残業時間は月平均21.9時間、最多は2年連続クリエイティブ職

2024年2月3日(土)

平均残業時間は21.9時間、前回からほぼ変わらず

パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda」が20〜59歳の正社員1万5000人を対象に、91の職種の残業時間についてインターネット調査を実施しました。

調査によると、2023年4~6月の平均残業時間は21.9時間。これは1カ月の実働を20日とすると、単純計算で1日1時間ほど残業を行っていることになります。前回は22.2時間で、ほぼ横ばいの結果となりました。

dodaの職種別「平均残業時間ランキング」の発表資料

過去5年間の平均残業時間の推移を見ると、2019年は24.9時間、20年と21年は働き方改革関連法の施行やコロナ禍の影響によりそれぞれ20.6時間、20.8時間と大幅に減少。逆に22年は行動制限の緩和などを受けて増加に転じています。

最も残業が少ないのは「一般事務」、大幅減の職種も

職種別に見ると、平均残業時間が最も少ない職種は「一般事務」の10.6時間。前回の8位から2.7時間減で1位となりました。前回1位だった「秘書 / 受付」は1.4時間増の2位(11.4時間)でした。

続く3位には「医療事務」(12.0 時間)、4位には「美容関連職(理美容 / エステ / マッサージ)」(13.0 時間)、5位には「営業事務」(13.3 時間)と「経理事務 / 財務事務」(同)が入りました。「経理事務 / 財務事務」以外は前回も5位以内に入った職種で、上位に大きな変化は見られませんでした。

前回から大きく残業時間が減り、圏外からTOP20に入った職種もありました。

dodaが発表した1カ月当たりの平均残業時間の多い職種TOP20

一方で、平均残業時間が多い職種の1位には、42.2時間で「プロデューサー / ディレクター / プランナー」が2年連続で入りました。前回よりも5.1時間増えています。

これについてdoda編集部は「小説やマンガ、アニメなどの人気の高まりや、コロナ自粛が明けたことでリアルイベントの需要が回復し、紙媒体や告知用広告のニーズが戻ったことなどが残業時間増加に影響した」としています。

dodaが発表した1カ月当たりの平均残業時間の多い上位20職種

このほか、2位は「設計監理 / コンストラクションマネジメント」の39.1時間、3位は「建築設計 / デザイン / 積算 / 測量」の31.1時間、4位は「ITコンサルタント(アプリ)」の30.2時間、5位は「店長」の30.0時間と続きました。

中でも「店長」は前回(18.9時間)から11.1時間の増加となりました。コロナ禍で停滞していた経済活動が戻りつつあることで小売店や飲食店への来店者が増える一方、店舗ではスタッフの採用が追いつかず、深刻な人材不足が課題になっているケースも少なくないです。残業時間の増加はこうした状況が影響しているのかもしれません。

企業はDX推進、働く環境の改善を模索

年代と職種分類別での平均残業時間では、全ての年代で「事務 / アシスタント」が最も少ない結果になっています。「事務 / アシスタント」と「IT / 通信系エンジニア」は全ての世代で平均残業時間が減少していることも分かりました。

一方、残業が多い年代と職種分類では、「30代・クリエイティブ」の30.9時間が前回に続く1位。2位も前回と同様「30代・建築 / 土木系エンジニア」の30.0時間、3位が「50代・建築 / 土木系エンジニア」の28.5時間となりました。

DragonImages / GettyImages

今回の調査結果について、doda編集長の加々美祐介氏は次のようにコメントしています。

「コロナの経済活動に与える影響が少しずつ弱まっていく中、オフライン需要やインバウンド消費の回復、人材不足などの問題を受け、より効率的な業務体制を模索する企業の動きが活発化しています。業務効率化のための DX推進や、社員の定着率向上に向けた就業環境の改善に取り組む企業も増えました。今後、はたらく個人のキャリアの選択肢は、より広がっていくのではないでしょうか」

(文:鍬崎拓海、編集:竹本拓也、タイトルバナー:BalkansCat / GettyImages)