コンテキストの伝達役
人にデータの意味を解釈させる翻訳家であり、思考や行動への繋ぎ手
体験とビジネスの解像度を上げる。
UIはユーザーインターフェースの略で、UIデザイナーとは主にWebサイトやスマートフォンアプリのインターフェースを設計し、必要なデザインを制作する仕事だ。タッチパネルなどの「画面」を通じて利用するサービスが増えている中、ユーザー体験(UX)を直接的に左右するUIデザインの重要度は年々高まっている。
比較的リモートワークがしやすい職業でもあるため、フリーランスとして活動するUIデザイナーも増えている。
仕事の中で、最も楽しいと感じる瞬間はどんな時ですか?
弊社のデザイナーは、サービスの戦略フェーズからアサインされることが多いのですが、別職種のメンバーとサービスについて、ああでもないこうでもないと議論している時間、要件が固まって少しずつサービスの方向性が見えてくる過程、成功したときのビジョンがチーム内でぼんやりと想像できたときは楽しいと感じます。
チーム全員で同じゴールに向かって走っていると、チーム内の熱量も高まり、ユーザーテストがうまくいかなくて苦しい時も辛いと感じることなく、みんなで...
乗り越えることができます。 もちろん、1人のデザイナーとして抽象的な概念をうまくデザインに落とし込めたときは、チームで仕事をするときとはまた違った楽しさを感じます。
この仕事をやっていて、眠れないほどしんどい瞬間はどんな時ですか?
UIはユーザーの行動を良くも悪くもコントロールしてしまうので、画面の表記やデザインが影響してサービスに大きな損傷を与えてしまう時。
例えば、現在携わっているwevoxというエンゲージメント解析サービスは、パルスサーベイが主体になっています。そのためUI デザインのクオリティによってはサーベイの配信ができない、サーベイの回答ができないことが起きてしまう可能性があります。
そもそも画面のデザインによって行動ができないことが発生すると価値...
が生まれないので、その際はしんどいです。
転職や就活で、この職業を目指す未経験の方におすすめの書籍は何ですか?理由と合わせて教えてください。
UIデザインのプラクティカルな手法を学ぶ前に読んでみると、UIデザインをより面白く感じられると思います。
人と端末を仲介するのが UI であり、それ故、UIを使う人がどう思い、どう感じるかは常に意識する必要があります。本書はUIに限らずデザインしていく上で参考になる心理学的知見を学ぶことができます。
論文をあっさりと読みやすく、図やグラフを用いてまとめられておりデザイナーでなくとも、UIデザインを知りたいという方の入門書としてうって...
つけだと思います。
同業の先輩や同僚にアドバイスされたことで、最も仕事上の教訓になったことは何ですか?
僕がデザイナーになりたいと思い、転職活動を始めた際に、感じていたことがデザインという言葉の持つ意味の広さ、解釈性の多様さです。そのためその人が解釈したデザインの範囲によって仕事のスタンスが決まりそうだと感じていました。
その中ですごくその通りだと思ったのが「デザイナーはアウトプット出してなんぼ」、「チームの共通認識を生み出すのもデザイナーの仕事」、「プロトタイプを回す」、「見た目を整えるだけがデザインではない」です。
僕が教訓として...
いる理由は下記になります ■ デザイナーはアウトプット出してなんぼ -アウトプットを出さないとチームの議論も始まらなければ、開発も始まりません。アウトプットを出す回数が多ければ多いほど、共通認識を取りつつ、チームが高速で動くことできます。 ■チームの共通認識を生み出すのもデザイナーの仕事 - 上記にも記載していますが、具体的なものになればなるほどチームの共通認識がとりやすくなる。チームの共通認識をとるコトができれば、チームとして一枚岩で早く動くコトができる。そのためにストーリーテリングをしてプロトタイプをするコトが大事。 ■ プロトタイプを回す - 共通認識を生み出すためにもプロトタイプというアウトプットを高速で回すことも大事。それだけ磨かれていいアウトプットになります。 ■ 見た目を整えるだけがデザインではない UIデザインはビジョンや戦略から落とした一貫したUXを生み出すものでもあるため見た目をカッコよくするのではなく、文脈から落とした整合性をどう生み出すかが大事になってきます。
この仕事を目指した理由や目的は何でしたか?
