【中の人に直撃】電通プランナーの仕事内容・面接対策を徹底解剖
2021年12月1日(水)
しゅんダイアリーの福田駿さんとNewsPicks学生記者の平瀬今仁の2人が、最初に聞いたのは電通の職種分類について。
外からは分かりにくい広告代理店の組織体系はどうなっていて、社員はどんな仕事を任されるのか?
福田:電通は入社してから、いろんな職種に振り分けられると思います。それぞれ職種の違いを教えていただいてもいいでしょうか。
用丸:大雑把に分けると、ビジネスプロデューサー、ストラテジックプランナーなどの企画職と、コピーライターやアートディレクターといったクリエイティブ職に分かれています。
用丸:ただし最近は、言葉や映像といった表現のみならず、TVやデジタルをはじめ多様化する打ち手の中で広告コミュニケーションの構造全体をプランニングする職種や、そもそも広告領域のみならず、IRや社員採用などの経営課題をクリエイティビティで解決する職種も生まれています。
平瀬:電通の役割も、どんどん変わっているのですね。
用丸:経営コンサルタントが、クライアントの経営者の「左脳を支える人」だとするなら、電通社員は経営者にとって「右脳のコンサルタント」になっていると感じています。
職種の数が増えると組織も複雑になりそうだが、用丸さんによると広告代理店の仕事は「過去の分業的なバケツリレー型から、職種の垣根がないワンテーブル型に変わりつつある」という。
広告の文案を考えるコピーライターがPR戦略を考えることや、アートディレクターがコピーを考えることも多く、チーム全員で課題解決に取り組むのが特徴だ。
動画内では、広告代理店の職種解説に加えて、
具体的な仕事内容は?
テレビCM以外の仕事も多い?
電通プランナーの1日のスケジュールは?
なども解説されている。動画を通じて電通の仕事理解を深めてほしい。
電通の仕事では、「自由さ」や「幅広い経験」が得られる一方、やはり苦労もあるという。
用丸さんによると、クリエイティブな仕事だからこその難しさがあるようだ。
平瀬:5年間働いてみて、つらかった経験や、大変だった仕事はありますか?
用丸:めちゃめちゃ考えて、それでも自分の納得する企画が出せなかった時です。自分には思い付かないようなアイデアを他の人が持ってきた時は、「その思考回路ね!」と感心してうれしくなると同時に、なぜ自分には出せなかったのかという悔しさもあります。
福田:悔しさが次につながり、活力になっているのですね。
用丸:社員一人一人の得意な考え方が違うので、得られる刺激が多いのが電通の良いところです。
では、電通への就職に興味を持つ人は、どうすれば採用倍率の高い難関をクリアできるのだろうか。
内定をもらうコツを聞くと、用丸さんから驚きの回答が返ってきた。
福田:ずばり、合格率の低い電通にどうやったら受かるか教えてください。
用丸:変な答えになりますが、誰にでも受かるチャンスがあると思っています。絵が上手くないと入れないとか、数学オリンピックに出ないと入れないとかはないですから。電通には、本当にいろんな学歴やバックグラウンドを持っている人がいます。
平瀬:とはいえ、内定者の共通点みたいなものはありませんか?
用丸:キーワードを挙げるなら、「戦略的な非常識人」ということでしょうか。どの職種でも、電通の仕事の根本になるのはクリエイティビティです。なので、新しいことを考えるのが好きな人、常識を持った上であえて突飛なことをできる人が多いように感じます。
動画本編では、この「戦略的非常識」を意識した面接対策や、用丸さん自身が学生時代にやっていたこと、広告代理店に合わない人の特徴も解説している。
ぜひ今後の就活に生かしてもらいたい。
▼ 続きは動画本編でcheck!
〜編集後記〜
取材の中で、用丸さんは「就活生の時、最初は官僚になろうと考えていた」という話が印象的でした。
なぜなら、広告代理店を受ける就活生は、大手広告代理店から順に広告系の制作会社、PR会社まで片っ端から受けるという人が多いと聞くからです。
ただ、広告業界は会社によって、得意とするクリエイティブや事業領域、今後の経営戦略が全く異なります。
また、最近はアクセンチュアによる米クリエイティブエージェンシー「Droga5」の買収など、コンサルティング企業の広告領域への進出が目立つようになっています(参考記事)。
対する電通も、2017年に企業に対してコンサルティングを行う電通ビジネスデザインスクエアを立ち上げるなど、広告業界をめぐる動きは活発です。
「広告業界に行く」ことを目的にするのではなく、広告という手段で社会にどのような影響を与えたいかをもう一度考えてから就職活動を進めると、業界に縛られない選択肢が出てくるのではないかと思いました。
(平瀬今仁)
合わせて読む:【電通】我々は、もはや広告会社ではない(NewsPicks)
取材:佐藤留美、平瀬今仁、文:平野佑樹、編集:伊藤健吾、デザイン:石丸恵理、撮影・動画制作:しゅんダイアリー(福田駿、池田智哉、平田実慧)