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【証言6選】『イシューからはじめよ』で生産性が劇的に上がるワケ

【証言6選】『イシューからはじめよ』で生産性が劇的に上がるワケ

目次

JobPicks経験談まとめ

「みんなでつくる仕事図鑑」JobPicksは、さまざまな職業のロールモデルが投稿した経験談を多数掲載している。本連載では、その投稿を参考に、仕事や就職・転職の悩みを解消するヒントを探っていく。今回は、名著『イシューからはじめよ』が仕事にもたらす効能についてだ。



『イシューからはじめよ』著者と要約



2010年に出版され、35万部超のロングセラー本に。



『イシューからはじめよ——知的生産の「シンプルな本質」』(英治出版)は、出版から10年以上が経った今も多くのビジネスパーソンに愛読されている。



著者の安宅和人さんは、東京大学大学院生物化学専攻で修士課程を修了後、マッキンゼーで経営コンサルタントに従事。2008年にヤフーへ転職し、現在はヤフーCSO(チーフストラテジーオフィサー)や慶應義塾大学SFCの教授を務めている。



専門分野は幅広く、中でもデータ分析を問題解決を結びつける視点が評判。データサイエンティスト協会理事も務める人物だ。





そんな安宅さんの著書は、経済界のみならず、アカデミアや官公庁の世界でも高く評価されている。



メディアアーティストとして有名な落合陽一さんも、『イシューからはじめよ』に影響を受けた一人だ。



NewsPicksの動画シリーズ「WEEKLY OCHIAI」で安宅さんと対談した際は、「(東京大学大学院で師事した)暦本純一先生に必読書として『イシューからはじめよ』を薦められた」と述べていた。





『イシューからはじめよ』が広く支持されるのは、あらゆる問題解決に使える思考法やアウトプット術が学べるからだろう。



安宅さんの言うイシューとは、「何に答えを出すべきなのか」についてブレることなく活動に取り組むための仮説だ。



複雑に絡み合う問題を効率的に解決するには、まずイシューを見極め、解決に向けたストーリーラインを組み立てる。これが、イシュードリブンで着実に成果を出すための基本だ。



安宅さんは、本書の中でこう述べている。



世の中で「問題かもしれない」と言われていることの総数を100とすれば、今、この局面で本当に白黒をはっきりさせるべき問題はせいぜい2つか3つくらいだ。

——『イシューからはじめよ』より



一方で、イシュードリブンな仕事と対極にあるのが、安宅さんの指摘する“犬の道”である。



解決するべきイシューを整理することなく、一心不乱に大量の仕事をして解を見つけようとするのは、時間も労力も無駄にする悪手だ。



上の対談動画でも、安宅さんは「とりあえず『頑張ってからモノを言え!』という“犬の道ドリブン”な人が多すぎる」と批判している。



では、本書から得られる学びは、具体的にどんな仕事で役に立つのか。



JobPicksのロールモデルの中で、『イシューからはじめよ』を薦める人たちのコメントから読み解いていく(注:ロールモデルの所属・肩書は、全て本人が投稿した時点の情報)。



経営コンサルタントの答え



ロジカルシンキングがあらゆる業務の基礎となる経営コンサルタントは、『イシューからはじめよ』の内容がすぐに役に立つ職業の一つだろう。



2017年からアクセンチュアで働く井手啓太郎さんは、『イシューからはじめよ』を薦める理由をこう述べる。



経営コンサルタント未経験者へのおすすめ本

転職や就活で、この職業を目指す未経験の方におすすめの書籍は何ですか?理由と合わせて教えてください。

井手 啓太郎
経験者井手 啓太郎
アクセンチュア株式会社

『イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」』安宅和人

この場で今更挙げるまでもなく、名著・必読書とされている一冊ではありますが、やはり敢えて1冊をお勧めするのであればこちらになるかと思います。

簡単に言うと、本著ではイシュードリブン・仮説ドリブン、つまり課題解決型、仮説検証型の思考様式が紹介されています。


コンサルタントは究極的には「思考した結果」に対して報酬を頂いており、「思考した結果」は、思考様式により大きく左右されるため、どの思考様式を用いるかは非常に重要です。


そして、少なくと...

