適職を探すには、雇用市場の現状を知っておくことが欠かせない。ジョブマーケットの「今」を切り取る統計データを紹介しながら、そこから得られる気づきや学びを探る編集長コラム連載。
2回目の今回は、24年卒業予定の学生の就職先選びに異変が見られることをお伝えする。
適職を探すには、雇用市場の現状を知っておくことが欠かせない。ジョブマーケットの「今」を切り取る統計データを紹介しながら、そこから得られる気づきや学びを探る編集長コラム連載。
2回目の今回は、24年卒業予定の学生の就職先選びに異変が見られることをお伝えする。
自分のなりたい職種であること──。
就活サイト「ONE CAREER(ワンキャリア)」が24年卒の学生を対象に「企業選びで最も重視すること」をアンケートしたところ、この項目がダントツ1位となった。
これに、「企業の雰囲気がいい」「企業の安定性」が続く。
1年前、ワンキャリアが23年卒の学生に行った同様のアンケートでは、上位が
1位:企業の社風がマッチしている(47.9%)
2位:企業のビジョンや理念に共感できる(42.5%)
3位:自分のなりたい職業である(35.4%)
だったことからも、「なりたい職業」で選ぶ傾向が強まっていることが分かる。
これまで就活生の「会社選びの軸」といえば、給料が高いこと、成長できる環境であることが首位の常連だったが、そうした項目が下がっている点も目を引く。
この結果を受けて、ワンキャリアのEvangelist寺口浩大(てらぐち こうだい)さんは、「終身雇用が崩壊し、一生同じ会社に勤めることを想定している学生は減り、転職することを前提にしたキャリアを考える人が増えている」背景があると言う。
そのため、就活でも「いわゆる『配属ガチャ』と呼ばれる希望しない部署への配属リスクを減らしたい、キャリア設計の主導権を企業だけが握る状態にしたくないという学生が増えている」(寺口さん)そうだ。
つまり、会社のステイタスや待遇より、自分はそこで「何をしたいか」という仕事(職種)を優先する「ジョブ型」の学生が増えたといえる。
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