「頑張ったのに評価されない」の不満をなくす、働き方が変わる言葉
2022年7月13日(水)
やりがい・自分らしさを重視する風潮が強まっているとはいえ、やっぱり気になる人事評価。
今年も上半期を終え、夏のボーナス支給に際して評価に悲喜こもごもあったという人もいるだろう。
下の記事にもあるように、今は特定企業の中での出世より「異業界・異職種への転職」で挑戦意欲を満たす人も増えつつあるが、その場合のトリガーも「評価に納得いかないから」というケースは少なくない。
【働き方】2020年は、「出世の定義」が変わるかもしれないコロナ禍で定着したリモートワークで評価者との関係が希薄になり、「頑張りが正当に認められていないと感じた」という人もいるそうだ。
こんな状況下、自己評価と人事評価のギャップを埋めるには、まず自分自身の行動や考え方を変えるのも大切になる。
そこで本稿では、JobPicksに経験談を投稿しているロールモデルの中から、人事評価や上司・先輩からの助言によって働き方が大きく変わった経験を持つ人たちのコメントを紹介。
評価にモヤモヤしている人の背中を押すようなアドバイスに耳を傾けてみよう。
現在はリクルートが運営する社会人インターンシップサービス「サンカク」の事業責任者を務める古賀敏幹さんは、新卒入社したソニーではソフトウェアエンジニアをしていた。
「新卒2年目の評価面談」で上司から受けたフィードバックが、のちの社会人人生を支える礎となる内容だったと語っている。
社会人2年目の評価面談のときに自己評価に対して上長からフィードバック
この教えが影響したのか、リクルートに転職して「サンカク」の立ち上げメンバーになった時も、当初の事業プランを「ユーザーの声」を基に方針転換し、サービスを見事に成長軌道に乗せることができたという(詳しくは下のインタビュー記事にて)。
【事業開発】リクルート『サンカク』を成長させた「人を巻き込む力」
これも、独りよがりの自己評価から抜け出すのが大事という考えがもたらした功績かもしれない。
これは、昨年マザーズ上場したマーケティングDX(デジタルトランスフォーメーション)企業のWACULでCFO(最高財務責任者)を務める竹本祐也さんが受けたフィードバックだ。
前職の経営コンサルタント時代、資料作成や分析業務に忙殺されていた時に受けた以下の助言で、仕事のやり方が変わったと語っている。
マネージャーに言われて心に刺さって抜けない言葉は「作業に逃げず、考え
CFOとしての投稿では「空・雨・傘」の思考が大切だと述べているが、これを実践するためにも「作業して満足する」意識から抜け出す必要があったのだろう。
CFOは参謀として兵站を担うものである、ということをよく言われます。 CFOはCEOの参謀です。CEOは常に非連続な成長を求めます。しかし、“非連続な”成長だからと、偶発的に起こってラッキーだ、起こらなかったのは残念だと、環境に身をゆだねるは間違いです。その偶発的とも思える”非連続なもの”が起こる可能性をあげるためのアセットの調達から配賦までを、リスク・リターンに目を光らせならが行うのが、CFOの役割だと思います。 実現可能性をあげるためにCFOが行うことは「空・雨・傘」の思考です。 CFOは「空を眺める」ように、マクロ環境はもちろんCOOからの現場報告や、実際にトラックしているKPIなどの変化をみます。 そして、そこから戦況の行方を予想します。例えば、新しい事業が好調に推移しているとします。今までの事業に比べると運転資金が大きくなるその事業が、順調に拡大していることで、運転資金の回転期間が長期化しているとします。ビジネスモデルやKPIの状況を鑑みれば、キャッシュが心もとないくなるのではないか、これはまさに「雨が降ることを予想する」ことです。 キャッシュがないからと順調に拡大する事業の拡販をとめるというのはおかしな話です。そのため、財務基盤強化のために資金を調達し、なんならさらにその事業を後押しするような先行投資の資金も集めてくるようなことが、「傘を用意する」ことです。 上記を実現するために、ビジネスサイドではなくとも、事業やプロダクトそのものの理解を深め、そしてそれらの現況がどういった数値に表れるかを横断的に把握し、外部とのコミュニケーションも行うことが求められていると感じます。そのため、自分の管掌するコーポレート部門を超えて、ビジネス部門はもちろんのこと、株主や金融各社、提携先など社外のステークホルダーと密にコミュニケーションをとることを強く意識しています。 すべては、まわりのステークホルダーに価値を届けることに通じます。CFOはその価値を生み出す起点となるべきだと信じています。