も現状のコンサルティング業界において支配的な思考様式は、この本で紹介されているものです。つまり、イシュードリブン・仮説ドリブン等の思考様式をとることを前提にした「思考した結果」が多くの場合求められます。 一方で、これらの思考様式は、コンサルティング未経験の方にはあまり馴染みがないものであり、ゆえに求められるものと実際との間にギャップが生じやすいのではないかと想像しています。少なくとも、日本型の教育を受けてきて、新卒で今の会社に入社した私は、「イシューは何か?」「仮説は?」といったことを意識的に考えたことはそれまでありませんでした(私だけではないと信じたいですが)。 これらの思考様式について、「思考様式を知っている」ことと、「思考様式が身についている」ことはまた別物であり、そこにも大きなギャップがあるのは事実ですが、コンサルタントを目指す・これからコンサルタントとして働いていくにあたっては、何度もこの本を読み返していただき、実践も通して、身に着けていただけるといいのではと思います。




井出さんは、「コンサルタントは究極的には『思考した結果』に対して報酬を頂いており、『思考した結果』は、思考様式により大きく左右されるため、どの思考様式を用いるかは非常に重要」とコメントしている。



多くの案件で「イシュードリブン・仮説ドリブンの思考様式をとることを前提にした『思考した結果』が求められる」という。



まさに仕事のベースになる思考・分析法が身につくのだ。



▶︎ 井手啓太郎さんの他の経験談も読む



また、ゴールドマン・サックス証券を経てA.T. カーニー(グローバル・ブランド名:カーニー)に入り、現在はAIベンチャーのWACULでCFO(最高財務責任者)を務める竹本祐也さんは、『イシューからはじめよ』の価値をこのように説明している。



転職や就活で、この職業を目指す未経験の方におすすめの書籍は何ですか?理由と合わせて教えてください。

竹本 祐也
経験者竹本 祐也
株式会社WACUL

『イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」』安宅和人

コンサルティングの業務は、顧客の経営課題に対して、あらかじめ決められた期間内に答えを出すことが仕事です。そして、顧客からの対価は、その期間に応じて支払われます。つまり、コンサルティングファームは、最短最速で優れた答えを出すことが求められています。その最短距離で答えを出す方法が「仮説思考」です。その「仮説思考」の手法を説明するのがこの本です。


ボルダリングでも、ゴールとそこまでの道筋を見て、プロの方々はどこにどう手足を掛けて、どの道筋で...

あがるかを考えてスタートします。しかし、思い通りにいかないこともしばしばあり、途中で状況をみて、アプローチを変更しながら、とにかく最短でゴールを目指します。仮説をもって事に臨み、そして仮説が間違っていれば修正しながらまたのぼる。まさに「仮説思考」のアプローチです。 本の中では、闇雲にあたっていつか解にたどり着くだろうとする、効率の悪いアプローチである「犬の道」を脱する必要があると説いています。そのためのイシューの設定の仕方から、そのイシューを解いていく過程でどのようにまとめあげて答えにたどり着くかのアプローチを順に追って紹介されています。 イシューを起点として、論点に分解していく。それぞれの論点に対する回答の仮説を立て、検証をする。検証を積み重ねる中で、仮説が正しいと証明されることもあれば、間違っていることもあるので、仮説を積み上げた答えもまた、生き物のように常に変化していきます。 著者はマッキンゼーの出身者ですが、このアプローチは決してマッキンゼー独特であるものではなく、書かれていることそのものが標準的なコンサルタントの仕事の作法であり、働き方であると思います。 実際に、すぐに実践するには多くの人にとって経験者の支援が必要かもしれないとは思う一方、まずはこの手法をとりいれようとするなかで自らの思考プロセスがブラッシュアップされていくようにも思います。




このコメントからは、クライアントが悩み続けても解決できなかった難題の数々を、イシューから整理することで解決に導く武器になると読み取れる。



竹本さん自身、現在はCFOをしていることから、経営にかかわる仕事でもイシュードリブンの思考法が役立つのだろう。



▶︎ 竹本祐也さんの他の経験談も読む



事業企画やマーケター、営業の武器に



問題解決の思考が不可欠な職業は、経営コンサルタント以外にもたくさんある。



事業企画・事業開発Webマーケター・デジタルマーケターなど、ユーザーの抱える課題を自社プロダクトを通じて解消する切り口を考える職業でも、『イシューからはじめよ』から学びを得ている人が多い。



インターネットイニシアティブで事業企画・事業開発を担当する佐久間大さんは、「20代の社会人経験が浅い時に読んで、いろいろな経験が土台となっている30代になって、改めて読み直すことに大きな意味が生まれる」と述べている。



転職や就活で、この職業を目指す未経験の方におすすめの書籍は何ですか?理由と合わせて教えてください。

佐久間 大
経験者佐久間 大
株式会社インターネットイニシアティブ

『イシューからはじめよ』安宅和人

事業企画を考える上で、必要な要素を体系立ててまとめてあることがおすすめの理由です。


事業企画や事業開発を目指す入門書という観点では、20代の社会人経験が浅い時に読んで、いろいろな経験が土台となっている30代になって、改めて読み直すことに大きな意味が生まれる特別な一冊だと思います。


経験がないと本に書かれている内容は頭に入るだけで定着しないから実務で使えない。そんな経験がある人と、その予備軍の方にはおすすめです。


(20代の経験+本...

