仕事の中で、最も楽しいと感じる瞬間はどんな時ですか?
政策ツールの代表として、法律・予算・税が挙げられることが多いのですが、そのいずれも、世の中に大きなインパクトを与える可能性を持っていると思います。卑近な例では、スマートフォンは我々の行動原理や物事の考え方、ひいては多くの企業のビジネスモデルを変えたわけですが、政策にも、同様のポテンシャルがあると思っています。
例えば私はいま、コロナ禍における中小企業の資金繰り施策を担当しています。緊急事態宣言などにより、多くの企業の売上が急速に落ちた...
この仕事をやっていて、眠れないほどしんどい瞬間はどんな時ですか?
今年(2020年)の4-6月ごろは、中小企業向けの資金繰り施策の立案や執行のために、物理的にほとんど寝れない日が続きました。何をやっていたかの一例をあげれば、
・無利子で融資をするためには予算が必要ですから、そのための予算要求
・融資の枠組み作り(上限額、貸付期間、据置期間等々)
・関係する機関(金融機関、自治体等々)との調整、ルール作り
・国会などの質疑対応
などなどです。
ただ、企業や個人が危機的な状況に瀕した状態でこそ、1人の国...
転職や就活で、この職業を目指す未経験の方におすすめの書籍は何ですか?理由と合わせて教えてください。
20世紀前半の社会学者のマックス・ウェーバーによる著作です。
題名の通り、近代国家の背景や、職業政治家に求められる倫理や条件ん、政治家と官僚との関係性などが書かれています。
個人的に一番印象に残っているのは、最後に記載されている以下の部分です。
「自分が世間に対して捧げようとするものに比べて、現実の世の中が——自分の立場からみて——どんなに愚かであり卑俗であっても、断じて挫けない人間。どんな事態に直面しても「それにもかかわらず!」...
同業の先輩や同僚にアドバイスされたことで、最も仕事上の教訓になったことは何ですか?
役所が集まる霞が関には、多くの情報が集まってきます。毎日300通程度のメールが来ますし(迷惑メールではなく、どれも自分の仕事に関連するメール)、多くの事業者や学者などと議論をする機会もあります。
そうしているうちに、霞が関から外に出なくても、なんとなく課題を把握したつもりになり、政策措置を考えてしまいます。しかし、霞が関に集まる情報が日本全体の課題を代表しているわけではありません。
「霞が関で政策を考える時代はとうの昔に終わったんや...
最後に、この職業を一言で表すと?
世の中に熱量を与える仕事