経営コンサルタントはどこにいる
経営コンサルタントの主戦場としてまず想起されるのが、戦略系コンサルティングファームと呼ばれる一団だ。
マッキンゼー・アンド・カンパニーやボストン コンサルティング グループ(BCG)を筆頭とする少数精鋭軍団だが、最近ではとりわけBCGがデジタル部隊を中心に採用を増やす。
アクセンチュアやデロイト トーマツ コンサルティングなど総合系コンサルティング企業は、経営戦略を提案する「上流」から実際のシステム導入などを手掛ける「下流」まで、あらゆるコンサルタントをそろえる。
また、戦略系、総合系出身者が始めた独立系や、個人でクライアントの相談に乗るコンサルタントも数多い。
最近の特筆すべき傾向は、電通など広告会社勢の参入だ。元からマーケティングのコンサルティングは手掛けてきたが、経営領域にまで拡大中だ。
さらに、三井物産など一部事業会社の中には、元コンサルタントを集めてグループを横断した成長戦略を構築する「インハウスコンサルタント」も存在する。
経営コンサルタントの就職・転職事情
新卒採用
外資戦略系コンサルティングファームは毎年数人、マッキンゼーやBCGなど大手でも十数人しか採用しない狭き門。アクセンチュアやデロイトなどの総合系や大和総研などシンクタンク系の採用数は多いが、経営コンサルティングの部門に配属される保証はない。
中途採用
大手事業会社からの転身組が多い。MBA取得後にコンサルタントになるケースも。前職はエンジニアなど理系が意外に多い。広告会社などの営業やマーケター出身も目立つ。最近ではデータサイエンティストからの転身組も増えている。
副業
守秘義務の伴う業務が多いため、副業を認めない会社が多い。例外は、A.T. カーニー(グローバル・ブランド名はカーニー)くらいだ。現役の副業コンサルは少ないが、リクルート勤務者やベンチャー幹部などがスタートアップの副業コンサルをするのはよくある話だ。
“名乗る”パターン
国家資格が必要なく、名乗れば「なれてしまう」ため、一部得体の知れない“自称コンサル”もいるが、SNSなどで身元がばれる昨今はさすがに減った。金融や事業会社の営業出身者が半リタイヤ後、コンサルタントを名乗るケースは多い。