千鳥とCMの元ZOZOモデル、福岡Uターンで2足目の仕事

千鳥とCMの元ZOZOモデル、福岡Uターンで2足目の仕事


この記事に登場するロールモデル

ユニークな働き方をする次世代の担い手たちに、15分間のインタビューをする動画番組『働くっていいかも!』。

いまどんな仕事をしているのか、なぜそのキャリアに至ったのか、これから何をしたいのか......。友人の紹介もしてもらって、“ビジネスの輪”をつないでいきます。

今回注目したジョブ(職)は「コミュニティマネジャー」。#01に出演した宿野部真央さんの友人で、現在は福岡県古賀市を拠点にPR大使やモデル、温泉指導員としても活躍している森田菜月さん(28)に話を聞きました。

順調だった東京から地元に戻り、コミュニティマネジャーとして歩み始めたばかり。Uターンを決めた運命は、ヘアメークさんに人生相談をした矢先に訪れました。(聞き手:JobPicks編集長 野上英文)


目次

プロフィール・編集用 (12) (1)

天神でモデルにスカウト。千鳥とのCMも

大学時代からモデルの活動をしつつ、2022年5月から地元・福岡県古賀市で温泉指導員兼コミュニティマネジャーとして活動を始めた森田さん。インタビューの冒頭は、モデル業について伺いました。

ーー地元の福岡でモデル業を始めたきっかけは何でしょう?

森田:モデルを始めたのは8年前(当時大学2年生)の頃です。渋谷のハチ公みたいな待ち合わせスポットとして、福岡市の天神には「大画面前」という場所があるのはご存じですか。

そこで、いかついお兄さんと、ふと目が合ってしまいました。天神は歓楽街の中洲も近いため、キャッチか水商売の勧誘だと思って、怖くなってその場から逃げたんです。

ただ、大学に進むまで古賀市にずっと住んでいたため、天神の道がよく分からず、逃げているうちにそのお兄さんと鉢合わせてしましました。

「モデル事務所なんですけど、興味ありませんか」

怪しいなと思ったのですが、話を聞いてみると、当時福岡で活動されていたモデル・女優の今田美桜さんが所属したカバーガールエンターテイメントのスカウトだと分かりました。そこから、興味を抱いたのがモデル業を始めたきっかけです。

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モデルとして活躍する森田さん

ーーモデルとしてこれまで、どんなお仕事をされましたか?

森田:最初の4年は福岡を拠点に、九州・沖縄・山陰地方で流れたテレビCMに出演しました。有名どころだと、ドコモ九州、広島トヨペット、福岡PARCOあたりでしょうか。

その後、お世話になっていた監督さんがして、活動拠点を全国に広げることになり、私自身も東京での撮影の仕事をいただくようになりました。

お誘いでいただいたお仕事が、お笑い芸人・千鳥の大悟さん、ノブさんと一緒に出演した、江崎グリコのポッキーのCMでした。全国区の芸人さんと共演できたのは、いい刺激になりました。

※3:38〜3:52、7:20〜7:35森田さん出演

またその後、マネジャーさんの紹介でZOZOTOWNの専属モデルオーディションに参加し、無事に通過しました。東京でのお仕事も増えてきたので、そのタイミングで東京と福岡の2拠点生活が始まりました。

東京で6畳に福岡のモデル3人

ーー東京では一人暮らしをされていたんですか?

森田:いえ、福岡から上京してきたモデル仲間2人と3人一緒にずっと共同生活をしていました。

モデル同士でバチバチしているイメージもあったんですが、実際そんなことなくて。いい意味で仕事に対する執着心が強すぎず、みんなで頑張ろうという雰囲気でした。

でも、お互いの生活リズムも異なるし、6畳ワンルームに3人で寝ていて大変でしたね。モデルさんってみんな身長が高いので、寝返りも打てず。お互いに「ごめんね、ごめんね」って言い合って過ごしていました。

ヘアメークさんと人生相談...矢先に

ーーその後に福岡にUターン。きっかけは何でしょうか?

森田:東京と福岡の2拠点生活は刺激的で、当時は続けたいと思っていました。ただ、ZOZOTOWN側の運営方針の変更もあって、撮影モデルとしてのお仕事が終了しました。

東京で新規のオーディションにも参加していたのですが、一番大きい仕事が終わるタイミングで、自分が本当に好きなこと、やりたいことは何だろうか、と考えました。

私、地元の古賀市と温泉が大好きなんですが、2拠点生活が忙しくて、それらをうまく発信できていなかったなと気付きました。ZOZOTOWNのお仕事が終わるってことは、ステップアップじゃないですが、そういう段階にきたのかなと思いました。じゃあ福岡に戻ろうと思っていたとき、ちょうどZOZOTOWNの撮影中にヘアメークさんと話したんですね。

ーーヘアメークさんと人生相談するんですね。

森田:そうなんですよ。ヘアメークさんに毎朝メークしてもらうんですけど、「これからどうするの?」って聞かれて、「地元に還元できるようなことがしたい」って。

その矢先に、宿野部さん(#01出演)からインスタのDMがきたんです。

「快生館の宿野部です。今度、快生館っていう古賀市の薬王寺温泉にあるワークスペースでイベントがあるんですけど、そのときにゲストとして出てもらえませんか」

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福岡県古賀市の快生館

その瞬間、「あっ、運命だな」って思っちゃったんですよ。そのイベントへの参加がきっかけで、拠点を古賀市に戻して、2022年5月から快生館でもコミュニティマネジャーとして働くようになりました。

この仕事を目指した理由や目的は何でしたか?

