スキルよりも「頭と心で考える力」ZOZO広報に聞く"広報力"の正体

スキルよりも「頭と心で考える力」ZOZO広報に聞く"広報力"の正体


この記事に登場するロールモデル

2019年8月19日、米国トップ企業が所属する財界ロビー団体「ビジネス・ラウンドテーブル」が「企業のパーパスに関する宣言」を発表した。


宣言では「地域社会支援」や「従業員への投資」、「株主への長期的な価値の提供」へのコミットが謳われている。


企業の存在意義と訳されるパーパスは、21世紀の企業にとって不可欠なものになりつつある。地球社会との共存やステークホルダーとの関係構築なくして、企業の存続は難しいからだ。


このパーパスを伝えていくポジションとして、重要な役割を担うのが広報だ。


広報は“Public Relations(パブリック・リレーションズ)”と呼ばれ、文字通り社会との関係性をつくることを意味する。


いわばパーパス・ドリブンな経営を牽引するポジションであり、その重要性は日に日に高まっている。


ZOZOの広報として、企業と社会の架け橋を担う松尾果歩(まつお かほ)さんは、広報という職業を「自分なりの色で付加価値を生み出し、積み重ねた価値で未来をつくっていく仕事」だと語る。


21世紀の企業にとって、なくてはならない存在になりつつある広報という職業の全貌を、現役の広報パーソンに教えてもらおう。

ZOZO広報 松尾果歩さん

目次

コミュニケーションのプロを目指して


—— 松尾さんは、広報・PR未経験で転職されたと聞きました。どのような経緯で、ジョブチェンジを決めたのですか?


政策企画部門から社会人キャリアをスタートして、2年を過ぎた頃。「そろそろキャリアの軸がほしい」と考えたことがきっかけでした。


政策企画の仕事は、官公庁や業界団体といったステークホルダーとの関係を構築しながら、成長し続けるための事業環境を整備することです。


インターネット領域のサービス提供にあたっては、社会からの信頼獲得をはじめ、多くのステークホルダーとの連携が必要です。


私が在籍していたのは、そのために必要な役割を担う部門で、そこでは、ステークホルダーに向けた自社の取り組みの発信や、官民連携でのイベントの企画など、部署のさまざまな業務を経験しました。

ZOZO 松尾果歩さん1

—— キャリアの早い段階で、影響力が大きな業務に携われる、やりがいのある仕事に感じます。


おっしゃる通り、仕事はとても楽しく、世の中で新しい価値を創造していくための考え方を学びました。


それでもジョブチェンジを決意したのは、私には仕事で大きな成果を上げるための「強み」がなかったからです。


業務の特性上、政策企画部門には、明確な強みを持っている人が多く在籍しています。省庁出身というバックグラウンドを生かしている先輩や、弁護士資格を持っている先輩もいました。


いうなれば、百戦錬磨のビジネスパーソンが集う部署だったのです。


一方、私には、これといった強みがありませんでした。もし今後、業務スキルを磨いていったとしても、「それだけでは通用しなくなるタイミングがくるかもしれない」と感じてしまって。

—— 「私はこれができます」というキャリアの軸を育てようと考えたのですね。


明確な強みがあれば、もっと面白い仕事ができるはずだと思っていました。


強みがあれば、影響力が大きいプロジェクトに携わることもできるでしょうし、そこで発揮できる価値も増えていきますから。


では、いったいなにを自分の軸として育てようと考えたのか。私が選んだのは、「コミュニケーション」です。


政策企画の仕事をしていたとき、その仕事の基本は、コミュニケーションにあると感じました。


民間企業や省庁、業界団体等の関係者が課題解決に向けて取り組みを進めるうえでは、関係者の利害関係も踏まえながら、丁寧にコミュニケーションを重ねていくことが重要であると学びました。


当時の私には、コミュニケーションが「社会がより良い方向に向かうための手段」に思えたのです。


コミュニケーションを追求していけば、きっと社会にとって必要な価値を生み出していける——。その確信を持ってネクストキャリアを考えていたところ、広報という職業に出会いました。

ZOZO 松尾果歩さん2

—— 広報という職業に、コミュニケーションを深めていける可能性を感じたのですね。


「広報」を英語にすると、“Public Relations”になります。つまり、社会との関係性をつくるのが、広報の役割です。


関係構築の方法は多々ありますが、抽象的に言うならコミュニケーションだと思います。


当時は広報の仕事について詳細な理解があったわけではありません。でも、広報としてのキャリアを深めていけば、コミュニケーションを軸にしたキャリアがつくれるはずだと直感したのです。


まだ広報になって数年ですが、現在はコミュニケーションを通じて価値を生み出せていることにやりがいを感じていますし、当時の直感は正しかったと思います。


広報に求められる「アレンジ力」とは

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