月収100万を超える職種は、希少性価値が高いあの仕事
調査は転職サイト「doda(デューダ)」などの求人サービスを展開するパーソルキャリアが実施しました。
2023年1〜12月の間に受けた案件を分析し、月額単価の平均でまとめました。
1位は「ブロックチェーンエンジニア」で、平均して115.4万円の月額報酬を獲得しているという結果に。昨年(2022年)ランキング圏外だったにも関わらず、大幅に順位を伸ばしています。
背景として、Web3のコア技術を扱うことができるITエンジニアが、日本で非常に少なく希少性の高い人材であることが挙げられます。
高い単価を支払ってでも業務を依頼したい企業が多いようです。
2〜5位には、「DXコンサルタント」「ITコンサルタント」など、DXを進める上での中心的な役割を担う職種が挙げられています。
背景には、非IT系の事業会社などでDX推進が活発化し、戦略の策定やプロジェクト運用などを主導できる人材の需要が高まったことが関係しています。
また12位の「Webマーケター」は、前回から19万円アップするなど最も単価を増加させています。販売の多様化により、マーケティング手法が広がり、デジタル広告の運用を担当していた企業が、より専門性の高いWebマーケティング領域の人材を求めるようになったことが背景に挙げられます。
平均月額単価の高い職ランキング
業種別の結果では、1位の「コンサルティング・専門事務所・監査法人・税理士法人・リサーチ」は順位を維持しつつ単価を7.1万円アップさせています。
DXの広がりに合わせて業務範囲を拡大させながらも更なる専門性が要求されるこれらの業種で、単価の上昇が進むことは昨年に引き続く流れと言えそうです。
注目すべき点としては、2位の「建設・プラント・不動産」、4位の「メーカー(機械・電気)」が前回から大幅に順位を上げています。
建設業ではウクライナ情勢によるサプライチェーンの見直しなど、IT技術を使った事業課題の解決が期待されていることも背景にあります。
前回から最も単価が上がった業種は、12位の「旅行・宿泊・レジャー」で、18.2万円アップさせる結果となりました。人材不足が問題視される業界では、コロナ禍を経て国内旅行やインバウンド需要に対応するために、DX化による業務効率化を推進する動きが活発化しているようです。
平均月額単価の高い業種ランキング
DX・ITコンサルの需要は拡大傾向で、単価アップへ
調査に携わった「Hipro」編集長の鏑木陽二郎さんは「DXコンサルタント」「ITコンサルタント」「PM/PMO」「プロダクトオーナー/プロダクトマネジャー」のような人材の需要がさらに拡大し、単価も上がると解説します。
鏑木陽二郎さん:2023年の調査では、職種、業種、 言語のいずれにおいても、前回から平均月額単価が上がる結果となりました。
2023年は業務の効率化、コスト削減に加え、事業成長や競争力の向上がDXの目的に加わりました。 システム開発を内製化し、ビジネス環境に合わせ事業やサービスを、柔軟かつスピーディーに変革できる体制の構築を目指し、DXに着手し始める企業が目立ちました。
IT人材不足が深刻化する状況下で、 DX化を進める企業がさらに増えたことが、平均月額単価を押し上げたと考えられます。
2024年は、今トレンドとなっている生成AIを搭載した新たなシステムの登場や、既存システムへの追加搭載がなされる可能性が高いと予想します。それに伴い企業は、最新のIT技術を使いこなすことができる、より専門性の高い人材が必要になるでしょう。
特に「DXコンサルタント」「ITコンサルタント」「PM/PMO」「プロダクトオーナー/プロダクトマネジャー」のような人材の需要がさらに拡大し、単価も上がっていくと考えられます。
(文:髙栁綾 編集:比嘉太一、デザインバナー:mixetto /GettyImages)