森田 菜月
経験者森田 菜月
株式会社SALT

温泉が好きで、地元が好きだったから

大学卒業後、モデル業・俳優業に注力し、一時は東京と福岡の2拠点生活をしていました。そんな往復生活を始めて4年が経ち、これからどうしていきたいか、真剣に考えた時に「私はやっぱり温泉が好きで、地元が好き。だったら完全に地元福岡に拠点を戻してもう一度頑張ってみたい。」と思うようになりました。


そんな矢先、快生館のスタッフから「今度古賀市のワークスペースに温泉がOPENするからトークイベントにゲストとして登壇してほしい」とのご連絡をいただき、...

「これはもう運命だ」と思ってしまいました(笑) そのトークイベントの3ヶ月後、快生館のコミュニティーマネージャーとして働き始めました。 そもそもコミュニティマネージャーという言葉を聞いたことがなかったので どういう仕事なのか、よくわからないまま飛び込みました。


古賀市PR大使と温泉入浴指導員

ーー古賀市ではどんな活動をしていますか?

森田:2023年3月から古賀市のPR大使に就任しました。

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古賀市のPR大使に就任した森田さん

毎月、飲食店に取材させていただいて、古賀市の広報誌に記事を書いたり、InstagramアカウントでPRしたりしています。

また、「温泉が好きです」と発信し続けていたら、九州でのメディア露出も増えてきましたね。福岡で有名なお笑い芸人・ブルーリバーさんが司会をする番組企画で九州のおすすめ温泉地ベスト10を当てる番組に出ました。また、雑誌『九州ウォーカー』でもおすすめの温泉地を紹介しています。

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ブルーリバーさんと番組出演した森田さん(左から2人目)

ーーただの「温泉好き」ではなく、専門家なのですか?

森田:温泉の資格を持っています。温泉に関する資格は、例えば「温泉ソムリエ」は聞いたことがあるかもしれません。温泉にあるさまざまな効能を勉強して、例えば「美肌にいい温泉は?」と聞かれたら、それに合った温泉を教えられるという資格です。

私は、温泉ソムリエは持っていないのですが、「温泉マイスター」「温泉保養士」「温泉入浴指導員」「サウナ・スパ健康アドバイザー」「温泉保養プランナー」という5つの資格を取りました。

ーーちなみに「温泉入浴指導員」ってどういう資格ですか?

森田:スーパー銭湯には実は、必ず1人は「温泉入浴指導員」がいるんです。頭痛や肩凝り、睡眠不足など症状に合わせて、最適な入浴方法を教える仕事です。温泉の支配人が務めるケースもあって出会う機会はないかもしれませんが、入浴方法をまとめた看板などを入り口に掲げているところもありますね。

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温泉入浴指導員としての一面

利用者同士をつなぐ「癒やし」に

ーー元温泉旅館を改装したシェアオフィス「快生館」での具体的な業務は何ですか?

森田:快生館では、主にSNS発信を任されています。モデルや温泉の資格、PR大使などで培ってきた発信力を生かして、快生館の魅力を投稿しています。

また、入居利用者に向けて、ランチ会を企画して運営することもあります。まだ、コミュニティマネジャーという仕事自体は始めたばかりで、勉強させていただいている段階です。

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快生館のイベントでの森田さん(右)

ーーモデルのキャリアは長いですが、コミュマネの仕事とどう結びつきますか?

森田:就職した経験が無いので、ビジネス用語の理解や社会人としてのマナー、職種やポジションなど、正直分からないことがたくさんあります。学びつつも、私が求められているのは、利用してくれる方々の「癒やし」になることだと思っています。

例えば、毎週月曜日に来てくださる利用者さんがいるんですが、「桜が咲いていますね」「最近、元気にしていましたか?」みたいな、仕事とは関係のない、たわいない会話をするのが楽しいんです。私自身のキャラクターと温泉は、癒やすことと相性が良さそうだと思っていまして。

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快生館での一コマ

宿野部さん(#01出演)たちが、「狩猟ワーケーション」みたいなユニークなイベントで盛り上げてくださっているので、私は利用者さん同士をつなげる癒やしになっていければなと思っています。

同業の先輩や同僚にアドバイスされたことで、最も仕事上の教訓になったことは何ですか?

森田 菜月
経験者森田 菜月
株式会社SALT

まずは自分が楽しく働かないと

いつかのミーティングの際、「快く働き、快く生きるためのヒントを見つけるお手伝いをする立場として、まずは自分が楽しく働かないと!」という言葉を聞きました。「狩猟がしたい!」と狩猟免許を取り、狩猟をイベントに絡めたり、焚き火やジビエBBQで会員さんとの交流を深めたり、自分の好きなことを仕事に混ぜ込んでいく先輩方はとても輝いて見えますし、周りには自然と人が集っています。


これはどの仕事にも共通して言えることは思いますが、働いていく上でとても...

大切なことだと思います。 私はまだ業務をこなすことで精一杯ですが、行き詰まった時は「働くことを自分も楽しむ」ということを思い出しながら、誰かの笑顔や働き方を一緒に見つけていけたらいいなと思っています。


「働くっていいかも」収録を終えて (2)

次回から「研究開発職編」をスタートします。楽さん(#02出演)のご友人で、スポーツメーカー・ミズノで研究開発をしながら、かくれんぼを広げようとする岡村直美さんへのインタビューを公開予定です。

番組や記事への感想はハッシュタグ「 #いいかも」とつけて、Twitterに投稿してください。もし気に入っていただけましたら、ぜひフォローいただけるとうれしいです。

(文:池田怜央、映像編集:長田千弘、デザイン:高木菜々子、編集:野上英文)

※ この記事に編成されている経験談は、記事作成時の経験談の内容と情報が異なる場合があります。

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