忙しい毎日で、会社と家の往復ばかり。もう少しインプットしたいけど、スマホを見るとついSNSやゲームでダラダラ時間を溶かしてしまう……。
ビジネスパーソンのみなさんが「定時までに帰れること」をサポートすべく、業務効率化やキャリアアップに役立つ新刊ビジネス書の著者をお招きして、今日からお仕事にちょっと役立つノウハウやTipsをインタビュー。
ポッドキャスト番組「定時までに帰れるラジオ」(#テイジラジオ)の一部をダイジェスト版でお送りします(2月19日配信)。
忙しい毎日で、会社と家の往復ばかり。もう少しインプットしたいけど、スマホを見るとついSNSやゲームでダラダラ時間を溶かしてしまう……。
ビジネスパーソンのみなさんが「定時までに帰れること」をサポートすべく、業務効率化やキャリアアップに役立つ新刊ビジネス書の著者をお招きして、今日からお仕事にちょっと役立つノウハウやTipsをインタビュー。
ポッドキャスト番組「定時までに帰れるラジオ」(#テイジラジオ)の一部をダイジェスト版でお送りします(2月19日配信)。
野上: 第2回のテーマは「日本人は世界一学ばない国民」。これ、結構衝撃的な話なんですが、本当なんですかね?
小林:そうですね。いろんなデータがありますが、どうやら日本のビジネスパーソンは世界一と言ってもいいぐらい学ぶ習慣がないようです。
野上:具体的な統計やデータってありますか?
小林:我々が世界の就業実態を調査したものがあります。この中で、「いわゆる社外学習や自己啓発を広く何かやってるか?」っていうことを聞いてみたんですね。
学びと言ってハードルを上げても仕方ないので、仕事に関する読書とか、そういったレベル感のものも含まれています。そうした時に、日本の就業者の52%が「何もやっていません」と答えました。「半分もいったか」と思ってたんですが、世界の数字を見てみると、例えばインド、ベトナム、インドネシアで「何もやっていない」と答えたのは軒並み5%前後。
世界平均でも20%ぐらいなんです。日本の何もやってないビジネスパーソンの割合は、世界に比べて倍なんです。
野上:意外でした。私の周りはみんなリスキリングと言ってるんですけど……それってかなり一部っていうことですか?
小林:そう、一部なんです。もう1つポイントとしては、日本人は学ばなく“なっていく”んですよ。若いうちは熱心に学んでいても、30代、40代になると学ぶ習慣がなくなっていくことがわかっています。
これだけリスキリングが騒がれていますが、その前から「常に学び続けよう」といった言説はずっとあるんですよね。雑誌をめくれば「稼げる資格」とか「大人の学び」という特集はたくさん目に付きます。しかし、長期推計を見ると、どうも学ぶ人は減ってきてます。これも結構衝撃的なデータでしたね。
野上:本が売れなくなってきているとかもありますよね。出版不況とはまた別の文脈で、そもそも勉強しないと。これはなぜなんでしょうか?
小林:日本人自体が、やる気がないとか怠慢であるっていうことはないと思います。どちらかというと、学生時代までは学力も高いし、識字率も高い。まあまあ勉強してる人が多い感覚なんですが、大人になった途端そうではなくなる。もしくは大学時代から学ばない人もいます。これはやっぱりキャリアの構造とか仕事のあり方、これが深く関わってるなと思っています。
野上:やっぱり経営課題なんですね。
小林:まさに経営課題です。学ばないのを個人のやる気とか、モチベーションとかのせいにし続けていると、やっぱりリスキリングは進まなそうだなってことですね。
野上:この本の中では「リスキリングを支える3つの学びの行動」としてキーワードを挙げていただいています。アンラーニング、ソーシャルラーニング、ラーニングブリッジングの3つを挙げていただいてますが、簡単に解説いただけますでしょうか?
小林:ではまず、アンラーニングからいきましょうか。聞いたこともある方も多いと思いますが、大人の学びはテスト勉強ではないんです。机に教科書を並べて覚えていく、というスタイルではない。
学んだ知識を仕事に生かそうとすると、どうしてもこれまで慣れ親しんだ方法や考え方を捨てる必要があります。これを「学習棄却」と言うんですね。歴史の勉強であれば蓄積型の暗記も大事ですが、大人の学びにはむしろ「捨てる」こと、つまりアンラーニングが欠かせません。
でもこれが難しいんですよね。我々の研究でわかっているのは、社内でそこそこ評価されている人こそ、アンラーニングできなくなります。
野上:活躍している人こそ、うまくいっているやり方を捨てたくないですよね。
小林:そうなんです。でも、面白いのは、ぶっちぎりで活躍している人は、結構アンラーニングしているんですよ。「中途半端にいい評価を受けている人」が一番難しいようなんです。
野上:なるほど。ちょっとした余裕ゆえに。
小林:トップ層は積極的に学びとアンラーニングのサイクルを回している、すごく悪い評価をしている人も焦ってアンラーニングしている。聞いていらっしゃる方の中にも、「俺はそこそこイケてるよ、そこそこ評価されてるよ」という方も多いかなと思うんですが、そんな人こそ注意ですね。
いつのまにか自分のやり方を捨てられなくなっている――これがリスキリングの一つのハードルですね。
(続く)
このあとは、こんな話をしています。
独学ブームに逆らえ!? 人を巻き込み学ぼう
「勉強する時間がないです」は怠慢ですか?
学びのハードルを下げるための考え方
フルバージョンは以下のポッドキャストからお聞きください!
(文:鍬崎拓海、デザイン:高木菜々子、編集:山崎春奈)