著) × (30代の役割+本著) = 事例のない新規事業のサバイブ




▶︎ 佐久間大さんの他の経験談も読む



Webマーケター・デジタルマーケターでは、NewsPicksの小林将也が『イシューからはじめよ』を推薦。



マーケティングの仕事は「課題設定と解決へのロードマップ、そこにたどり着くまでの効率を求められる職業」だからだ。



転職や就活で、この職業を目指す未経験の方におすすめの書籍は何ですか?理由と合わせて教えてください。

小林 将也
経験者小林 将也
NewsPicks, Inc.

『イシューからはじめよ』安宅和人

「悩まない、悩んでいるヒマがあれば考える」


全てのビジネスパーソンへ推薦したいレベルの名著ですが、特にマーケターこそこの考え方をインストールすると良いのかなと思います。


マーケターは課題設定と解決へのロードマップ、そこにたどり着くまでの効率を求められる職業ですが、最も必要なことはまずイシューからはじめることだと思います。

与えられた課題を解決する力よりも、イシューを設定する力こそ、マーケターとしての真価が問われるのではないでしょうか...




これら2つの職業は、問題解決のストーリーラインをブラッシュアップする時や、分析結果から実行策を導く時、シンプルに要点を絞って相手に伝えることが求められる。



難しいことをシンプルにしていく過程で、『イシューからはじめよ』のエッセンスが役に立つ。



▶︎ 小林将也の他の経験談も読む



この文脈で考えると、顧客が抱える課題を分析し、自社プロダクトがどう役立つのかを説明する営業の仕事でも生かせるだろう。



トステム、プレジデント社、NewsPicksで法人営業(フィールドセールス)を担当してきた佐久間亮輔は、未経験者へのおすすめ本として「この1冊しか思いつきません」と述べている。



転職や就活で、この職業を目指す未経験の方におすすめの書籍は何ですか?理由と合わせて教えてください。

佐久間 亮輔
経験者佐久間 亮輔
株式会社ニューズピックス

『イシューからはじめよ』安宅和人

この1冊しか思いつきません。


顧客に寄り添うための“イシュー”把握の必要性からストーリー構築、分析まで網羅されています。まさにこの職業における必携の書。


何度も読み返し、活用しながら自分の体に浸透させています。


この行動様式を得ることができれば、結果として問題解決の手法も手に入れることができます(ひいては結果もついてくるはずです)。


心に刻んでいる一文は以下です。

“僕を育ててくれた母体のひとつであるマッキンゼーにある教えという...

か、教義というか、はたまた新年というべきなのか、表現し難い「憲法レベル」とされる言葉にこんなものがある。 【Completes Staff Work】 これは「自分がスタッフとして受けた仕事を完遂せよ。いかなるときにも」という意味だ。 以上、参考になれば幸いです。




佐久間の他のコメントを読むと、法人営業は「物理的に数多くの案件を動かすことになり、首が回らなくなりがち」という苦労があるという。



だからこそ、さまざまな顧客の課題を共通のイシューとして整理する思考術が、仕事の生産性を上げるのだ。



▶︎ 佐久間亮輔の他の経験談も読む



UXデザインにも応用可能



意外なところだと、UXデザインの仕事にも生かせると述べるロールモデルがいた。



新卒でデザインファームのGoodpatchに入社し、現在はTBSテレビでUXデザイナーを務める野田克樹さんは「抽象と具体を行き来しつつ、不確実性を排除していきながらサービス・プロダクトを設計していく」プロセスで本書が役に立つという。



転職や就活で、この職業を目指す未経験の方におすすめの書籍は何ですか?理由と合わせて教えてください。

野田 克樹
経験者野田 克樹
TBSテレビ

『イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」』安宅和人

UXデザインプロセスについての書籍を推薦するか迷いましたが、本質的には課題を特定する力が重要だという理由でこの本を推薦した。


「プロセスを組み上げる、サービスを設計する」等どんな時も現状の課題はなにか?つまり、イシューはなにか?という点から全ては始まります。この基礎的なポータブルスキルがあって初めて一人前のUXのデザイナーへの道が拓けると思ってる。


この書籍含め、UXデザイナーを目指す方は課題特定力や構造化力を鍛える書籍を読めると良...

いと考えている。




ユーザー体験やデザイン設計の良し悪しは、理屈より人の感情に大きく左右される。それゆえロジカルシンキングよりも「センス」のようなものが重要だと思われがちだ。



だが、野田さんのコメントを読むと、情報設計の議論や仮説検証をする時こそ、課題特定力なり構造化力が必要だと分かる。



▶︎ 野田克樹さんの他の経験談も読む



この2つの力は、極論、あらゆる仕事でアウトプットする際に求められるスキルだ。仕事のイロハを覚え、自分で課題設定から行うフェーズになった時期に、読んでみるといいかもしれない。



「JobPicks 未来が描ける仕事図鑑」

文:伊藤健吾、デザイン:國弘朋佳

※ この記事に編成されている経験談は、記事作成時の経験談の内容と情報が異なる場合があります。

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