「思いっきり寝よう」トリンプ元社長、PR、メイク、音声プロの年始

「思いっきり寝よう」トリンプ元社長、PR、メイク、音声プロの年始

    第一線で活躍するビジネスの先輩たちは正月をどこで、どのように過ごしているのでしょうか。「今なら間に合う! リーダーが薦める正月アクション」として、根本陽平さん、吉越浩一郎さん、池畑玲香さん、野村高文さんの4人に聞きました。

    3回目となる今回は、休み明けを迎えた時に最高のパフォーマンスを発揮するためのアドバイスや、向こう一年を見据えた目標設定の大切さなどが語られています。

    目次

    ①PR専門家 | 勝手に「ベストブックアワード」を開催。POPも作ろう

    電通PR出身で、PRジェネレーターの根本陽平さんは2023年に読んだ本(これから読みたい本でもOK)に着目します。読書体験がしっかり記憶に残るよう、もう一度ベスト5やベスト10の形でピックアップして「ベストブックアワード」を開催し、自身の記憶に刻むことを薦めます。

    さらにピックアップした本については「もし店頭に並べるなら?」とイメージして店頭POPまで作成するという徹底ぶりです。

    根本陽平さん

    根本「人に薦めるという視点でPOPを作ることで、自分が大事にしているポイントが見つかりやすくなります。年間10冊ピックアップするのを10年繰り返せばベスト100が出来上がりますし、読みたかったけど読んでいなかった本を手に取る機会にもなります」

    このほかに根本さんが取り組むのはSSC(Start、Stop、Continue)の設定です。

    • Start:今年新しく始めること

    • Stop:新しいことを始めるためにやめること

    • Continue:意志を持って続けること

    これらを言語化することで、「自分が今年何を成長させたいか」のイメージが湧いてくるということです。

    また、自分の時間を見直すことを目的とした「自分時間の円グラフ」作成も。2023年に費やした時間を「仕事」「趣味」「家族」などに分類してグラフ化した後、「2024年の理想の円グラフ」を作成して比べます。二つを対照することで、「ありたい自分と現状の自分のギャップを確認できる」と解説します。

    ②トリンプ元社長 | 目指すは残業ゼロ。「睡眠負債」解消でピカピカの脳に

    トリンプ・インターナショナル・ジャパンの元代表取締役社長で、「残業ゼロ」や19年連続の増収増益を達成した吉越浩一郎さんは「正月休みの間は、思いっきり寝ましょう」と話します。

    吉越さんは睡眠の世界的研究者で筑波大国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史・機構長の研究を引き合いに、1、2日では取り戻せない「睡眠負債」を解消し、脳をピカピカの状態にする大切さを強調します。そうすることで、単位時間あたりの仕事のスピードの速さ、質の高さ、量の多さ、ミスの少なさに気付き「自身のパフォーマンスを再確認できる」と語ります

    吉越さん

    吉越「十分に寝た後の、自分の『頭の良さとキレ』は忘れないで。そして会社のためにも自分のためにも、毎日十分に睡眠を取った状態で出社できるよう努力してみては。周りのみんながあっと驚くような、誰にも負けない仕事につながるはずです。正月はせっかくのチャンスですから、十分な睡眠を取り、これを機会に私の実践してきた『残業ゼロ』を狙ってほしいです」

    そんな吉越さんの年末年始は南フランスで過ごすのが恒例。美味しいものと美味しいワインで英気を養っているということです。

    ③ヘア&メイクコンサルタント | やりたいことだけやる。残りは「のんびりダラダラ」

    戦略メイク 自分の顔は自分でつくる」(BOW BOOKS)の著者で、ヘア&メイクアップコンサルタントの池畑玲香さんも「ひたすらのんびりダラダラしよう」と呼びかけます。

    池畑さんは、現代は多くの人が「やらなくてはいけないこと」まみれになっていて「身も心も思った以上に疲れている」と指摘します。のんびりダラダラするポイントとしては、より長く、まとまった時間を使うことを挙げています。

    池畑玲香さん

    池畑「世の頑張りすぎの女子にとって、最も大切な活動の一つが休息。マズローの5段階欲求説によると、上位の欲求(自己実現の欲求)に向かっていくためには、まずはピラミッド構造の下の段の欲求を満たしてあげることが大切です。そうすれば自然と段階が上がり、今後何がやりたいかも見えてきます。こんなことを言うと『たしかにお前はいつもダラダラしてそうだな!』と突っ込まれそうですが...」

    そんな池畑さんは、海の近くにある別荘で正月を過ごすことが多いようです。パートナーとビーチを散歩したり、旬の海の幸を食べたり…。自然に触れ、童心に帰って「やらなくてはいけないこと」ではなく「やりたいこと」だけやる時間がリフレッシュにつながるそうです。

    ④音声プロデューサー | 時間があるからこそ「長期的に重要なこと」に着目

    さまざまなPodcast番組のプロデュースや編集に関わる音声プロデューサー・編集者の野村高文さんがイチオシするのは「個人の目標設定」。これは上司から言われたものや会社で必要なものではなく「個人としてやりたいこと」に力点を置くことを強調します。

    野村高文さん

    野村「仕事が始まり忙しい日々になってくると、どうしても『長期的に重要なこと』よりも『目先の必要なこと』に意識を取られがち。心に余裕がある正月休みに、長期的に重要なことに思いを馳せるといいと思います。目標は自室の見えるところに貼っておき、3ヶ月ごとに振り返りをするといいと思います」

    一方、野村さんは正月にぜひやっておきたいルーティンがあるといいます。それは「マンガの一気読み」。細切れに読むと内容を忘れがちな作品を、余裕のあるタイミングで一気に読み終えてしまうのがおすすめだそうです。

    「今なら間に合う!リーダーが薦める正月アクション」。1回目2回目と合わせて総勢12人のお正月をのぞき見してきました。自分に合いそうなもの、気になったものがあればぜひ実践してみてください。2024年が素晴らしいものになりますように!

    (文:鍬崎拓海、竹本拓也、デザイン:高木菜々子、編集:竹本拓也、野上英文)