この春に入社を控える新社会人の85.4%が入社式の「リアル」開催を希望――。そんな調査結果が発表されました。
主な理由として、「同期と直接話したい」「入社するという実感を持ちたい」「職場の雰囲気をつかみたい」といった声が寄せられました。新入社員研修についても、7割近くが「リアル」での実施を希望しています。
また、入社式であるとうれしいコンテンツでは「社員と交流できる」がトップに。次いで「同期と一緒に『体験』ができる」が入りました。今後、仕事を共にする社員と同じ体験をすることで親睦を深めたいと考える人が多いようです。
就活情報サイトを運営する「学情」が2024年4月に入社を控える新社会人を対象に、入社式と新入社員研修についてインターネットアンケートを実施。396人から回答を得ました。
入社式は「リアル」で参加したいと回答した新社会人は63.4%。「どちらかと言えばリアル」と答えた22.0%を合わせると、「リアル」参加を望む新社会人は85.4%に上りました。「リアル」を希望する人の割合は、前年よりも15.5ポイント増加しました。
主な理由には、「同期と直接話したい」「直接コミュニケーションを図りたい」「リアルのほうが顔と名前が一致すると思う」といったような対面でのコミュニケーションを重視する声が多くありました。さらに「入社するという実感を持ちたい」「職場の雰囲気を掴みたい」といった声も。新入社員の新しい門出となる入社式では、オンラインではなく直接の交流機会を持ちたいという心理が浮き彫りになりました。
入社式であるとうれしいコンテンツ(複数回答可)を尋ねたところ、「社員と交流できる」が69.7%でトップに。次いで「同期と一緒に『体験』ができる」54.3%、「キャリアプランなどの目標設定ができる」15.7%、「家族などを招待できる」4.5%と続きました。
新社会人からは次のような声が上がっています。
「これからお世話になる社員の方と直接お話したい」
「社員と直接お話し、目標となる先輩を見つけたい」
「同期と親睦を深めたい」
「まだ同期と仲良くなれていないので『同じ体験』をして交流を深めたい」
「何か一緒に体験したり、共同作業をすると思い出に残ると思う」
新入社員研修についても尋ねたところ、「リアル」で参加したいと回答した新入社員は63.4%に上りました。「どちらかと言えばリアル」19.4%を合わせると、8割以上が「リアル」での参加を希望する結果となっています。
一方の「オンライン派」は、「オンライン」4.0%で、「どちらかと言えばオンライン」6.1%を合わせても約1割にとどまりました。
新型コロナウイルスの感染対策の一環で、オンラインによる講義や就職活動を余儀なくされてきた新社会人ですが、コロナ禍が一定収まった現在は積極的に人と関係性を築き、組織の雰囲気を知りながら心理的安全性を高めていきたいという思いがあるようです。
(文:髙栁綾、編集:竹本拓也、タイトルバナー:TAGSTOCK1 / GettyImages)