遠隔・非対面でも悩まない「ビジネスコミュ力」を高める推薦書13選
2022年5月25日(水)
コロナ禍でリモートワークが日常化した今、非対面でも円滑にコミュニケーションを取るための「伝える力」が汎用スキルとして注目を集めている。
書店では「話し方」「伝え方」を解説する書籍のコーナーができ、Amazonの「ビジネス・経済」売れ筋ランキングを見てもトップ100の中に関連本が並ぶことが増えている。
これも、仕事上のコミュニケーションエラーに大なり小なりストレスを感じている人が増えていることの表れだろう。
今年2月末に出版されたビジネス書『コンセプチュアル思考 物事の本質を見極め、解釈し、獲得する』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)も、この文脈で注目されている書籍の一つ。
著者の村山昇さんは、「ロジカル思考」や近年注目を集める「デザイン思考」に次いで、今は意志や世界観を伴った「コンセプチュアル思考」も求められていると語っている。
【提言】必要なのは「言語化力」。強いコンセプトの磨き方上の記事では、コンセプチュアル思考について「経験を抽象化して物事の本質をつかんだり、活動に意味を見いだしたりする力」と説明し、日々の仕事のみならずキャリア形成でも大きな武器になると述べている。
これまで磨き上げてきたスキル──知のはたらきや、情のはたらき──を基軸に、これから何をすべきか、どんな能力を新たに習得すべきか、あるいは既存に得た能力をどう再編成してキャリアを切り開くべきか、などを決める「意のはたらき」が生まれるからだ。
こうして、人とのコミュニケーションのみならず自分の意志を的確につかむためにも言語化のスキルが重要になっている中、これらのスキルを磨くにはどんなインプットが必要になるのか。
本稿では、言語化力と伝える力を高めるノウハウを紹介していこう。
言語化力を「独りで」高める際に、最も有益なツールとなるのが、やはり読書だろう。
前述のようにコミュニケーションに関する書籍はたくさん出ているが、中でもおすすめな書籍について、音声メディアVoicyでビジネス書を中心に書籍を紹介し続けている荒木博行さんが下の記事で解説している。
【入門書】リモートワークに効く「コミュ力」を鍛える5冊推薦理由は記事に譲るが、荒木さんがピックアップした書籍は以下の5冊。
『1分で話せ』(SBクリエイティブ)
『新編 日本の面影』(KADOKAWA/角川書店)
『THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法』(かんき出版)
『問い続ける力』(筑摩書房)
『一九八四年』(早川書房)
(それぞれのAmazonリンクは記事内にて)
2022年5月25日時点でも、Amazonの「ビジネス・経済」売れ筋ランキングでトップ100に入り続ける『1分で話せ』のようなノウハウ本から、SF小説の古典的名著『一九八四年』まで幅広いラインアップが並んでいる。
荒木さんはこのような選書をした理由として、ただノウハウを学ぶだけでなく「読書を通じて語彙を増やす訓練」がコミュ力を高めると感じているからだそう。
例えば、明治時代に来日した民俗学者ラフカディオ・ハーンが記したエッセー『新編 日本の面影』からは、神秘的な日本描写を通じて「具体」と「抽象」表現の使い方が学べるという。
多彩な表現に触れることが、伝え方を鍛える初歩の初歩となるわけだ。
もう少し「仕事用の実用書」にフォーカスして紹介するとしたら、長らくビジネスの基本とされてきたロジカルシンキングに関する書籍から学ぶのも手だ。
下の記事では、JobPicksに経験談を投稿するロールモデルが「未経験者へのおすすめ本」として紹介する本の中から、プレゼンや折衝を論理的に行うためのノウハウ本を5冊取り上げている。

【厳選5冊】現役コンサルも学んだ、ロジカルシンキングを鍛える本
『イシューからはじめよ—知的生産の「シンプルな本質」』(英治出版)
『ロジカル・シンキング: 論理的な思考と構成のスキル』(東洋経済新報社)
『ロジカル・プレゼンテーション―自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」』(英治出版)
『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則』(ダイヤモンド社)
『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』(東洋経済新報社)
(それぞれのAmazonリンクは記事内にて)
中でも、経営コンサルに限らない多くのJobPicksロールモデルが推薦していた書籍が、『イシューからはじめよ』と『考える技術・書く技術』だ。
例えば後者については、アパレルブランド「マザーハウス」コミュニケーションデザイン部門の執行役員・神村将志さんも次のような理由で薦めている。
「この本に載っている複数の事例から共通点を見出す『帰納法』や、物事を俯瞰して考える『遠近法』などは、チームでのブレスト中に思考が止まってしまった時に、視点を変えるヒントになると思います」

マザーハウスの「すごい顧客体験づくり」試行錯誤を支えた良書5選
対チーム、対顧客に対する「伝える力」を高める効果も見込める本というわけだ。
ロジカルに考えた先に見えてくる、コミュニケーションのコツをつかむ意味でも必読だろう。
最後に、テキストコミュニケーションのみならず「図解」や「ビジュアル」も駆使して物事を伝えるためのtipsも紹介しよう。
下の記事では、現役デザイナーが薦める「伝わる資料作りの参考書」3選を紹介している。

コンサル&デザイナー推薦「プレゼン資料作りのコツ」が学べる鉄板本
『ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール』(かんき出版)
『Paul Rand: A Designer's Art / ポール・ランド デザイナーの芸術』(ビー・エヌ・エヌ新社)
『言葉ダイエット メール、企画書、就職活動が変わる最強の文章術』(宣伝会議)
(それぞれのAmazonリンクは記事内にて)
このうち『ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール』は、米の大手新聞「THE WALL STREET JOURNAL」で図表表現のディレクターとして活躍した著者が、図表作りのコツをまとめた一冊だ。
プレゼン資料は、写真や図版を用いて分かりやすく見せるのが大切だと言われるが、特に図表に関しては、Excelで作成したグラフをそのまま貼り付ける人も少なくない。
そこでひと工夫する上で、NewsPicksのグラフィックデザイナー斉藤我空さんは「データを可視化して相手に複雑な情報を分かりやすく伝える技術」が身に付くと本書を薦めている。
データを可視化して相手に複雑な情報をわかり易く伝える技術が詰まっており、体系的に図解表現の技術を進化させてくれるのでおすすめ。似た系統の本が数多く存在するが、この1冊で初心者の方が学びたいことはほぼほぼ網羅することができる。グラフは作り手によって大きく印象を歪めてしまうことができてしまうので正しい情報を正確に伝えるために必要不可欠な本です。
特に短時間の会議やプレゼンでは、「絵にする技術」も伝える力の一つとなる。
思考を整理し、言葉を尽くすだけでなく、図解の力も身に付ければ、よりコミュニケーションが円滑になるだろう。

合わせて読む:【鉄則】伝わる資料は、「余白」で決まる
文・デザイン:伊藤健吾、バナーフォーマット作成:國弘朋佳、バナー画像:iStock / sesame