2024年の幕開けです。「2024年こそは!」とコト起こしに燃えている人、あるいは転職やリスキリングを意識している人も少なくないでしょう。
日頃の忙しさから離れ、まとまった時間がたっぷりあるお正月。第一線で活躍するビジネスの先輩たちはどこで何をしているのでしょうか。
JobPicks編集部では「今なら間に合う! リーダーが薦める正月アクション」と題して、各界の12人から聞いた、とっておきの過ごし方を3回に分けて紹介します。
初回は、矢儀田汐理さん、佐藤雄佑さん、森本千賀子さん、岡本純子さんの4人。目標設定や思考整理に役立つTipsなど多彩なアイデアが満載です。難しいアクションはありません。自分に合うものがきっとあるはず。2024年が素晴らしい一年になりますように!
人材紹介会社パーソルキャリアの広報担当、矢儀田汐理さんは「年末年始だからこそやりたいことを詰め込もう!」と話します。スケジュールをたずねると、ぎっしり詰まっていました。
TWICEのライブを観賞
ブルーノ・マーズのライブを観賞
BLACK IRISのライブを観賞
サッカー日本代表vsタイ代表を国立競技場で観戦
タイ、シンガポール旅行
これらの予定の他に、プチ整形の日程も確保していました。矢儀田さんによると、今回だけ特別に予定を多く入れているわけではなく、音楽ライブやスポーツ観戦に旅行とプチ整形を組み合わせるのは「恒例」とのことです。
好きなものに没頭する時間が楽しいのはもちろんですが、矢儀田さんがこうした年末年始を過ごす裏側には「広報のプロ」ならではの意図もあるようです。
矢儀田「仕事始めに必ず同僚や取引先から聞かれるのが『年末年始ってどこか行きましたか?』という質問ですよね。たいていは実家に帰ったとか、ちょっと旅行に行ったとかのような答えになるでしょう。しかし、ここでしっかり話せるエピソードをいくつか作っておくと、新年のアイスブレイクで会話が弾むこと間違いなし。そういう意味でも、年末年始だからこそやりたいことを詰め込み、相手に合わせて会話の引き出しを作っておくのは割と仕事に役立ちます」
そう、矢儀田さんはすでに仕事始めを見据えて動いているのです。まさに趣味と実益を兼ね備えたアクション。さらには想定問答までシミュレーションしていました。
相手が旅行について尋ねてきた場合は「タイからシンガポールまでの航空券は6000円でした」とお得な情報を添えたり、プチ整形に興味を示した場合は「(シミ取りなどをした部分は)どこでしょう?」とクイズにしたりして楽しむつもりだそうです。
②キャリアのプロ:「会社以外の人と話すことを大切に」
キャリアデザインのプロ2人にも聞きました。リクルートなど人材業界で20年の経験があるミライフ代表取締役の佐藤雄佑さんは「年末年始だからこそ、人と話すことを大切にしてほしい」と語ります。
佐藤「やっぱり人と話す事じゃないですかね。仕事で忙しいっていう人もいると思うんですけど、年末年始ぐらいは人とゆっくり話すといいと思います。相手は地元の友達でもいいし、大学の時の友達でもいい。会社以外の人と話すのは当たり前のことのように見えて結構気付きが多いんです。他の人も苦労しているのか、公務員も大変なんだ、とか。そういう気付きを得るだけでも値打ちがあります」
③キャリアのプロ:「ローランドに会いたい」と言い続けたら...
一方、カリスマ転職エージェントとしてNHKの「プロフェッショナル〜仕事の流儀〜」などに出演したことのある森本千賀子さん。出会いを引き寄せるための毎年の正月ルーティンとして「会いたい人リスト」を作成していると教えてくれました。
森本「例えばテレビに出ていたあの人に会いたい、と思う人をそのままにせず固有名詞で書き残しておくんです。私はお正月にまとめてノートに書くんですけど、パソコンの方が良い人はパソコンでもいい。大切なのは、自分が会いたい人を常に意識下に置いておくこと。そうすることで意識して発信するようになりますし、言い続けていれば絶対に会えます」
森本さんの言う発信にはFacebookやIntstagramなどのSNSだけでなく、日頃の友人や知人との会話も含まれています。「会いたい」という意思を表明する機会が増えるほど誰かのアンテナに引っかかる可能性が高くなり、チャンスが生まれる、というわけです。
実際に2023年、森本さんは「会いたい人リスト」の一人と対面を果たしました。実業家でタレントのローランドさん。森本さんが会いたがっていたことを知っていたテレビ局の友人が、偶然ローランドさんが出演する番組と関わりがあり、縁をつないだそうです。
④話し方のプロ:「誰」を軸としたバケットリストを作ろう
これまで1000人以上の経営者や企業幹部、政治家の「話し方」に関わり、「伝説の家庭教師」とも呼ばれるコミュニケーション戦略研究家の岡本純子さんはどうでしょうか。
何(What)を知っているのかではなく、誰(Who)を知っているのかが人生を決める──。これは岡本さんの人生訓です。死ぬまでにやっておきたいことを書き出す「バケットリスト」を自己流にアレンジした“誰バージョン”のバケットリストを作ろうと提案します。
これは向こう一年、自分の人生をポジティブな方向へ動かしてくれそうな人を可視化する作業と言えるかもしれません。岡本さんが具体的な手順を説明します。
岡本「身近な人から憧れの人まで思い浮かべながら、①もっと話したい、②一緒に何かをしてみたい、③誰に会ってみたいと言う三つのカテゴリーで考えます。そしてそれぞれをリストアップしてみましょう」
岡本さん自身のバケットリストを見せてもらったところ、①は両親でした。「もっとじっくり話す機会を増やしたい」ということです。②は自身が立ち上げた「世界最高の話し方の学校」の生徒たちとイベントを仕掛けたい。そして③には人気お笑いコンビ2組の名前がありました。「笑いのセンスを磨くために、博多華丸・大吉と中川家に会いたい!」
第2回の「今なら間に合う!リーダーが薦める正月アクション」でも、起業家たちが様々な切り口でお薦めアクションを紹介します。
(文:竹本拓也、デザイン:高木菜々子、編集:竹本拓也、野上英文)