強くて優しい存在
個別最適と全体最適のジレンマを楽しめる職業
人事とは、従業員の処遇や成長に関する戦略全般をつかさどる役割で、給与制度や評価制度などの策定を通じて、組織運営の土台をつくる。経営戦略と連動し、自社が掲げるビジョンを体現する組織にしていく他、従業員のキャリア形成を支援するトレーニングを計画・実施するなど、組織・人材開発の担い手となる。
仕事の中で、最も楽しいと感じる瞬間はどんな時ですか?
DMMでは新規事業が月に1本くらい生まれる一方で、事業撤退も発生しております。組織解体時の異動調整など、組織が変化や進化を遂げる過程で、組織が多角化し、それに伴い調整難易度が上がってきている状況で、人事としては事業部と従業員の間に立って調整していく必要があります。
簡単な解決策はなく、ひたすら地道に本人と向き合いながら、最適なキャリア開発につながる事業部と調整していくのですが、その中でマッチングが成立し実際に活躍した姿を見たときは、人...
事をやっていてよかったなと思うときがあります。 「連日の面談にて貴重なお時間を頂戴し、そして無理を言ったのにも関わらず、色々と面談調整でのお取り計らいをして頂いたお陰で希望部署全てとの面談ができ、大変感謝しております。本当に有難うございました。今回の異動面談を通して、DMMの様々な事業内容を知ることができ、また事業部署のトップメンバーとの面談を通して事業に対する熱い思いや苦労話、今後の課題、そしてキャリア相談までもさせていただけて、大変貴重で有意義な経験となりました。これも全て大嶋さんのお陰です、本当に有難うございました。」 実際に異動成立後にこのようなメッセージを頂戴したときは、感動して涙が出そうなくらい嬉しかったことを覚えています。 もちろん、社内異動という選択だけではなく、社外を選択する方が最適なキャリア実現が出来ると本気で思えるときは、それをお勧めすることもあります。事業成長のために必要な人材であるときもあるので、そういうジレンマを抱えながら仕事をするのも人事の難しさでありやりがいでもあるなと思っています。
この仕事をやっていて、眠れないほどしんどい瞬間はどんな時ですか?
しんどくて眠れない瞬間はあまり思い浮かばないのですが、、自分の業務の成否が、働くメンバーや組織を守ることにつながると強く感じているので、状況によってはアドレナリンが出すぎて眠れなくなることはあります、笑
例えば、採用ポジションをオープンさせるタイミングは、どのチームも基本的には「今いるメンバーだけでは仕事がなかなか回せず厳しいので、できるだけ早く採用したい!」という状況であることがほとんどです。
そのため、すべてのプロセスを超高速で進...
めなくては…!とこちらも意気込みますが、、そもそも採用というのは足の長いソリューションでもあるものです。 そうした状況を打破するため、採用決定までの間に何か少しでもチームの業務が円滑に回せる方法はないか、例えば、誰でもできるような業務は外注して外に出せないか、業務委託・アルバイト・派遣採用であれば正社員採用よりは早く進められるのではないかなど、チームの方々と一緒に考えるため、1日でも早く少しでも軽減できないかと頭をフル回転させるため、アドレナリンがですぎてしまうように感じます。
転職や就活で、この職業を目指す未経験の方におすすめの書籍は何ですか?理由と合わせて教えてください。
自分自身も人事系の領域に入りたてですが、この本を読んで、制度屋の印象が強いオーソドックスな人事ではなく、本来の人事のあるべき役割を自分自身の中でより具体的にイメージすることができるようになった。
今後の人事の役割を切り開く若手の方々には、一般的な人事の実務本を読むよりも本書をお勧めしたいと思います。そうすると、入社後に実態を見てもそれを当たり前と思わずに疑問を持ったり、どう変えていくべきなのか、ご自身の目線で考えていくことができるように...
