楽しい気持ちで歩いていても、街中で自分の失敗作を見かけて辛い気持ちになります。楽しいテレビ番組を見ていても、自分の失敗作のCMが流れてくると地獄に落とされたような気持ちになります。失敗した仕事の規模が大きければ大きいほど辛いです。
なにを失敗と捉えるかは人それぞれだと思います。100%うまくデザインできたと思えることはほとんどないので案件が終わると毎回なにかしらの反省はあります。急な仕事の場合は完成度40%で納品してしまうこともありま...
すし、うまくデザインできたつもりでも集客につながらないこともあります。それでも、やれることをやりきった実感や困っている依頼者を助けられた実感があると、仕事の喜びに繋がるし、うまくできなかった部分は次に活かそうとモチベーションにつながります。
眠れないほど辛い気持ちになる失敗は、自分のことが許せなくなる失敗です。「こんなデザインが世に出たら嫌だな」と思っていながら数合わせで提出したB案が採用されて流されるまま完成させてしまったあととか……印刷工場での最後の立ち会いにスケジュールが合わせられなくて欠席したら、思っていたのと違う仕上がりになってしまったときとか……クライアントも同僚も誰も仕上がりの違いに気がついてなくても、自分としてはどうしても許せなくて悔しくて眠れなくなります。
逆に自分の成功作を街中やテレビで見かけたときの喜びは他の職業の人には味わえない醍醐味なので、「もっとちゃんとやれば良かった」と後悔しないように心がけて働いています。