就活を始める前、社会勉強の一環としてインターンシップに参加するのが学生の常識になりつつある。
会社説明会を兼ねて行われる1Dayインターンから、与えられた課題に取り組むプロジェクト型、採用直結型などさまざまな種類があるが、仕事のリアルが最も学べるのは3カ月以上の就労を前提に働く「長期インターン」だ。
ただ、短期のインターンに比べて、学校生活との両立が難しい長期インターンは、どこで何をやるかがとても大切になる。
「希望通りのインターン先を選ぶには、どう情報収集すればいい?」「いつから始めるのがいいの?」
こんな疑問を解消すべく、長期インターン紹介サービス「ドットインターン」を運営し、自身も学生時代に長期インターンを経験したという荒木珠里亜さんに、初めてのインターン先選びで大事なポイントを聞いた。
初めての長期インターンを考える上で、まず知っておきたいのは企業側の受け入れ事情。
コロナ禍で学校生活に制約がある中、荒木さんは「去年と今年で長期インターンをやってみようと動く学生は非常に増えた」と語る。
しかし、ジョブ型採用を展開する大手企業が長期インターンを始めるなど裾野は広がったものの、受け入れ企業の総数はコロナ前に比べて大きく増えたという実感はないという。
「今は需給バランスが少し崩れている状態で、当面はこの状況が続くと思われます。なので、採用倍率は全体的に高くなっていると考えていいでしょう」
やみくもに長期インターンへ応募しても、なかなか合格が出ないというケースは増えている。一度や二度の不合格通知にくじけず、採用動向をしっかりと把握した上で準備したいところだ。
合わせて知っておきたいのは、企業側は「採用したい学生の年次」によって募集の狙いが異なるということ。
具体的には、ざっくり次のような傾向があると荒木さんは説明する。
「長期インターンを募集する目的は、企業によってさまざま。人手の足りないベンチャー企業は人員確保が目的で、中堅・大手企業は採用目的と決め付けるのは早計です。でも、募集年次に応じて採用目的が違うという大枠の傾向を知っておけば、応募時のミスマッチを防ぐことにつながります」
企業の中には、インターン参加を新卒採用の応募条件にしているところもある。だからといって、全ての企業が採用目的でインターンを募集しているわけではない。
長期インターンを経てその会社に就職したいと思っていたのに、企業側に採用の意思がないといったケースもあるという。
こういうミスマッチを減らすためにも、次のステップで取り上げる「開始時期」や「応募目的」をあらかじめ整理しておくのが大切だ。