なると思います。
同業の先輩や同僚にアドバイスされたことで、最も仕事上の教訓になったことは何ですか?
新卒時代の先輩たちからの教えです。
会社によっては、ただ単純に決められた制度をルールに従って運用したり、あるいは杓子定規な採用活動を行っていれば受け入れられる場合もある。時にはむしろそのほうが高く評価されるケースすらあると思います。
一方で、本来は事業を先回りして推進できるのが人事の役割であり、経営的視点で考察することが重要である、と新入社員時代に当時の先輩や上司からよくアドバイスをいただきました。また、人事としての業務的な枠にとらわ...
れることなく、組織を活かす事業を考えることも併せて重要であると教えられたことが、自分の今のスタイルには大きく影響を及ぼしています。 加えて、「人事責任者の立場として、戦略を組織運営に浸透させていく際のトップの代弁者となるべきである」という恩師からの教えも、行き詰まりかけたときの拠り所にしています。
この仕事を目指した理由や目的は何でしたか?
就職活動の初めは、マスコミ、メーカー、商社、金融など、さまざまな業界を見ていました。
初めは伝えることや文章を紡ぐことが好きで、マスコミに興味を持っていましたが、ある時こんなことに気づきました。
「今までの選択はせいぜい数年のこと。就職は長ければ約40年の選択。今までのように『これが好きだから』ではなく、本質的にモチベーションを保ち続けられることで選ぼう」
それから自分の過去を振り返り、
「人のことを考える」が私のモチベーション...
の源泉だと気づき、 「人のことを考える」に最も近いと感じた「人事」とゆう職種をこころざしました。 業界ではなく職種軸で、会社の決め手は「人柄」とゆう、あまり人におすすめできる論理的な就職活動ではありませんでしたが、今まで10年以上幸せに働き続けられていることから、自分の選択は間違っていなかったと感じています。
現在している副業・兼業の内容について、なるべく具体的に教えてください。
もともと社会課題全般に興味があり、
2013年ごろは首都圏の若者と限界集落に住む方の交流から演劇作品などを作るNPOのスタッフをしていました。
2014年ごろからは自身の結婚を機にカンボジアの読み書きできない女性が紡ぐ手織りの絹を扱う「MekongBlue」とゆうブランドで、「エシカルウェディング」を広めるプロボノ活動など、主にボランティアとして社外で活動していました。
2020年からは初めて有給で兼業として、社会課題を芸能人・著名人...
・Z世代などが語り合うYouTubeチャンネル「polygonz」でプロデューサーをしています。 芸能人や著名人のブッキング、成果物の確認、撮影のアシスタントなど、本業では得難い貴重な経験をたくさんしています。 直近では2021年2月にクーデターが起きたミャンマーの現状を何とか日本に伝えたい!と知り合いに働きかけ、現地でデモに参加する20代女性に独占インタビューをして発信することができました。 小さなメディアだからこその小回りや、忖度なく事実を伝えることができることを実感して、やりがいを感じています。
良い製品やサービスさえ提供すれば、顧客は満足し、商売は安泰という時代は終わり、現在は、お客さんでさえ自社の課題を発見するのに悩んでいる時代です。そんな中、「ヒト・モノ・カネ」という経営資源の中でも、顧客と共に課題に向き合える優秀なヒトの確保が、企業とっての生命線になっています。
また、急速なグローバル化の進展により国際競争が激化する中、国境を跨いだ優秀な人材獲得が起きています。さらに、コロナショックによりリモートワークが定着したことで、各人の仕事の定義や成果目標を明確にする「ジョブ型人事」への移行が問われています。
このような背景から、人事の存在感は、益々高まっています。人材管理や給料計算などの雑務は徹底してデジタル化が進む一方で、人事は、従業員の才能を最大限に活かすカルチャーづくりや、評価システムの構築、トレーニングの充実など、人の成長の寄り添う伴走者としての役割が増していくでしょう。