■ 前提
UIとかUXとかグラッフィックとかの細かい手段に強い関心があったわけではない。"デザイン"をしたかったという背景がありデザイナーを志望しました。
■ なぜデザインなのか
僕の中でデザインは大きく2つに分けて考えています
●広義のデザイン : デザイン経営宣言に代表されるようなもの、佐藤可士和のように経営を行う上で必要なものを対話しながらクリエィティブに落とし込むようなプロセス。ロゴの巨匠ポール・ランドのように関係性全てが...
デザインという"見た目以外の体験やプロセスを含んだ”視点。 ●狭義のデザイン:グラフィックやUIのように"見た目"の観点でのデザイン デザインは関わる人に対してより良い価値を作るためにあります。そのためデザインはどこまでも無限で世の中のルールをも変えられるものだと感じていたのが転職する前でした。 僕自身、イキイキと働く人を増やすことに関心があったためどうやったらより多くの働く人がイキイキできるか考えていたのですが、そのためには ・働くことへの概念/モノサシをリフレームする必要がある。 ・より多くの人に影響を与えるためにはITの力を使って、プロダクトで戦う必要がある。 ・顧客だけではなく自分たちのチームにもポジティブに影響を与えられる働き方がしたい その時に手段としていいと思ったのがこの"デザイン"でした。 ■ 結果的にUIデザイナーに。 結果的に転職した時にプロダクトをつくるためにデザインをする・実装をすると言うことでUIデザイナーになりました。 詳しくはこちらにも記しています。 https://note.com/k5arakaki/n/n99a4a96b7f64
この仕事に向いている人、向いていない人の資質とは何だと思いますか?
User Interfaceはユーザーが自然に行動するための接点であるため、本来はデザインを意識せずとも行動に繋がるようなデザインが融けている状態が好ましいと思っています。
画面の至る所が主張をしていると、本来生み出したい思考や行動よりもその主張ばかりが目に入ってしまい、生み出したい価値が生み出しにくくなると考えているからです。
僕もUIデザイナーになりたての頃は、ここのコンポーネントは少し工夫して特長立たせたいなどエゴが入ってし...
まいました。ただサービスにおいてデザインは静的なものではなく、動的であるため一貫性が大事になる場合があります。 俺のデザインを見てくれ!と言わんばかりに主張をするデザインはいいUIデザインとは言えないと思うので自分のアウトプットで目立ちたい!とう人はグラフィックや広告などの方がいいのかもしれないと感じています。
この職業について未経験の人に説明するとしたら、どんなキャッチコピーをつけますか?
コンテキストの伝達役
UIデザイナーとして仕事をするには、情報設計の基礎知識やデザイン制作に関する各種ツール(PhotoshopやIllustratorほか専用のツール)を使いこなすスキルが欠かせません。
複数のクライアントワークを抱えている場合は、納期に追われながらたくさんのデザインを納品しなければならず、ツールを使いこなす技術はより重要になるでしょう。
とはいえ、これらと同等かそれ以上に大切なのが、ユーザー体験(UX)を向上させるデザインを生み出すための心理学的な知見です。
作るインターフェースの出来が、UXという「人の感情に基づく部分」に直接影響を与えるため、ロールモデルの投稿でも行動経済学や認知心理学について学んだという内容が多いようです。
UX面で良いデザインを制作するために、他のUIデザイナーが仕事内容をまとめたポートフォリオや、流行っているWeb・アプリのUIを観察するなど、インプットし続ける姿勢も求められます。