Hamano Masaki

Hamano Masaki

合同会社DMM.com・ 会社役員

経歴

職業の経験談

  • 仕事の中で、最も楽しいと感じる瞬間はどんな時ですか?

    チームが自走し、自分が不要と思えた瞬間

    私は問題を解決する力は現場にあると考えています。


    なぜならすべての価値は現場で創られており、すべての問題は現場で起こり、それを解決するために必要な鮮度の高い情報は現場にあるからです。


    ゆえに、チームが自ら課題を発見し、解決方法を見つけ、すぐに行動を起こせることが、チームのパフォーマンスを最大発揮できる状態と考えています。


    そしてマネージャーの役割は、チームが自走できる環境を整えることであり、自走できる状態になったら役割を終え、チー...

    ムを去るときだと考えています。 自走できる環境が整うまでは、課題が何か一緒に考え、解決方法を提示し、行動を起こすために指示を出し、と関わりを深く持ちますが、チームが自走を始めると徐々に関わる頻度が減ってきます。 いままで呼ばれていたMTGに呼ばれなくなり、チームがやることに口をはさむ余地がなくなり、スケジュールがスカスカになって「何のためにいるのかわからない」と感じるときが、マネージャー冥利に尽きる瞬間です。その状態に留まらないよう後任に委ね、次の役割を考えるときもワクワクします。 純粋に楽しいのは簡単なものでもコードを書いているときです。時間があっという間に過ぎます。



  • この仕事をやっていて、眠れないほどしんどい瞬間はどんな時ですか?

    目的のために、犠牲と向き合うとき

    マネージャーの仕事では、常に自分の中での矛盾と向き合う必要があると思います。


    目的を達成するためのコスト削減を迫られたとき、誰かを昇進させるために誰かを降格させねばならないとき、親しい方に厳しいフィードバックを伝えなければならないとき、マネージャーとして仕事をしていると苦しい決断をしなければならないときがあります。


    そういうとき、人としての自分とマネージャーとしての自分の考えが相反するときがあります。このジレンマに向き合うことも仕事...

    の一部と捉え、仕事に重点を置いた決断をするという覚悟をしていますが、それでも苦悩はあります。



  • 同業の先輩や同僚にアドバイスされたことで、最も仕事上の教訓になったことは何ですか?

    すべてに責任をもち、絶対に人のせいにしない

    エンジニアリングマネージャーとして約3年携わったライブコミュニケーション事業部から離れる際に、

    部長から贈られた言葉。


    もともとセキュリティ・プラットフォームといった横断の開発部署を担当しており、ビジネスには疎かった自分が初めて担当した"事業"がライブコミュニケーション事業部でした。


    ライブ配信システムを開発する組織のリーダーとして着任したのですが、着任当初はビジネス・エンジニアという対立構造になることが多く、部長とは意見の食い違い...

    から幾度となく衝突しました。 率直に意見をぶつけ合う中で、お互いの考え方やその背景にある文化の違いに気づき、"事業"にとって必要とされる開発組織とはどういったものかを学びました。 事業が必要とするのは「事業成果に責任をもつ開発組織」です。 エンジニアにとって高度なスキル・深い知識を保有することも大切ですが、それらは事業にとって手段であり目的ではありません。何を知っているかより何を成すかが重要であり、成すべきことはすべて事業成果に紐づきます。すべての職能が事業成果に一丸となって取り組めるチームをつくることが、私のマネージャーとしてのミッションでした。 ライブコミュニケーション事業部での役割を終え、事業横断の開発部門の立ち上げることになり、異動前日に部長からSlackにて「先輩部長からひとこと・・・」と添えて贈られたのが「すべての責任をもち、絶対に人のせいにしないように」という言葉でした。 マネージャーに必要な素養をシンプルに表している言葉だと思います。



  • 転職や就活で、この職業を目指す未経験の方におすすめの書籍は何ですか?理由と合わせて教えてください。

    『Measure What Matters』ジョン・ドーア

    マネージャーにとって「目標設定・動機づけ・評価」は、必ず向き合う一連のタスクです。


    その出発点となる「目標」をどう立てるか、そもそも目標の意義とはなにか、目標と評価はどのような関係にあるべきか、これらについてOKRという手法を元に、様々な具体例を交えて学ぶことができます。


    驚くべき成果を上げるには、一見無謀とも思えるほど高い目標を立てる必要があります。高い目標に向き合うことで、発想の幅が広がり創意工夫が生まれるからです。結果として失...

    敗したとしても、本気で取り組んだのであれば、その過程で大きな成長を遂げることができます。高い目標を立てることは、チームが大きな成果をあげ、成長を遂げるための必須要件と言えます。 では、高い目標は評価という観点ではどうなるでしょうか。目標が未達に終わった場合、その達成度を評価に反映するとなると、チームは高い目標を立てようとするでしょうか。答えはNoだと思います。漸進・無難な目標を立て、安全に達成し、結果として大きな成果も成長も得られない。短期的には楽なのかもしれませんが、長期的に見て、どちらに明るい未来が開けるかは明白です。 OKRでは「目標と評価を切り離す」という答えを出しています。(会社の制度として)評価するための目標でなく、自分達の成果・成長のために目標を立てるべきと。 私の所属するDMMという会社には「本気の失敗を肯定する」という約束があります。この企業文化とOKRの思想が非常にマッチしており、マネージャーとしての自分の考え方の軸としています。 目標を立てる際、全員で読んでおくと議論が捗る一冊です。



  • この職業について未経験の人に説明するとしたら、どんなキャッチコピーをつけますか?

    人の士気を高め、成長を促し、成果を最大化する仕事


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