続いて紹介するのは、化学メーカーのカネカで法人営業を担当している遠山尚紀さんの経験談だ。
営業というノルマ達成の有無で評価がガラリと変わる仕事を10年以上やってきた中で、本当に大切なのは「自分を信じて突き進んで、その時のメンバーをしっかりケアしていれば、いずれそれが一番の味方になる」という考えだったという。
「嫌われる勇気」がプチ流行しましたが、その10年前くらいに 当時の上
結果、今では「お客さま」だった社外の人と「パートナー」と言い合えるような関係を築くこともできたと投稿している。
「営業」とひとくちに言っても色々な形があるとは思います。 私自身も、
評価と仕事満足度の両方を高めるには、八方美人をやめるというのも大事なのかもしれない。
周囲から評価される仕事をしようと、常に全力を尽くすのは大事なことだ。
しかし、実際に評価をするのは自分自身ではなく他人。場合によっては「完璧主義を捨てて他人を頼る」姿勢が、評価を好転させることもある。チーム全体の生産性を高める可能性があるからだ。
DXコンサルティングを手掛けるユナイテッドの中根遥香さんも、次のような投稿をしている。
コンサルの仕事は、答えがデスクトップ上にあるわけでもないので、とにかくいろんな情報を探し出して、その情報から自分で考えて示唆を出す必要があります。 また、誰かに聞けば答えを教えてくれるわけでもないので「自分一人で問題と向き合い続ける」ことが出来ないと正直きついと思います。 「一人でとことん考える」ということは、人と仕事をすることが好きな人にとっては、正直きついと思います。(私も、人と関わることの多い営業から異動したので最初はきつかったです) その一人で考え出した自分にとっての答えが、全く上司やクライアントに刺さらない時もあるので。 ただ、そんな時に「みんなで考える」という事も出来る人が、成長しやすいと思います。 「みんなで考える」=「周りを巻き込む」という事なのですが、「一人で考えて」ある程度自分なりの示唆を形に出来た上で、上司やPJTメンバーを巻き込んで自分の抱えている課題を共有して相談するという流れを掴めば、PDCAサイクルの循環ができて成長しやすいと思います。 (Newspicksの【BCG杉田浩章】さんへのインタビューでも上記のようなことが書かれているので是非読んでみて下さい!:https://newspicks.com/news/5145265/body/?ref=search) ただ、「一人で考え抜く」ことが得意で好きな人は、この「みんなで考える」が苦手な傾向にあると思います。 なぜかと言うと、「完璧な状態になってから評価されたい」というような、 完璧主義の人が多いからです。(あくまで個人的見解です) 100%じゃなくても、30%の段階で相談出来ると、PDCAサイクルの回転が速くなりどんどんできることの幅も増えると思います。 「一人で考える」「みんなで考える」どっちかだけじゃなく、“どちらも”できる人が強いと思います。
「100%じゃなくても、30%の段階で相談出来ると、PDCAサイクルの回転が速くなりどんどんできることの幅も増えると思います」
自分なりに頑張っているのになかなか認められないと悩んでいる人は、この考え方で動きを変えてみるのもいいかもしれない。
中根さんの指摘は、プレーイングマネジャーとして働く人が突き当たりがちな「頑張っているのにチームが動かない」という悩みを解消するヒントにもなる。
2019年にダイレクトマーケティング事業を手掛けるKEIMAを起業した木本達也さんは、前職でマーケティングチームのリーダーを任されていた時、下のようなアドバイスを受けたそうだ。
当時の私はメンバーに高い質を求め、大量の業務を時間で解決しておりまし
コメント内にある「早く行くならひとりで行け。遠くに行くならみんなで行け」とは、アフリカの有名なことわざだ。
仕事を通じて「みんなで遠くに行く」には、環境整備や仕組みづくりも大切となる。
プレーヤーとして成果を出し続けて昇進したが、マネジャーになった途端に評価されなくなった.....というのは「昇進あるある」でもある。この壁に悩んでいる人は、木本さんの経験談を参考にしてみるといいだろう。
合わせて読む:【超解説】あなたの価値を上げる「アンラーニング」実践講座
文・デザイン:伊藤健吾、バナーフォーマット作成:國弘朋佳、バナー写真:iStock / simplehappyart