「初詣に2カ所」「SNS友達を整理」コンサル、女性起業家らの正月

「初詣に2カ所」「SNS友達を整理」コンサル、女性起業家らの正月

    第一線で活躍するビジネスの先輩たちは正月をどこで、どのように過ごしているのでしょうか。

    「今なら間に合う!リーダーが薦める正月アクション」として、古瀬麻衣子さん、唐木明子さん、山本大平さん、平田麻莉さんの4人に聞きました。

    「2カ所以上の神社への参拝」を推奨し、自らも参拝ツアーを毎年実践している戦略コンサルタントには確固とした理由があるようで……。

    目次

    ①女性のエンパワーメント起業家:「前の年と同じことはしない」マイルール

    新卒から12年間テレビ朝日に在籍してバラエティー番組のディレクターなどを務め、米NYで働いた後、2023年8月に女性のエンパワーメントでGRAND BASE JAPANを起業した古瀬麻衣子さん。「過去に訪れたことのない場所や普段自分が行かないところに足を運び、一人でお茶などしながら過ごす」ことをすすめます。

    少なくとも前年と同じ場所で、同じような過ごし方をしないというのが古瀬さんのマイルール。実際ここ10年間の正月の滞在先は、東京→ニューヨーク→メキシコ→高知→愛媛→パリ→オーストラリア→ニューカレドニア→ドバイ→タイ。前年と同じ場所で過ごした例がないどころか、重複は一度もありませんでした。国内外のさまざまな地で新しい体験をしてきたことが想像できます。

    古瀬麻衣子

    古瀬「持ち合わせているバイアスや思い込みから離れて人生や仕事の挑戦について考える時は、いつもと違う環境を用意するように心がけています。同じ場所で過ごす人が多いように感じますが、一年の始まりこそ、見たことのない景色の中で頭の中をゼロにし、新しい出会いを作ることがお薦め。そうすることで、予想以上にさまざまなことに新しいアイデアやイメージが浮かび、本当の意味での『新しい一年の始まり』を予感させられます」

    ②戦略コンサルタント:スキー旅行で「頭と心、五感を非日常へ 」

    企業の最重要課題について約20年助言を行ってきた戦略コンサルタントで、Brunswick Groupパートナーの唐木明子さんも「非日常的な空間に身を浸す」ことを提案します。

    唐木明子さん

    正月休みは家族とスキー旅行に出かけることが多く、昼間にスキーを存分に楽しみ、夜は美味しい食事を味わったり、好きな映画を観たり。ゆっくりした時間をみんなで共有するのが最良のリフレッシュになると言います。

    唐木「一年中無我夢中で頑張っていると、達成できるものもある一方で、マンネリになったり限界を感じて閉塞感を感じたりすることも多いでしょう。頭と心、五感をいつもとは違う場所に置くことでリフレッシュされて、見えなかったものが見えるようになり、新年の準備が整います」

    唐木さん自身は冬山や海などの自然環境がお気に入りですが、苦手な人は映画やテーマパーク、夜景の美しい場所でもOK。外出する元気がなかったら自宅での読書、あるいは配信映画を観たりマンガを読んだりするのも「非日常に身を浸す」アクティビティとして望ましいとのことです。

    ③戦略コンサルタント:参拝とマーケティング調査は公私に”ご利益”あり

    ビジネス書「嫌な仕事のうまい断り方」の著者で戦略コンサルタント・事業プロデューサーの山本大平さんはズバリ「複数の神社参り」と答えます。

    毎年三が日にはなるべく多くの神社を回るという山本さん。特に推薦するのは参拝客が大勢集まる明治神宮(東京都)、伊勢神宮(三重県)、八坂神社(京都府)などの有名な神社です。

    一体、なぜでしょう?

    山本大平さん

    それは、山本さんが神社を訪れる主な目的は参拝ではなく「マーケティング調査」にあるからです。

    山本「毎年この”参拝ツアー”を繰り返していると、日本の現状や変化を、自身の肌で敏感に感じ取ることができます。例えばファッション。夏よりも冬の方が変化が分かりやすいので、日本が富んできているのか貧しくなっているのかを、ファッションの変化から簡単に知ることができるのです」

    山本さんは、スマホ検索で「知った気に」なる時代だからこそ、現地に行かないと分からないリアルな情報の価値を大切にしてほしいと願います。現地に行くと10年前に比べて年配の参拝者が減り、子連れの家族や若者、外国人が増えていることに気付くかもしれません。あるいは、絵馬に書かれた願い事の内容に変化が現れているかもしれません。

    山本「神社は誰でも無料で行ける場所なので行って損はない。難しく考えず、ぜひこのチャンスに複数の神社参拝をしてみてください。きっとあなたの仕事にもいつもとは違う意味での“ご利益”があります。そして、あなた自身の気分もシンプルに上がることでしょう」

    ④フリーランス協会代表:デトックスで頭をすっきりクリアに

    「誰もが自律的な働き方ができる世の中」を目指して一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会代表理事を務める平田麻莉さんは「デトックス」の一語をテーマに挙げます。方法は問いません。自分の身体をケアする時間をたっぷり割き、自分の体と向き合い、自分の身体を愛することを薦めています。

    平田「デトックスは年末年始のごちそうで重たくなった身体をリセットするだけでなく、心なしか頭もスッキリクリアになるので新たな一年のスタートにお薦めです!」

    平田麻莉さん

    一方で、時間がたっぷりある正月は普段ほとんど発信していない人も含めてSNS上に大量のあいさつ投稿が流れてくるもの。「Facebookの友達の人数が多ければ多いほど良いとは考えていない」という平田さんは、タイムラインに流れてくる投稿内容を見てどうしても思い出せない人がいる場合は「大変恐縮ながら、両手を合わせて」アンフレンドする(=友人リストから外す)とのことです。

    平田「私は自分とつながっている人からはいつどんな連絡や相談が来ても真摯に対応できる状態でいたいので、元々ちゃんとご縁があって知り合いと言える人としかつながらないポリシーではいます。それでも残念ながら、数年経つと顔と名前が一致しない人が出てきてしまうもの…。つながっている皆さんには『今年もどこかで何かしらのお役に立てますように』と願っています」

    (文:鍬崎拓海、竹本拓也、デザイン:高木菜々子、編集:竹本拓也、野上英文)