【Anker猿渡歩】同世代の4倍成長する「35歳までの過ごし方」

【Anker猿渡歩】同世代の4倍成長する「35歳までの過ごし方」

モバイルバッテリーやプロジェクターなどのアイテムを展開し、直営店も運営する「Anker(アンカー)」。


同社は2011年に中国・深センで誕生。瞬く間にグローバル・メーカーとなり、2013年に立ち上がった日本法人も2020年には売上200億円を超える規模に成長した。


この大躍進を導いたのが、アンカー・ジャパン代表を務める猿渡歩(えんど あゆむ)さんだ。


Deloitteでの経営コンサルティングや、日本産業パートナーズでのプライベート・エクイティ投資業務(以下、PEファンド)を経験したのち、Ankerの日本事業部門創設から屋台骨を支えてきた。


そんな猿渡さんは、「いま22歳だとしても、コンサルに就職するかもしれない」と語る。
成長を望む学生は、どのようにしてキャリアを選択すべきか──。猿渡さんのキャリア論を通じて、非連続の成長を手繰り寄せる働き方を探っていく。


※この記事は、NewsPicksの特集「Z世代の就活」に掲載したインタビューの無料ダイジェスト版になります。インタビュー全文は末尾にあるリンクをご覧ください。

アンカー・ジャパン代表・猿渡歩(えんど あゆむ)さんの経歴

目次

35歳までの過ごし方が大事な理由


私の基本的な考えは、「35歳までの過ごし方で、その後の仕事観が決まる」というものです。


人間は習慣の生き物。若いうちから「高い成果を出そう」と必死になったり、根詰めて取り組んだ経験がない人が、年齢を重ねてからそうできるかといえば、それは簡単ではないと思います。体力的にも、マインド的にもです。

アンカー・ジャパン猿渡歩(えんど あゆむ)さんが「いま22歳」だったら

人生はいつだって“Never too late”ですが、キャリア形成に関してあえて目安の数字を出すとすれば、そのタイミングは「35歳」だと個人的には思っています。この考え方は、学生時代から今日まで変わっていません。


新卒でコンサルティングファームに就職したのも、ビジネスパーソンとしての成長速度を圧縮できると思っていたからです。


「同世代の2倍の密度で2倍の時間働けば、4倍の差をつけられるだろう」という算段のもと、当時はとにかく多くの経験を積める環境を探していました。

同世代の2倍の密度で2倍の時間働けば、4倍の差をつけられる

コンサル時代、忙しいプロジェクトにアサインされたときは、結果を出したいという強い思いから深夜まで働いていた時期もありました。勉強にせよ、仕事にせよ、何事にもハードに取り組み、自分を奮い立たせてきました。


一方で経営判断をする機会が増えているここ数年は、ようやく「しっかり休んで、しっかり働く」のメリハリがつけられるようになりました。


もちろん、楽しいことばかりではありません。しかしながら、犠牲を払って努力した時間がくれた恩恵は大きいと思います。


コンサルを経てPEファンドに転職し、アンカー・ジャパンの代表になれたのも、若い頃から自分の限界に挑戦してきた結果だと思っています。


もちろん、ハードワークを推奨しているわけではありません。人生には仕事以外にも大切なものがあるし、健康を害したら元も子もありません。


でも、自分の経験から、「何かを失わずして、何かを得られることはない」というのは間違いないと思っています。

何かを失わずして、何かを得られることはない

普通にしていたら達成できないような高い目標を掲げて、それを本気で成し遂げようとするなら、やはり何かを失う覚悟も必要ではないかと思います。


目先の利益より、長期的な成長


新卒でコンサルに就職したのは、いま振り返ると正解だったと思います。働くうえで最も大切な“基礎体力”を身に付けられたからです。


パワーポイントやエクセルなどの基礎スキルが身に付きましたし、プレゼンの方法論を知ることもできました。「資料作成能力」と聞くとチープに感じるかもしれませんが、ビジネスにおける基礎であると思っています。

「資料作成能力」は、ビジネスの基礎力
Photo:iStock / Masafumi_Nakanishi

また、ビジネスの大局観を身に付けられたのも財産です。


経験したことのないものは、身に付けられません。企業の代表クラスの方々と働かせていただいた経験は、一社員であった私に、経営者としての視座を授けてくれました。この経験は、少なからず現在に影響しています。


それだけ恵まれた環境に身を置けていたにもかかわらず、コンサルをやめてPEファンドに転職したのは、少しずつ自分が評価されるようになってきたからです。


ハードに働くということは、単に働く時間を長くするということではありません。時間だけではなく、密度を高める必要があります。


自分よりも優秀な人に囲まれなければ、密度は高まりません。自分が評価される環境に身を置くということは、自分よりも優秀な人が相対的に少ない環境に身を置いているということとイコールです。

