【衝撃】24卒の会社選びが大変化、優先順位1位は「なりたい職種」
2022年4月15日(金)
自分のなりたい職種であること──。
就活サイト「ONE CAREER(ワンキャリア)」が24年卒の学生を対象に「企業選びで最も重視すること」をアンケートしたところ、この項目がダントツ1位となった。
これに、「企業の雰囲気がいい」「企業の安定性」が続く。
1年前、ワンキャリアが23年卒の学生に行った同様のアンケートでは、上位が
1位:企業の社風がマッチしている(47.9%)
2位:企業のビジョンや理念に共感できる(42.5%)
3位:自分のなりたい職業である(35.4%)
だったことからも、「なりたい職業」で選ぶ傾向が強まっていることが分かる。
これまで就活生の「会社選びの軸」といえば、給料が高いこと、成長できる環境であることが首位の常連だったが、そうした項目が下がっている点も目を引く。
この結果を受けて、ワンキャリアのEvangelist寺口浩大(てらぐち こうだい)さんは、「終身雇用が崩壊し、一生同じ会社に勤めることを想定している学生は減り、転職することを前提にしたキャリアを考える人が増えている」背景があると言う。
そのため、就活でも「いわゆる『配属ガチャ』と呼ばれる希望しない部署への配属リスクを減らしたい、キャリア設計の主導権を企業だけが握る状態にしたくないという学生が増えている」(寺口さん)そうだ。
つまり、会社のステイタスや待遇より、自分はそこで「何をしたいか」という仕事(職種)を優先する「ジョブ型」の学生が増えたといえる。
ここで改めて、「ジョブ型とは何か」について説明したい。学生や第二新卒など若い読者も、最近たまに耳にする言葉ではないだろうか。
ジョブ型とは、一言で言うと「何の仕事(職種)をするか自分で決めて、会社と同意する」雇用のことだ。
例えば、「営業・マーケティング職」というジョブを選んだのなら、基本的に他の職種に配属、異動されることはなく、その道のプロとして実力を磨いてゆく。欧米など日本以外の国は、ほぼこの「ジョブ型雇用」を長年続けてきた(以下、参考記事)。
【完全図解】「ジョブ型」雇用で、仕事、給料、昇進はこう変わる一方、日本企業の多くは「メンバーシップ型」雇用が中心だった。
総合職として採用し、研修の後にその人の適性を会社が見極め配属する。営業から経理、経理から人事など、ジョブローテーションと呼ばれる、職種をまたいだ異動も頻繁。転勤など勤務地が会社都合で変わることも多々あった。
よって、キャリアも個人の意思というよりは、「会社任せ」の傾向が強かった。終身雇用の安定と引き換えに、会社に身を委ねることが当たり前とされたのだ。
まとめると、ジョブ型とは会社より仕事で選ぶ「就職型」。一方で、メンバーシップ型とは仕事より会社で選ぶ「就社型」といえるだろう。
しかし、時代は変わり、「就社型」の就職はリスクが高くなっている。
なぜか?その理由の1つが「事業リストラ」だ。
企業は、存続をかけて、自社にとって必要な事業を見極め、そうではないと判断した事業は、たとえ黒字でも容赦無く売却する傾向が高まっている。
例えば、2020年に日立製作所は日立建機と日立化成という子会社を売却した。
TDKは2017年、スマホ用通信部品事業を、スマホ用半導体設計メーカー最大手の米クアルコムに一部売却。2019年に完全売却した。
体温計で知られるオムロンも、2019年に車載モーター制御部品事業を日本電産に売却している。
【完全理解】「黒字事業リストラ」の最前線では、なぜ、企業は手塩にかけて育てて黒字化させた優良事業を手放すのか?
かつての日本企業は、成長領域にまんべんなく手をつける「分散投資」を行ってきた。しかし、成長する事業であるほど、先行投資(お金)が必要で、中途半端な投資ではグローバル間の競争には勝てない。
だからこそ、事業投資の「選択と集中」をしているのだ。
では、働く人にとって、この現象は何を意味するのか?
それは、一生働くつもりで「就社」した会社でも、自分の所属する事業の売却などにより、企業風土も働く仲間も異なる別会社で働くことが、今後、大いにあり得るということだ。
就活生や若い転職希望者はこうした事実から何を読み取るべきか──。
それは、やはり「就社」より「就職」の時代が来ているということではないか。
実際、日立製作所では新卒者の「就社」意識を排除するため、「入社式」という名称をやめてしまった。今ではその名も「HITACHI CAREER KICKOFF SESSION」と呼ぶ。
【直撃】日立人事トップが語る、新時代の昇進と降格の条件ソニーも、総合職採用をやめ、88もの職種に分解し、長期インターンを中心とする「ジョブ型新卒採用」を始めている。
【人事トップ直撃】ソニー「新卒88職種別採用」本当の狙いこのような動きは、他社も続々と追随してゆくだろう。
こうした「ジョブ型」の動きについてゆくためには、どこの会社で働くかという「企業研究」も必要な一方で、どんな仕事をしたいのかについて「職業研究」も重要だといえる。
その点、手前みそだが、当サービス「JobPicks」では約50の職業を今、現役でやっている人の豊富な経験談が掲載している。
中には、「UXデザイナー」や「経営企画」など、リアルな仕事内容が想像しにくい職種もあるだろう。しかし、そんな未知の職業こそが、あなたの意外な天職かもしれない。
ぜひ、様々な職種のロールモデルのリアルな声に触れ、自分に合う仕事とは何かについて考えてみてほしい。
連載1回目を読む:「成長」を実感できない20代が、今すぐできる3つのこと
取材・文:佐藤留美、デザイン:石丸恵理