「気付きの分だけ自分を好きになれた」就活で感じた確かな成長

「気付きの分だけ自分を好きになれた」就活で感じた確かな成長

    就職活動中のJobPicks編集部インターン生が、リアルな体験や思いをつづる「就活生日記」。

    今回は、就活解禁後の正式な採用プロセスである「本選考」が活発になるなかで、就活の佳境を迎えている大学3年生が登場します。就職活動を開始してもうすぐ1年が経過する中で、どのような気付きを得たのでしょうか。

    目次

    就活戦線、早くも大学2年生の姿が…

    3月1日に就活解禁となり、企業が採用活動を本格化させています。それを象徴するように、最近届くメールのタイトルには「本選考受付開始」の文字ばかり。友人と遊びたい気持ちはあるものの、この忙しい時期に連絡をとっていいのかという気持ちもあってなかなかメッセージが送れません。忙しくても、みんな元気でいてほしいと願うばかりです。

    私は2月末に第1志望の企業の最終面接に落ちました。今は内定をいただいている企業への入社を前向きに捉えながら、悔いが残らないように残り数社の選考を受け切る予定です。また自身の就職活動をする傍らで、後輩の就職活動を支援する大学内の団体に1月半に入りました。今の時期は自分の就活優先ということもあってあまり活動に参加できていませんが、一区切りついたら、先輩から教わった知識や経験を自分の学びも加えた上で次の世代に還元できたらいいなと思っています。

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    さて、後輩の就職支援を進めていく中でつくづく思うのですが、この時期から就活を始めている後輩の行動力やキャリア形成に関する意識の高さには驚くばかりです。

    自分は、大学内のセミナーが開催された後に就職活動を始めた記憶があるので、時期としては大学3年生の4月下旬ごろだったと思います。同世代の中だと比較的早い方に分類されるとは思いますが、選考時期の早い業界を志望する人によっては2年生の春休みに開始する人も多いようです。

    一番驚いたのは、他大学の後輩から「選考難易度の高い〇〇業界を志望するなら、入学後すぐに対策しないといけない」という言葉を聞いたとき。キャンパスライフを楽しむ間もなくすぐに就職を意識しないといけないのか、と苦い気持ちになりました。

    焦らず、自分に合わせたペースで

    就活をいつから始めるべきかーー。

    これは、非常に難しいテーマだと思います。

    私は幼い頃からかなりの心配性で、何か行動していないと不安を感じてしまうタイプでした。そのため、大学3年の春から長期間にわたって少しづつ行動するスタイルが合っていたと思っています。

    しかし、あくまでこの進め方が私に適していたというだけであり、一概に「この時期に始めるべき」などとは言えません。このあたりは周囲の意見を取り入れつつも、あくまで各々が自分に合った活動期間を見極めて活動することが必要だと感じます。

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    ただ、あまりに早くから就活を開始することに対しては少し疑問を感じるようにもなってきました。

    昨年の10月くらいのことです。SNSのタイムラインに26卒(現在の大学2年生の世代)はまだしも、27卒(大学1年生などの世代)を自称する方がいるのを確認して非常に驚いたことがありました。その時ばかりは思わず「早すぎる!」と友人と叫び合いました。

    もちろん、選考の難易度が極めて高く、選考時期の早い特定の業界や企業を志望しているのならば納得できます。しかし、私が目にした方からは「業界が決まらなくて焦る」といった就活への恐れから動き出しているような印象を受けました。「早期化」の流れを受けて、こうした方々も増えているように感じています。

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    就活への不安や焦りに「待った」をかける

    早い段階から就活に対して不安を感じている方々の気持ちはすごくわかります。

    自分自身も元々そういった気持ちを持っていたこともあり、なぜそんな風に思ってしまうのかを改めて振り返ってみました。

    過去の就活生日記にも書きましたが、小説やネット、ドラマなどにはいわゆる「ブラック企業」に就職して疲弊していく登場人物たちの様子が描かれたコンテンツが多々あります。私の場合は、そうしたコンテンツや働く父の姿を見るたびに「自分はどんなところで働くことになるんだろう」という、漠然としつつも非常に重苦しい不安感を覚えていました。

