サマーインターン目前「参加前に知っておきたい」就活への生かし方
2022年6月22日(水)
「就職前に、仕事のリアルを知っておきたい」
こんな思いで、学校が夏休みの間に開催される「サマーインターン」に参加する学生が増えている。
近年はこの6月前後にエントリー→7〜8月に開催する企業が増え、学生の間では就職前の登竜門的に参加するという声も増えた。
下の記事で取材した学生も、ほとんどが短期・長期のインターンを経験しており、もはや就活の一環となっている感もある。
外コン、商社、ベンチャー内定者の「就活スケジュール」を大公開しかも、文部科学省などは今年6月、来年度以降の就活において「インターン参加時の情報を採用活動に活用するのを認める」と発表。
短期インターンは5日間以上、長期は2週間以上の実施を前提にするなどの条件はあるが、これで文字通りインターンシップが採用活動の一部となるわけだ。
> 詳しい情報と、この決定に対するNewsPicksのコメントはこちら
こうしてインターンの重要性が年々高まっていく時流にあるが、参加学生は何を重視して「経験を積む」のがいいのか。
採用選考の一環として、参加しておけば有利になるという発想ではもう差別化にならない時代だからこそ、インターンで何を学ぶか?という目的意識が大事になる。
そこで本稿では、JobPicksのロールモデルの中で、学生時代のインターン経験を経て「納得のいく就職」をしたと語る先輩たちの声から、インターンシップの上手な使い方を学んでいこう(注:ロールモデルの所属・肩書は、全て本人が投稿した時点の情報)。
インターン経験を通じて、自分に合った仕事を見いだす——。これはサマーインターンで最も王道な参加目的と言えるだろう。
実際、「初めての就労体験」を通じて、その後の就職で明確な方向性を見つけたというロールモデルは多い。
新卒でDeNAに入社し、入社2年目からカーシェアサービス「Anyca(エニカ) Official シェアカー」の責任者を務める宋拓樹さんは、あるスタートアップのサマーインターンに参加して「ゼロイチで事業を創る楽しさ」を知ったという。
この経験が、DeNAに事業企画・事業開発職で就職するきっかけとなった。
就活時に大手からスタートアップまで幅広く見ていましたが、あるスタートアップの新規事業立案型サマーインターンに参加した際に「ゼロイチで事業を創る楽しさ」を知りました。そこからは、事業の上流から関わることができる事業企画に若いうちから携われることが、就職先を決める上での前提条件になりました。 入社2年目の現在、カーシェアサービス「Anyca」のBtoCカーシェア形態である「Anyca Official シェアカー」の責任者を務めていますが、売上目標達成に向けた様々な施策の立案/推進や、料金/車種といった制度設計を行っていく中で、「自らの判断で事業の未来を創っていける楽しさ」は格別であると感じています。
一方、広告エージェンシーのオプトで働く佐藤史織さんは、学生時代に出版社で雑誌づくりのインターンを経験したことがきっかけでWebマーケティングの世界に関心を持つようになった。
学生時代に2ヶ月程、出版社でインターンした際にその期間を丸々かけて1冊の雑誌の発刊に関わりました(実際はもっと長かったと思います)。 その雑誌ができた時に、喜びや達成感の一方で「もっとスピード感をもってアウトプットしていきたい。自分には10のスピードで10のものを作るよりも、5のスピードで7を作ってPDCAを回していくほうが合っているかも。」ということでした。 そのインターン時代にWeb制作会社の打ち合わせに参加させていただいたことがきっかけで、媒体を紙からWebに移して就活をしました。 その後、広告代理店の様々な業界を知ることができる事業モデルを知り魅力を感じ、この業界を志望しました。
佐藤さんのケースは、インターンシップを通じて「職種」ではなく自分に合う仕事の「傾向」を知るという、採用に直結しない動きだ。
だが、インターン先にはない仕事へ興味を広げられたのも、実際に「現場のリアル」を垣間見たからこそできること。
特にサマーインターンは、こうした適性を発見する場として活用するのがいいだろう。
就活に直結しないという意味では、1社でのインターンにとどまらず、「もっと深掘りしたい」と思える仕事を見つけて長期インターンへとつなげるやり方もある。
LINEで入社1年目からプロダクトマネージャーを務め、「LINE証券」の機能改善などを担っている大嶋泰斗さんは、まさにこのパターンで適職を見いだした1人だ。
大学は英語科で、デザインともプロダクト開発とも縁遠い分野を学んでいた大嶋さんだが、「英語力を生かした仕事」という文脈ではのめり込めそうな仕事が見つからなかったという。
そこで休学して複数の長期インターンに臨んだ結果、プロダクトマネジメントの魅力を知ったという。

