野上:今回はハック大学ぺそさんと一緒に「年末の振り返り、年始の誓い」をテーマにお話を聞いていきたいなと思います。
ぺそさんは効果的な仕事納めというか、1年を振り返ったりとかされるんですか。それとも全くしないんでしょうか。
ぺそ:年末に差し掛かって今年を振り返ろうっていうのは全くしないですね。むしろ……1月とか2月とか3月あたりに何していたかって覚えてます?
野上:私の場合は、1年前(2023年)の1月1日がちょうど転職のタイミングだったので、それはもちろん覚えてますね。ただ、具体的にその時何やっていたかとか何を目標に立てたかっていうと全然覚えてないです(笑)。
ぺそ:それこそ野上さんの場合は、メモリアルなイベントがあったからですよね。私は普段、ビジネスパーソンの方の転職の支援もしているんですけど、まずは職務経歴書を書かなきゃいけないじゃないですか。初めて転職をする方って、当然、そんなの書いたことがないですっていう方が多くて。
野上:そうですよね。
ぺそ:例えば、30代前半の方がちょっと書いてみましょうとなると、やっぱり20代前半どころか、2年前3年前のことですら、当たり前に覚えていない。「何やってたっけ?」から始まるんですよ。
野上:職務経歴書でいいところをしっかりアピールしていかなきゃいけないんですけど、昔のやつはほとんど忘れていると。
ぺそ:ほとんどの人はやっぱり忘れちゃう。そういうものなんだと思っているからこそ、年末に今年どうだったっけなあ?ってきちんと振り返るのって無理だよなとまず思っています。
だから、どちらかというと、毎日は難しくても、月単位でその月どうだったかぐらいは振り返った方がいいかなという感じですかね。
野上:なるほど。されていますか?実際。
ぺそ:この企画をいただいた時にぜひみなさんにおすすめしたいなと思ったツールがございまして、まあやっている方も多いと思うんですけど。「1年日記」です。
野上:ありますよね。この時期本屋さんに行くと、手帳と1年日記、5年日記、10年日記の嵐なので。自分の話で恐縮ですが、10年日記を始めて三日坊主になった時の挫折感は半端ないですよ!(笑)
ぺそ:いきなり10年はちょっとハードル高い(笑)。1年日記は私もかれこれ3年ぐらい、実は続けていて。
ただ、これもハードルを高くしないことがやっぱり重要です。1行で済ませてもいい、ちょっと翌朝に前日のことを書くぐらいはいい、としてますね。けれども、まるまる1ヶ月空いちゃって、思い出しながら書くか、となった時点でもうNG。
野上:思い出せないんですよね。
ぺそ:そうなんですよ。なので、毎日1~3行ぐらいでも書いていくと、年末に2023年をまとめた1冊ができるじゃないですか。
新年になって2024年の1行2行を書き始める時に、ちょうど1年の自分は何してたんだろうっていう振り返り方ができるのが大事で、如実に成長というか、変化を実感できるんですよね。1年という数字そのもの意味があるわけではないんですけど、区切りにはなるので。
去年の今頃、何やってたんだろう?というのを見ると、「あ、こんなしょうもないことで悩んでたんだ」というのもあるし、「こんなハードルの高いことをやってたんだ」というのもある。それを覗くだけでも私の中ではすごくモチベーションになるんですよね。
野上:いいですね。具体的には、何を書くんでしょうか?
ぺそ:基本的には、「失敗したこと」か「成功したこと」のどちらかを書いてますね。本当は失敗したことを書いて、その後どうやったらよかったかとか、次回以降こうするとか書くのがいいと思うんです。でもそこまでは絶対無理なので、何が起きたか、絶対忘れてしまうことを残すっていう感じですかね。
野上:以前に精神科医の樺沢紫苑さんという方にインタビューしまして、その方は寝る前の3行日記というのをおすすめしていました。ポジティブなことを中心に書いて、「ネガティブなことをどうしても書きたかったら、書いて忘れろ」と。
これはぺそさん流でいくと、1行でもいいし、残していくことが大切ということですかね?
ぺそ:そうですね。やっぱり全てのページが書かれている1年日記が出来上がったときの達成感とか自己肯定感は爆上がりです!
そうすると次の年も何回も振り返りたくなるし、来年の自分を想像して「今日書かなくては」ともなりますし。
野上:これから始めるなら、3年日記や5年日記じゃなくて、1年日記を×3の方がいいかもしれないですね。
何回も言いますけど、10年日記を昔やったことあるんですけど、1週間弱で終わってしまい未だにトラウマになってるんで!だから1年のスモールステップを3回やる方がいいですね。
ぺそ:そうですね。1年続けると意味が出てくるので。
野上:欧米の小学校や中学校に「イヤーブック」ってあるじゃないですか。その学年であった出来事や写真を日本の学校で言う卒業アルバム的にまとめて、毎年作ってくれる。それを見るだけでもだいぶ記憶のフックになりますし、子供だったら特に成長をすごく感じますよね。
日記は大人のイヤーブックとしての意味があるってことかなと思いました。
(続く)
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このあとは、こんな話をしています。
(文:髙栁綾、鍬崎拓海 デザイン:高木菜々子 編集:山崎春奈)