経歴

職業の経験談

  • 仕事の中で、最も楽しいと感じる瞬間はどんな時ですか?

    人の価値を見出し、混ぜ合わせながら新しい価値をつくりだす

    人は誰しも「個」を持っています。「個」とは、その人自身が持っている、その人ならではの価値であり、こういう風にありたいという思いです。その「個」同士を活かしつつ、丁寧に混ぜ合わせながら、新しい価値をつくりだす。それが、「コミュニティアクセラレーター」の仕事になります。

    伊藤園、NHK、オムロン、東急などの大手企業やスタートアップ、行政と数多くのプロジェクトをプロデュースしていますが、うまくいく秘訣は、担当者の「こういうことをかたちにしたい...

    」という思いを一緒に言語化することです。そして、そのために必要な人たちをつれてきて、混ぜ合わせ、実際に場づくりやコミュニティづくりをかたちにしていきます。 言語化された「個」同士が混ざり合い、それぞれのメンバーが価値を発揮しあえると、自分でも思いもよらないアウトプットが生まれます。ある会社のプロジェクトでは会長賞を受賞するまでに成長したり、あるプロジェクトでは50を超えるメディアに取り上げられることもありました。 人をつなげる仕事は、そのプロセスを通じて、新しい価値を世の中に提示していくことだと考えています。



  • この仕事をやっていて、眠れないほどしんどい瞬間はどんな時ですか?

    人の間に立つ仕事には正解がない。それでも決めて行動しなくてはならないときもある。

    「個」同士のつながり、企業などのつながりをつくってプロジェクトを進める際は当然、さまざまな価値観が交錯し、時にそれが衝突することもあります。それでも、コミュニティづくりにおいては、プロジェクトをどう形にするかを決め、それをかかわる人たちに説得していかなくてはいけません。

    それぞれの価値観には敬意は評すものの、決断は、コミュニティや場に集まってくれる参加者の目線でなされる必要があります。かかわる企業や関係者の思惑はあれど、参加者のためでな...

    い施策や、自分たちの持っている本来の目的(ビジョン)からずれた施策はやるべきではありません。 コミュニティの仕事は人間関係をベースとしているので、関係者を説得したり、間に入って調整したりすることはよくあります。そして、時に難しい決断を迫られることもあります。コミュニティの仕事においては正解はなく、自分自身で、まわりと話し合いながら、アクションを決めていく必要があります。とても苦しいこともありますが、それでも参加者の笑顔や「参加してよかった!」という声が、その苦労を打ち消してくれるのです。



  • 同業の先輩や同僚にアドバイスされたことで、最も仕事上の教訓になったことは何ですか?

    場づくりに大事なのは時間・空間を立体的に見渡して組み立てること

    コミュニティマネージャーというか、イベントの仕事をはじめたころの話です。東京カルチャーカルチャーというイベントハウス型飲食店に配属になり、未経験からイベントの仕事をやることになりました。企画書は見よう見まねで書けたものの、どういう風に構成して、場をつくっていったらいいのかわかりません。ヒントは、店長で、チーフプロデューサーの先輩・横山伸介さんの言葉に隠れていました。それが「立体的に考える」です。

    いい場づくりには細部にわたって観察するこ...

    とが要求されます。お客さんはどんな瞬間に喜びを感じ、どんな状況だとストレスを抱えるか。それを事前にシミュレーションしながら、お客さんの盛り上がりをつくるための種を、ひとつひとつ仕込んでいくのです。 場数をこなす毎に、シミュレーションの精度はどんどん上がっていき、場づくりにおいてそれなりの評価を受けるようになりました。その技術はファシリテーションやコミュニティづくりにも生かされ、どんどんやることの幅が増して今のキャリアを形成するに至っています。



  • 転職や就活で、この職業を目指す未経験の方におすすめの書籍は何ですか?理由と合わせて教えてください。

    『ファンをはぐくみ事業を成長させる「コミュニティ」づくりの教科書』河原あず・藤田祐司

    手前味噌で申し訳ありません。拙著(共著)です。

    まさに、コミュニティづくりをやることになって困っているビジネスパーソンをターゲットに書かれた本です。PeatixのCMO、藤田祐司さんと綿密な議論をしながら、丁寧に丁寧に書き上げました。

    特徴は2つあります。ひとつは、コミュニティ思考という言葉に代表される、担当者の心構えから、会社に対してどうKPIを設定し説得していくかなどの泥臭い現場のノウハウまでを「これでもか!」と網羅していること。そ...

    して2つ目は、新型コロナウイルスの広がりの最中に書かれたため、オンラインイベントのつくりかたに詳細に言及するなど、アフターコロナに完全対応していることです。 コミュニティマネージャーはもちろん、新規事業を担当される方や、スタートアップ起業家にもおすすめです。



  • この職業について未経験の人に説明するとしたら、どんなキャッチコピーをつけますか?

    一人ひとりが「個」として生きる社会を実現し、つながりから新しい価値を創造する仕事


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