【LINE・24歳】若手プロダクトマネージャーの仕事の中身
大嶋さんのように、大学で学んできたこと「以外」の道から就職先を選んだという人はほかにもいる。
ここでは、インターンシップを通じて感じた違和感のようなものが、新たな道を開いた2人の経験談を紹介しよう。
スープ専門店「Soup Stock Tokyo」などを運営するスマイルズに就職した後、クリエイティブ・アートディレクターとして独立した木本梨絵さんは、武蔵野美術大学の在籍当時にデザイン事務所でのインターンを複数経験し、ある疑問を持ったそうだ。
「事業そのものに共感できていないにもかかわらず、見栄えだけを良くしても、ブランドは持続し得ない」
そこで、自分の共感できるブランドそのものを育てる仕事がしたいと考えるようになり、スマイルズ社内のクリエイティブディレクターを目指したという。

【必見】飲食店員からクリエイターに、遠回りを武器にする方法
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援などを手掛けるユナイテッドにソフトウェアエンジニアとして新卒入社した吉村勇輝さんは、機械系学部の卒業ながら、多くの先輩が進むメーカーへの道を歩まなかった。
大学3年次に複数のメーカーでインターンシップを経験したことで、特に大手メーカーでは新卒社員が担当できる業務範囲が限られることを知ったからだという。
この時の経験から、「スピード感を持ってものづくりができるWebエンジニアを志望するようになり」ユナイテッドへの就職を決める。
私は小さい頃からものづくりが大好きで、小学校時代はよく家で図画工作をしたり、LEGOのロボット大会に出たりしている少年でした。 そんな過去から自然とロボットを作ってみたい!と理系を目指すようになり、大学は機械工を専攻しました。 大学3年生ではメーカーを中心にインターンをたくさん受けたのですが、基本的にメーカーは組織の規模が大きく、ロボットアーム1つ取ってもモーターだけを開発する部署だったりハンドだけを開発する部署だったりと業務がかなり細分化されていました。 もちろんジョブローテーションがあって2,30年かけて色々な開発に携わることはできるのですが、ガツガツ働きたいせっかちな自分としては待てませんでした。。 一方で、当時はビジネススクールに通って友達とビジネスめいたことをしており、ネット業界で成功するスタートアップには憧れがありました。 そして気がつけば、スピード感を持ってものづくりができるWebエンジニアを志望するようになり、今はWebエンジニアとして働いています。 周りの友達は皆メーカーに就職する中で自分は1人だけWeb系の道に進んだ訳ですが、働き方も業務内容もとても自分とマッチしているなぁと思いますし、悔いのない選択ができたなと思っています。 「ものづくりが好き」「スピード感持ってガツガツ働きたい」「裁量が大きい環境で働きたい」そんな方はもしかすると(比較的少人数のチームで開発している)Webエンジニア が合っているかもしれません!
サマーインターンは、こうして「専攻から考える常識」の外にある仕事に目を向ける機会にもなる。
この考えを持って、いくつか異なる仕事を経験してみるのもいいだろう。
最後に、サマーインターンに参加する学生からすると「少し先の話」にはなるが、インターン経験は社会人デビューにも生かせるという話を紹介したい。
ラクスルの新規事業で、運用型TVCMとして知られる「ノバセル」の最年少マネージャーとして活躍する楠勇真さんは、インターンを通じてエンジニアやWebマーケティングなどの仕事を経験した後、下のような理由で「事業企画志望」に一本化したそうだ。
学生時代のインターンで、エンジニアやWebマーケティングなど様々な業務を様々な事業で経験するなかで、自分は特定の業務が好きというよりも「自分が死んだあとも、世の中に残る事業」に関わりたいのだと理解しました。 そしてそういった事業を自分で創りだす仕事が出来たらこれ以上ない幸せだと思い、様々な企業や仕事を見ていく中で「事業開発」という職種に出会い「これだ!」と思いました。 事業開発では、非連続に事業を成長させていくことを志向しています。そのために必要なことはなんでもやるため、仕事の内容は多岐にわたりますし、フェーズによってもやることがどんどん変わります。なので、自分もそういった事業創りをしていきたい、事業を伸ばすためになんでもやれるという志向性の方にはピッタリの仕事だと思います。
就職前から目的が明確になっていた楠さんは、インターンとは異なる責任範囲など、就職後のギャップも早々に乗り越え、前述のように最年少マネージャーとして活躍している。

ラクスル最年少マネージャーが見つけた、最速で結果を出す3つの視点
インターンシップは、まさに「働く前のジャンプ台」となる貴重な時間。就活の選考につながる云々は端に置いて、のめり込める対象探しとして臨むのがベターなのだ。

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