有用性が再現されたとき
課題に対して的を射た視点を持つことができ、かつデータという事実から適切な抽象化(モデル化)を行うことができた、ということを意味するから。
とはいえ、再現性の検証は様々な結果の積み重ねなので、劇的な瞬間が訪れるというものではないです。じわじわと確信を強めていって(大抵はときに弱まって)、区切りがついたときに一息をつく、そんな仕事だと私は捉えています。
少し具体的に書きます。
ある種の製品に関する試作品開発で、いくつかの原材料の配合を定...
仕事の中で、最も楽しいと感じる瞬間はどんな時ですか?
課題に対して的を射た視点を持つことができ、かつデータという事実から適切な抽象化(モデル化)を行うことができた、ということを意味するから。
とはいえ、再現性の検証は様々な結果の積み重ねなので、劇的な瞬間が訪れるというものではないです。じわじわと確信を強めていって(大抵はときに弱まって)、区切りがついたときに一息をつく、そんな仕事だと私は捉えています。
少し具体的に書きます。
ある種の製品に関する試作品開発で、いくつかの原材料の配合を定...
この仕事をやっていて、眠れないほどしんどい瞬間はどんな時ですか?
まず、「眠れないほどしんどい瞬間」は異常事態ですので、決して再発させてはなりません。この仕事に特有のしんどさは? と捉え直して以下に回答します。
R. A. フィッシャーの次の言葉を思い出します:
「実験が終わってしまった後で統計学者に相談をするのは、検死解剖をどのように行なえばよいかを尋ねるようなものであり、統計学者はその実験の”死因”を教えてくれるだけだろう」(C. R. ラオ著『統計学とは何か』より)。
あるいは、より有名で端...
転職や就活で、この職業を目指す未経験の方におすすめの書籍は何ですか?理由と合わせて教えてください。
他の方はビジネス寄りの本を紹介されているようなので、理論寄りの本を紹介します。最初の本というにはハードルが高いものを選んでいます。正直に告白すれば、私も全てを精読したと言える状態ではありません。
しかし、本格的に志すなら、このレベル以上の書籍・論文とも付き合ってほしいと自戒も込めて書きます。そのような中上級者への入門として捉えていただければと思います。
洋書を挙げましたが、『大規模計算時代の統計推論―原理と発展―』というタイトルで翻訳...
同業の先輩や同僚にアドバイスされたことで、最も仕事上の教訓になったことは何ですか?
大学の恩師の一人から、上記の主旨の言葉をいただきました。
データだけでなく、データが取得された目的や取得される過程についての情報、それらの背景にある課題や知識(暗黙の前提となっているものも含めて)をできるだけ正確に理解した上で、適切な処理を施せたらば、有用な結果も手に入り得ます。が、一つひとつの結果は概して小さなものです。
小さな結果に対しては落胆せずに
それが手に入ったことを喜んで
歩みを止めずに次へ進むことが大事なんだと思います...
最後に、この職業を一言で表すと?
ビジネスとサイエンスの両立