    実際にJobPicks編集部でこのインターンシップを始めたきっかけの一つも、就活に対するそうした焦りを少しでも解消したいという思いがあったからこそだと思います。

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    ただ、就活を始めてからもう少しで1年が経とうとしている今、改めて考えてみると、早期からキャリアを考えることは大切ですが、就活のスタートは大学3年に入ってからでもいいんじゃないか、と思っています。

    かけがえのない学生生活

    私が大学1、2年から取り組まなくてもいいのではないかと考えている「就活」とは、細かな業界・企業分析や具体的な選考対策のことです。

    その理由として、まずサークルや趣味など、一見するとキャリアにはつながらないように見える経験も、出会う人などから何らかの形で将来の仕事につながったり、自分の知られざる長所や短所が明らかになったりということはよくあるケースだと思います。

    私自身、趣味の一環である博物館や美術館に行くことが仕事につながるとは思っていませんでした。しかし、OB訪問をする中で幼少期から好きな博物館や美術館に関わりたいことに気づき、今では芸術文化の発展に貢献できることを企業選びの軸に掲げています。

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    また、別の例を挙げると面接の場では学生時代に力を入れたこと(=ガクチカ)が頻繁に問われます。

    その時に、「あからさまに就職活動を意識して行った経験」よりも、「自分の興味のある分野に打ち込んだ経験」を話したほうがその人の個性や魅力が伝わりやすいですし、企業側からも興味を持ってもらいやすい気がします。これは私自身が集団面接などで他の学生の経験を聞いた際に強く実感しました。

    いわゆる就職人気ランキングで上位に名を連ねるような企業に内定した先輩からも、「大学生活では留学や部活動など自分の興味のあることにまっすぐ打ち込んだ結果として内定先に巡り合った」と聞くことが多いです。

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    何よりも、大学生活の早い段階から業界分析や選考対策など就活のことで頭がいっぱいになって、自分が本当に興味のあることに時間を割けないのは非常にもったいないと思います。新卒就活は人生に一度とよく言われます。ですが、当然ながら大学生活も一生に一度のかけがえのないものであるはずです。

    もちろん、早期から将来を意識することは非常に重要だと思います。だからこそ、後輩には時々キャリアについて見つめる機会と自分の「やりたいこと」「好きなこと」をする機会のバランスをとりつつ、充実した学生生活を送ってほしいと伝えていきたいです。

    就活を通して感じた「確かな自己成長」

    あとは、就活を過剰に恐れる必要はないということも発信していきたいです。

    私も始める前はよくわからない就活という概念に対して「謎の恐怖感」を覚えていましたが、実際に経験してみて振り返ると、就活って怖いことばかりじゃないと思っています。

    就活は「自分を否定される怖さ」ばかりが言及されがちですが、それと同じくらい「自分が評価された」「成長できた」と実感できる瞬間もあります。

    それこそ、過去の就活生日記で書いたような、他者にはなく自分にしかない意外な強みが明らかになったり、できなかったことができるようになったりすると、その気付きの分だけ自分のことを好きになれてとても嬉しかったです。

    実は、私は初めての面接の後、あまりの緊張で泣いてしまうほどでしたが、今では面接であまり緊張しなくなりました。そんな変化を感じた時、「成長したな」としみじみと感じてうれしさが込み上げてきました。

    今、漠然とした不安を感じている方はその不安をエネルギーに変えて何かに打ち込んでいけば、きっとその姿勢が将来の自己形成につながってくるはず。そう信じて頑張ってほしいです。

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    とはいえ、私もまだまだ半人前。これからは後輩の皆さんをサポートする中でさまざまなことを学んでいきたいと思います。

    就活も、あと少しだけ頑張ります!

    (文:髙栁綾、デザイン:高木菜々子、編集:竹本拓也)