自分よりも優秀な人に囲まれなければ、学びの密度は高まらない

評価されたことはうれしい一方、より難度の高い仕事に就ける環境として、PEファンドの門を叩きました。


PEファンドでは、コンサルに比べ、より経営に踏み込んだ仕事に従事できました。プロフェッショナル中のプロフェッショナルが働く環境でもあるので、毎日のように背伸びができていたと思います。


ただ、そこであることに気が付きます。「現場を解像度高く知っているからこその大局観がある」ということです。


投資先の方と話していると、現場を知っているからこその意見が出てきます。彼らの意見は、経営提言をするはずの私のものより、芯を食っている場合が多々ありました。


やはり、経営をするうえでは、現場の理解は非常に重要です。

現場を深く知らない人に、大局観は無意味

PEファンドでディレクターを務める人たちは、あまり現場に入らずとも、現場の状態を想像したうえで適切な提言ができていました。一方、私は、彼らのようにソリッドな提言をするほどの能力はありませんでした。


そのとき、アドバイザーではなくプレイヤーとして、経営責任を負う経験が必要だと考えました。そうでもしなければ、社会に価値あるインパクトを与えられる人間にはなれないと思ったからです。


向こう数年の自己資産を最大化するなら、給料面でも恵まれているPEファンドに残るのが最適な選択だったかもしれません。ただ、それをしたところで残るのは、目先のお金でしかない。


当時の年齢が、27歳。35歳まではまだまだ時間があり、失うものもなかった。挑戦するならいまだろうと、アンカー・ジャパンへの転職を決めました。


どこで働くかより、何ができるか


私がアンカー・ジャパンに転職したとき、社員は3人しかいませんでした。スタートアップですから、目先の給料も当然のように下がりました。


それでも、そこで得られる経験には、お金では買えない価値があるように思えました。


アンカー・ジャパンに入社する前の私は、会社の看板を使って仕事をしていたと認めざるを得ません。それなりに評価された瞬間もあったかもしれませんが、会社を代表する社員だったわけではない。自分の名前だけで勝負できるかといえば、そうではなかった。


でも、当時日本では無名だったAnkerを成長させられれば、「猿渡歩」として、自分の名前で仕事ができる可能性があった。その可能性に賭けたのです。


学生の皆さんには、年収と市場価値はイコールではないということを知っておいてほしいです。上司が獲得してきた1億円の案件をサポートして年収1000万円をもらうことと、自分の名前で1000万円の案件を獲得することには、大きな違いがあります。

上司の1億円案件をサポートして年収1000万円をもらうのと、自分の名前で1000万円の案件を獲得するのは違う

この案件は誰の名前で獲得できたものなのか、どうすれば自分にしか出せない価値を発揮できるのか。これを意識して働かない限り、再現性のある能力が身に付くことはないのです。


私は自分で自分のことをエリートだと思ったことは、一度もありません。もちろん環境の恩恵を受けてきましたが、当たり前のことに誰よりも一生懸命で全力で取り組む泥くさい日々が、今日の私をつくっています。


おそらく、皆さんが名前を知っているような経営者の方々も、そんな血の滲むような努力をしてきたはずです。


結局のところ、活躍できるかどうかの分水嶺は、自分の頭で考え、行動できるかです。ラーニングとアンラーニングを繰り返し、環境に自分をアジャストして限界まで頭を捻る。それ以外に、成長する方法はありません。

ラーニングとアンラーニングを繰り返し、環境に自分をアジャストして限界まで頭を捻る

会社の看板だけで働いて、自分自身の能力を高める努力を怠っていると、いつか限界が来てしまうのではないかと思います。


日本の企業も少しずつ、欧米型のジョブ型雇用に変化しています。つまり、どんな会社で働いてきたかではなく、何ができるかで判断される時代が来るということです。


今後は以前にも増して、自分の名前で仕事ができるということが、成果を上げるうえでの条件になっていくでしょう。


「1%の人しか持たない特技」を得るには


成長を望むなら、仕事の質と量で会社を選んでください。


また、専門性が身に付くかどうかも、基準にしてみることをお勧めします。


数年ごとに強制的なジョブローテーションを強いられるような環境では、社内で上り詰める意味では有用なのですが、それを目指していない場合は「自分はこれができる」と自信を持って言えるほどの専門性を身に付けることが難しい場合が多いです。


マーケティングでいう「強み」を伸ばす戦略のように、ビジネスパーソンとしての基本的なスキルを備えつつ、何か一つの専門性を極めている人は強いと思います。

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取材:平瀬今仁、取材・文:オバラ ミツフミ、編集:佐藤留美、伊藤健吾、デザイン:黒田早希、写真:本人提供

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