを考えると夜も眠れないほどつらくなります。
私の場合、そのような状況では夢にも出てきてしまうので、朝になってもあまり眠れた気がしません。
政策立案を行う場合、多くのステークホルダーの利害関係が複雑に絡み合っており、唯一絶対の答えというものはありません。
答え...
転職や就活で、この職業を目指す未経験の方におすすめの書籍は何ですか?理由と合わせて教えてください。
古典中の古典ですが、「行政」の意味を考えるためには必読書だと考えています。
三権分立の三権とは、立法・行政・司法と言われますが、なぜ「行法」ではないのでしょうか?行政だけ「政」の字が用いられている意味を考える必要があります。国家でも地方でも、公務員(≒行政官)の仕事を考える時、政治との関係は切り離すことはできません。行政の基本は、政治的に決定された政策の実行や執行を担っているからです。
この点について、行政には「法律による行政の原理」...
同業の先輩や同僚にアドバイスされたことで、最も仕事上の教訓になったことは何ですか?
国家公務員であれば、おそらく誰でも言われたことのあるアドバイスだと思いますが、この意味を自覚すると、とても重いアドバイスです。国家公務員の人事ローテーションは1~3年で、人事異動の度に担当業務が変わりますが、着任したその日から担当者としての判断が必要になります。もちろん、前任者からの引継ぎや周りのサポートも得られますが、進行中の政策なども担当者として推進していく必要があるので、人一倍の勉強が必要になります。
異動先によっては、かなりの...
最後に、この職業を一言で表すと?
熱い情熱と冷徹な眼で、現実を一歩でも理想に近づける仕事
「国の業務」にかかわるという緊張感と、大きな責任のある仕事ゆえ、すぐに結論を出せるケースは少なく、多くの関係者と協議しながら物事を前に進めていくことが多くなります。
そのスピード感にジレンマを感じる人も少なくないようですが、近年は内容によって素早く法制度を整備して施行へと動くケースも増えています。
また、何より「公益のために働く」という点に矜持を抱いている人が多く、国家公務員にしかできない仕事(立ち会えない瞬間)にやりがいを感じて働いている人もたくさんいます。
本当の意味で、スケールの大きな仕事に携わることができる職業と言えます。