【みんなの知恵】今日から仕事のモチベーションを上げる3つの行動

2022年1月5日(水)

モチベーションは「自分だけの問題」ではない

年明けは、新たな目標に向けてテンション高く働こうという気持ちと、束の間の休暇から心身が切り替えられずゆっくりしたい気持ちが混在しがち。

やる気を上げて良いスタートを切りたいが、気持ちがついてこない。そんなジレンマに後ろめたさを感じながら仕事始めを迎えた人も少なくないだろう。

「モチベーションアップは自己管理のうち」と断じる人もいるが、下の記事にあるように、きちんと“科学”すれば環境要因も大きいことが分かる。

【小笹芳央】企業と働く人、モチベーション次第で二極化する

一例を紹介しよう。上の記事によると、従業員のモチベーションコンサルティングを生業とするリンクアンドモチベーションでは「3カ月を1年」ととらえて仕事を進める職場環境をつくっているという(2017年の取材当時)。

これで各々が目標に向かう時間軸を短くしつつ、3カ月ごとに“年末年始休暇”(ピットイン休暇)を設けるなどリフレッシュする機会も併用。こうすることで、皆がダラダラせずに行動しつつ、適度な切り替えで社員のモチベーションを維持するよう組織全体をデザインしている。

仕事のモチベーションは、他人の動きにも影響される──。今回はこの視点をヒントに、JobPicksのロールモデルが実践するモチベーションアップ(維持)のやり方を見ていこう(注:ロールモデルの所属・肩書は、全て本人が投稿した時点の情報)。

仕事始めにスタートダッシュを決める意味でも、参考にしてほしい。

1. チームメンバーといつも以上に絡む

今日からできる行動としておすすめなのが、チームメンバーとの会話の量を増やすこと。年末年始にやったことの共有や、今年やってみたいことなど、テーマは何でもいい。

どんどん1on1を入れて人と接する頻度を増やすことで、コミュニケーションそのものがやる気のスイッチを入れてくれる。

DMM.comでプロダクトマネージャーを務める石垣雅人さんは、モチベーションがチーム開発の成否を左右すると痛感してきたからこそ、1on1の量をこなす時期を意識的につくるそうだ。

チームのモチベーションが低くなってしまっているとき

プロダクトを作る上で、エンジニアやデザイナーといったモノを作る存在は必要不可欠です。 私自身もエンジニアであるため、エンジニアがモチベーション高く開発できているときは、スピード感をもってイテレーティブな改善をどんどん回せますし、それによって事業が成功することもあります。 一方、開発プロセスがうまく整備されていなかったり、エンジニアが開発しづらい環境だとモチベーションがどんどん低下していきます。そうなると、チームの雰囲気も悪くなり悪い方向にメンタルモデルが形成されていきます。 逆に少しの壁があったとしても、エンジニアやデザイナーがモチベーション高くいれば意外にすっと超えられます。 なので、できるだけエンジニアリングマネジメントにも力を入れるようにし、1on1を中心とした会話の量を増やしたりアジャイルを中心とした開発プロセスの整備に力を入れています。

メンバークラスの社員なら、年明けの今、昨年できていなかったことや抱えていた悩みを相談してみるのも手だ。

同じDMM.comでインサイドセールスを担当する林暁ブンさんは、「仕事を1人で抱え込み過ぎず、先輩や上司に助けを発信すること」もプロの仕事の一つだと投稿している。

仕事を一人で抱え込み過ぎず、先輩や上司に助けを発信することです。

周りに迷惑かけたくと思い、一人で抜け出せない時、敢えて仕事の効率を悪

2. 仕事する相手を喜ばせる

クライアントやチームメンバーなど、自分の担当業務にかかわる人のために動き始めるというのも、やる気を取り戻すきっかけになる。

自分のためより、誰かのため。目先の小さな目標でいいので、この視点を持って仕事を始めるだけで、動き方が変わるからだ。

エイベックス・エンタテインメントの営業企画・西木沙織さんは、若手時代に役員から聞いた次のような話に感銘を受けたそう。以降は、”想像” 次第で行動が変わると信じて働いてきた。

トンネルを掘っているのか、未来を作っているのか。

__ とある旅人が 山でトンネルを掘っている人に「何をしているのです

新年は「身近な誰かのため」に新しい仕事を始めてみるのもいいかもしれない。

エン・ジャパンで広報・PRを担当する清水朋之さんは、2019年から社内向けの「YouTube社内報」を始めたことが、今の仕事のやりがいにつながっていると語る。

自身が仕掛けた仕事が、社員を幸せにしていく。~広報YouTuberの誕生~

自身の広報活動を通じて、社員のモチベーションを上げることができたとき

クライアントや社外の人とは違い、比較的すぐに反応が返ってくる対象に向けた仕事は、清水さんが投稿しているように「アウトプットへのレスポンス」が見えやすい。

身近な社員を応援するための仕事が、自身のやる気を高める原動力にもなっているようだ。

3. こなせるタスクを増やす(ために学ぶ)

環境≒見える景色を変えながらやる気を高めるやり方で、ある意味究極の方法と言えるのが、自分自身ができることを増やして手掛ける仕事の範囲を広げていくこと。

ユーキャンの通信講座がTVCMを増やすように、年明けは今までと違った挑戦をしやすい時期でもある。心機一転、自分なりのスキルアップ目標を掲げて動き出すことで、フレッシュな気持ちを維持することにつながる。

約10年あまり、スタートアップの経営陣として多忙な日々を送ってきた村上未来さんは、新たに覚えなければならないことが膨大にある環境で働く日々が「常に興味と高いモチベーションを持って仕事に取り組めた要因」だと述べている。

新たなチャレンジを続けることによる成長の実現

成長するベンチャー企業におけるCFOという仕事を通じて、非常に様々な

「1年前にはできなかったことができるようになった」「昨日より短い時間でタスクをこなすことができるようになった」という実感が、仕事を続ける原動力になっていると語るのは、ユーザベースCTO(最高技術責任者)のHayashi Takayukiさん。

たとえ小さな学びでも、昨日より成長したと思えることがモチベーション維持につながっているそうだ。

自分自身の成長を実感出来た時

一年前には出来なかった事が出来るようになった、昨日より短い時間でタス

学びを積み重ねて行き着く先は、究極のプロフェッショナルだ。

『世界で活躍する人は、どんな戦略思考をしているのか?』(KADOKAWA/中経出版)や『20代のための「キャリア」と「仕事」入門』(講談社)など、キャリア関連の書籍も数多く執筆している有名コンサルタントの塩野誠さんは、モチベーションを維持できないシチュエーションでも成果を出すためのスキル習得が本当の意味の成長だと話している。

結局、一番大切なのは「どんなプロフェッショナルになるか」という問いです。健康問題はもちろん、出産や介護など、長い人生では仕事を一時的に中断しなければならないライフイベントも起こり得ます。それに、人間である以上、モチベーションが維持できなくなる時もあるでしょう。そんな中で仕事を続けていくには、何らかのプロフェッショナルになるしかない。 ── 【経営コンサル】採用担当が絶対に明かさない「5つの仕事のリアル」より

【経営コンサル】採用担当が絶対に明かさない「5つの仕事のリアル」

このような将来像のために、今日から始められることを探してみる。これも、仕事始めの時期を意欲的に過ごす発奮材料になるかもしれない。

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