「コンサルか事業会社か」就職で悩んだ時に読む経験談7選(22年1月記事ランキング)
2022年1月26日(水)
JobPicksが2022年1月1日〜1月25日までの間に掲載した記事で、閲覧数の多かった記事トップ5はこちら。
1位と2位を見ると、今月は「ビジネスをけん引する人になるための経験談」が人気となった。
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1位:マッキンゼー出身COOに聞く「とりあえずコンサル」アリかナシか(2022/1/14)

2位:ラクスル最年少マネージャーが見つけた、最速で結果を出す3つの視点(2022/1/11)

3位:【みんなの知恵】今日から仕事のモチベーションを上げる3つの行動(2022/1/5)

4位:デジタル庁で兼業して何を学んだ?「民間人材」に聞く入庁後の変化(2022/1/7)

5位:電通を支えるクリエーティブ力の源とは?現役&元社員に聞く企業文化(2022/1/12)
1位の記事は、現SmartHR COO(最高執行責任者)の倉橋隆文さんが、マッキンゼー→楽天→SmartHRで経験を積む中で学んだ「ビジネスを動かす人」に必要な資質を紹介している。
タイトルにある「コンサル就職のあり・なし」に関してだけでなく、倉橋さんの経験談で明かされた現場経験の重要性なども、多くの読者の反響を呼んだ。
そこで本稿では、過去の類似記事や、JobPicksに経験談を投稿するロールモデルたちの経験談を通じて、コンサル経由で経営・事業リーダーとして活躍する人のキャリアを深掘りしてみた(注:ロールモデルの所属・肩書は、全て本人が投稿した時点の情報)。
はじめに紹介するのは、SmartHRの倉橋さんと同じく「新卒でコンサル」の選択をした人たちのその後だ。
コンサル卒業後のキャリアは、起業や事業会社への転職など複数ある(詳しくは、以下リンク参照)。
ここでは、経営関連の職種に転身したロールモデルの経験談から「コンサルと事業会社は何が違ったのか」を見ていこう。
当然ながら、クライアントワークから自分が事業に携わる立場になって最も変わるのは、意思決定の質だ。
A.T. カーニーを経て、1904年創業の老舗花屋である青山花茂本店に転職。2019年から同社のCEO(最高経営責任者)を務める北野雅史さんは、コンサル時代に顧客企業の経営層と密に仕事をしていても、
「CEOという一人の人間の影響力がこれほどまでに大きいという実感はなかった」
と語る。
自分の意思決定一つで、会社の行く末が大きく変わることではないでしょう
倉橋さんと同じく、新卒でマッキンゼー→楽天を経てランサーズの取締役となった曽根秀晶さんは、コンサル時代と今を比べて
直観力=感が鋭い
説得力=言葉に力がある
責任力=腹が据わっている
などが強く問われると話す。
特に経営コンサルタントや大企業の経営企画などの立場から転じて、ベンチャーなどの経営に飛び込んで、実際に意思決定を行う人に向けて、田坂さんの著作はおススメです(他ではたとえば『なぜマネジメントは壁に突き当たるのか』や最近の『直観を磨く深く考える7つの技法』など)。 経営企画や経営コンサルタントと違い、本当に経営者として意思決定するというこについての示唆が深いです。田坂さんの本著作でいうと、直観力=感が鋭い(理屈だけでは答えの出ない問題に正しい答えを見出す)、説得力=言葉に力がある(組織内での合意を得て、組織を動かす)、責任力=腹が据わっている(意思決定に伴うリスクをとり、その結果に責任を取る)ことの重要さが説かれていますが、具体的なエピソードも含めて、大変参考になります。
アクセンチュアを経て2021年に起業した横山俊さんのように、将来の起業を前提に、「経営視点や事業戦略に関する知識・経験を養う」ためにコンサルファームに就職する人もいるだろう。
だがその場合も、自らビジネスを動かす側になった時の違いを理解した上で仕事に取り組むほうが、後々のキャリアに生きるはずだ。
学生時代から、将来は起業家を目指したいと考えていた。一方で、新卒でいきなりスタートアップに挑戦するほどの自信がなく、経営視点や事業戦略に関する知識・経験を養うため、戦略コンサルタントを志望した。 戦略コンサルタントの中で、アクセンチュアを志望したのは大きく2つの理由があった。 ①よりエキサイティングな案件が舞い込む環境 これからは、事業戦略や経営を語る上でテクノロジーは不可欠だと認識していた。様々ある戦略コンサルティングファームの中で、最もテクノロジーに対して先行投資をしていると感じたのがアクセンチュアであったため、アクセンチュアを志望した ②社風へのマッチ 実際にお会いした社員を通して、固すぎない人柄や、風通しのよさなどが自分いフィットしている、と感じた点も大きい
この「違い」について、マッキンゼー出身の南場智子さんは次のように語っている。
「コンサルティングファームでは、何かやりたいと思ったときに、それをゼロから組み立ててしっかりと『起承転結』を実現できる機会がありません」
【南場智子】いま私が22歳だったら、絶対マッキンゼーには行かないこの「起承転結」の具体例は、下の対談記事で紹介している。
要は、失敗も含めて担当事業でオーナーシップを持つ経験をいち早く積むことが、ビジネスリーダーへのステップアップでは必要不可欠とのことだ。

【DeNA】南場智子×秋元里奈「起業家が育つ職場」はココが違う
一方で、若い時期にコンサルファームのような環境で仕事をするメリットを語る事業家もいる。
戦略コンサルのアーサー・D・リトルに就職した後、JINSやSun Asteriskで事業開発を行ってきた井上一鷹さんは、「仕事の型が定まる20代にうちに、モチベーションの高い同僚に囲まれて働くことが大きな財産になる」という。

【井上一鷹】成長速度を上げるには「脳のタイプが違う人」と働こう
新人時代を米国Deloitteで過ごしたアンカー・ジャパン代表の猿渡歩(えんど あゆむ)さんも、コンサルで「ビジネスパーソンとしての成長速度を圧縮できた」と語っている。

【Anker代表】同世代の4倍成長する「35歳までの過ごし方」
記事を読むと、井上さんも猿渡さんも、南波さんの言う「仕事の起承転結」を一通り回す経験が重要という点では同じ意見だ。
しかし、その前に“基礎体力”を養う環境として、コンサルはおすすめだという。
どんなファーストキャリアを歩むとしても、一番大切なのは「どんなプロフェッショナルになるか」という問いを持ち続けることだとアドバイスするのは、経営共創基盤の塩野誠さん。
コンサルでありながら、起業家、ベンチャーキャピタリストとしての顔も持つ塩野さんは、下の記事でコンサル経験の意味を客観的にこう述べている。
「ちなみに、一度コンサルタントを経験した人は、事業会社での仕事を経て、再びコンサル業界に戻ってくるというケースが多々あります。私自身もそうですが、一定の期間、特定の事業に集中してかかわっていると、再び“自由研究”をやりたくなるのです(笑)。
それが可能なのも、好奇心を持って経営のプロフェッショナルとしての知識や経験を増やし続けているから。どんな環境でも価値を出すことができるようになれば、キャリアの自由度が一気に上がります」

【経営コンサル】採用担当が絶対に明かさない「5つの仕事のリアル」
この記事では、新人時代のコンサルが具体的にどんな業務を担当することになるかも解説してある。これも参考にして「コンサルに行くか、事業会社に行くか」を検討してみてほしい。

合わせて読む:【保存版】コンサルのキャリア「5つの選択肢」(NewsPicks)

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