メンバーシップ雇用から、ジョブ型雇用への移行が叫ばれて久しい。就活生や若手ビジネスパーソンには、自ら主体的にキャリアを切り開く姿勢が求められている。
だが、そうはいっても「はじめの一歩」を踏み出すのは難しいものだ。
そこで「みんなでつくる仕事図鑑」JobPicksは、7月28日にオンラインイベント「いま、適職に出会おう」を開催。
本記事では、イベントのSession-1として行った「28歳までにどうなりたい?から考える就職論『いま私が22歳だったら』」のダイジェストをお届けする。
JobPicksがインタビューした過去記事も多く読まれた山下良輔さんと豊間根青地さん(※記事リンクは文中にて)は、いまキャリアのスタートラインに立ったら、どんな企業に就職したいと思うのか?
「ファーストキャリアで選ぶ企業の基準」「入社3年目まで具体的にどのように働くべきなのか」などと合わせて聞いた。
—— 工業高校を卒業後、地元の企業に就職し、2度のコンサルファームへの転職を経て独立した山下さん。いま、キャリアのスタートラインに立ったとしたら、どんな企業に就職したいですか?
山下良輔(以下、山下) いま新卒なら、大企業などある程度大きな組織で働いた経験がある人や、過去に起業経験がある人がつくった「大人ベンチャー」を選びます。
これまでの転職経験を踏まえて痛感するのは、どんな仕事でもまずは論理的思考や仕事の段取り、社内外の人との調整といった「ベーシックなスキル」が求められるということです。
そして、これらを身につけるには、ある程度組織体制が整っていて、かつ若手にも挑戦の機会が回ってくる会社で働くのが近道。
社会人経験が浅い人が起業したベンチャーも勢いがあっていいかもしれませんが、目の前の利益を追うことが優先され、組織としてはあまり成熟していないケースもしばしばです。
一方、大企業は教育体制などはしっかりしていますが、人数が多いため、打席に立てる回数が限られています。
なので、大企業とベンチャーのいいとこ取りができる「大人ベンチャー」が、僕にとってはベストなファーストキャリアだな、と。
—— 山下さんが最初に就職した企業も、いわゆる「大人ベンチャー」だったのですか?
山下 いえ、創業60年ぐらいの地方の中小企業です。ただ、新規事業が多く展開されていたので、ベンチャーのような気風がありました。
自分も「もっといろいろな経験を積みたいです」と上司に頼みこんだ結果、入社5年目の22歳で海外で工場を立ち上げるプロジェクトのリーダーに選んでもらえました。
そこで、ゼロから仕事をつくる経験をしたことが、その後のキャリアにもプラスになっています。
なので、仮にベンチャーでなかったとしても、僕だったら「若手でも大きな仕事を任せてもらえるか」とか「新規事業部門に配属される可能性があるか」という観点で企業選びをすると思います。
—— 新卒でサントリーに入社し、趣味として発信していた「パワーポイント術」を武器に独立された豊間根さんはどうですか?
豊間根青地(以下、トヨマネ) そうですね……。あまり答えになってないかもしれませんが、22歳の自分が心から「ときめく」企業に行くと思います。
「ときめく」というと抽象的に聞こえるかもしれませんが、働いた経験がほとんどない就活期こそ、特に「直感」を大切するといいんじゃないかな、と考えていて。
会社説明会に行ったり、実際にその企業の社員と話をしたりして抱く企業のイメージって、やっぱりその会社の風土やカルチャーに紐付いているものが多いんですよ。
それこそ、サントリーは就活生だった僕が「いい人多そうだな」「さわやかそうだな」と入社を決めたのですが、実際に入ってみたら、本当にいい人たちばかりで(笑)。
なので、キャリアのスタートラインに立ったとしたら、まずは企業のことを調べたり、社員と話をしてみたりする。そして、「ここで働きたい!」と食指が動いた企業に就職すると思います。