【自己分析】就活で適職見つける「リフレクション」3ステップ

2022年9月2日(金)

STEP1:リフレクションの基本を学ぶ

そもそもリフレクションをご存じでないという方は多いのではないでしょうか。

リフレクションとは、自分の内面を客観的かつ批判的に振り返る行為です。日本語で言う「内省」や「反省」にイメージが近いかもしれません。

当然ながら、過去を反省することはネガティブなことではなく、前に進むための行為です。同じく、経験から学びを得て、未来へ生かすことがリフレクションの目的です。

過去の経験を客観視することで得られた学びを、未来の意思決定や行動に生かしていくことが大切で、だからこそ就活の前に行う意味があると思っています。

経験の振り返りは、必ず自分自身の認知に基づいて行われます。「どの経験を振り返るか」「経験にどのような意味づけを行うか」といった部分から、私たちの認知が大きくかかわっています。

そのため、まずは人の認知の枠=メカニズムを知っておかなければなりません

下図の中心にある「意見」が、周囲にある「経験」「感情」「価値観」とどのようにつながっていくのか、具体例とともに見ていきましょう。

例えば「犬は危険である」という意見の人がいたとしましょう。犬に関する経験がなければ、犬を危険だと思い込むことは普通ありません。大抵、何かしらの経験が背景にあります。

今回は「小さい頃、犬に噛まれた」という経験をしたとしましょう。

Photo:iStock / rraya

経験には感情が紐づいているものです。「犬に噛まれた」という経験は大抵の場合、恐怖などのネガティブな感情を呼び起こします。そして、犬は怖いものだという価値観がそこから生まれます。

以上の経過を踏まえ、「犬は危険である」という意見を抱くようになります。

このように、4つの要素を切り分けて考えることで、客観的にリフレクションを行うことができるようになります。

STEP2:専用の「シート」に書き込む

それでは、本題であるリフレクションを就活の自己分析に生かすやり方を説明しましょう。

まず、認知の4点セットをベースに作られた、以下のような「リフレクションシート」を使います。

※画像をクリックすると、シートをダウンロードできるURLに飛びます。

書き方は、次の箇条書きを参考にしてください。

各項目を書き込む際のポイントについても紹介していきます。

まず【1】についてですが、キーワードを1つに絞る必要はありません。複数個選んだ方は複数枚のシートを使用しましょう。

1つのシートに1つのキーワードを記入するようにしてください。

また、【3】の「経験」を書き入れる時は、抽象的な経験ではなく、具体的な経験を思い出してみてください。

いつ、どこで、何をしていたのかが明確であればあるほど良いでしょう。【4】で書く当時の「感情」を思い出しやすくなるからです。

感情を思い出せない時は、「ポジティブかネガティブどちらの感情だったか」から考えると良いでしょう。

STEP3:シートを元に対話をしよう

皆さん、リフレクションシートに記入していただけましたか?

今回は安保さんが実際に記入した内容を元に、対話を実演していきます。

友達と実践する上での3つの注意点

このように、リフレクションでは、聞き手となる人が未来の意思決定や行動を引き出す役割を担ってくれます

聞くスキルが求められるので、以下の動画で、私がしゅんダイアリーの高橋涼花さんと行った対話を参考にしてもらえたら幸いです。

ここでは、身近な友人・知人とリフレクションを実践するとしたら、聞き手側はどんな点に気をつけるべきかもまとめておきます。

まず「相手の意見を否定する」のはNGです。全く賛同できない意見であっても、まずは傾聴することが大切です。

リフレクションシートに書いてある「意見」だけを見ると、「私の知っているあなたはそんなタイプじゃない!」と反論したくなることもあるかもしれません。

でも、まずは思い込みを捨てて、認知の4点セットを元に対話していきましょう。

意見に紐づく経験、経験に紐づく感情、そして相手が大切にしている価値観が分かれば、ある程度共感することができるはずです。

そして、相手の経験を聞く時には、「自分の経験に当てはめない」ことも意識しましょう。

「そういうことってあるよね」と自分の経験に照らし合わせてしまうと、どんどん自分の世界に入ってしまいます。

相手の言葉をそのまま受け止め、「相手が大事にしている価値観は何なのか?」を意識しながら対話してください。

「最初に記入した価値観に縛られない」ことも大切です。

リフレクションシートに記入した価値観は、あくまで対話のきっかけです。文面通り受け取る必要はありません。

今回の対話でも、安保さんがシートに記入してくれた価値観は「オープンネス」でしたが、途中でオープンネスとは対極の「自己完結しなければならない」という価値観もあることが分かりました。

対話の中で、意見・経験・感情と照らし合わせながら価値観を深掘りしていきましょう。

自己分析をした後の就活アドバイス

今まで見てきた通り、リフレクションを知れば、一歩踏み込んだ深い自己分析をすることが可能です。

一方で、リフレクションをするだけでは自分に合う職業を見つけることはできません。就職活動では、自分と職業の双方を知ることが必要だからです。

職業のことは、その道のプロに聞いてみるのが良いでしょう。

その際、リフレクションで自分の軸が分かっていれば、「自分はこんな人間で、こんな仕事をしてみたい」と壁打ちすることができます

お相手の方は、きっと自分に合った選択肢を提示してくれると思います。

ぜひこの記事を参考に、周りの友人とリフレクションを実践してみてください。

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文:安保 亮、編集:伊藤健吾、デザイン:岩城ユリエ、撮影:加藤昌人、動画制作:しゅんダイアリー(高橋涼花、平田実慧)