銀行がデジタル化したら、銀行員はどう変わる?求められるスキル5選

銀行がデジタル化したら、銀行員はどう変わる?求められるスキル5選

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かつて銀行員は、安定性・社会的地位の高さ・給与の高さなどから、就職で人気職種の一つだった。


しかし、近年は銀行全体が変化の荒波にさらされている。


収益力の低下した地方銀行は、生き残りをかけて店舗の統廃合を推進。メガバンクですら人員削減や新規採用数の縮小を余儀なくされている。


こうした中、安定を求めて就職するのは安易と言わざるを得ないが、銀行がいまだ人々の生活と経済を支える存在であるのも事実だ。


では、銀行が求める人材像は、この端境期にどう変わっていくのだろうか。


新卒で福岡銀行に入行し、日本初のデジタルバンク「みんなの銀行」を立ち上げた永吉健一(ながよし けんいち)さんは、「銀行も銀行員も、”銀行らしさ”からの脱却が必要だ」と語る。


みんなの銀行で副頭取を務める永吉健一さん 経歴

店舗中心のサービス(1.0)からオンラインに移行し(2.0)、今後は銀行そのもののデジタル化が問われる「銀行3.0」の世界で、求められる銀行員の姿とは?


みんなの銀行の取り組みを通じて、必要なスキル、マインドを探る。

目次

銀行の3つの業務と機能


—— フィンテックサービスの急速な台頭によって、銀行は存在意義が問われています。単刀直入に聞きますが、銀行は今後も必要でしょうか?


銀行が持つ機能に関しては、間違いなく今後も必要です。


銀行員になると、最初に叩き込まれる3つの業務と機能があります。


3つの業務とは、お金を預かる「預金」、現金を直接使わずに支払いをする「為替」、お金を貸す「融資」です。この裏側には、銀行が持つ機能である「金融仲介」「信用創造」「決済」があります。

銀行の3つの業務と機能の図解

少し大袈裟ですが、これらは国内初の銀行を作った渋沢栄一の時代から150年間変わっていない、銀行の本質的な存在意義です。


ただ、ビル・ゲイツは20年以上も前に、銀行について「Banking is necessary, banks are not.」と語っています。直訳すると「銀行機能は必要だが、銀行は必要ない」という意味です。

銀行と言われると多くのイメージでは、窓口手続きの多さや、待ち時間の長さ、ようやく自分の番だと思って書類を提出したら「手続きの結果は郵送にて……」なんてことを想像されるでしょう。


これらは全て、安心・安全にサービスを提供するために築かれた業務フローとはいえ、私自身、不便だと感じます。


お客様の視点で考えると、基本となる3つの業務と機能はそのままに、その提供の仕方を変えなければなりません。

—— 2021年に開業した、みんなの銀行はこれらの課題を解決するために設立したのでしょうか?


その通りです。デジタルバンク、みんなの銀行を設立しようと思い立ったのは、6年前まで遡ります。


私は当時、ふくおかフィナンシャルグループの経営企画部門に在籍し、銀行の10年後を考えるというミッションを抱えていました。


ちょうどその頃、アメリカではすでに広がりを見せていたネオバンク(既存の銀行と連携して金融サービスを提供する企業)に注目し、2016年にiBankマーケティングを起業し、スマホ専用アプリとして「Wallet+」をリリースします。

ネオバンク「Wallet+」のホームページ
登録した銀行口座の残高や収支、明細などを、スマホで手軽にチェックできるアプリ。現在は多くの銀行が導入しているが、当時は国内初の試みであった

このサービスを銀行本体とは別組織でリリースし、外の世界に走り出してみたことで、改めて社会全体が想像以上のスピードで変化していることをまざまざと感じることになります。


合わせて、銀行が取り組むべきさまざまな課題も見えてきました。


誤解を恐れずに言えば、地域で圧倒的な知名度や一定のシェアのある地方銀行は、地域経済を回す上では欠かせない存在であるため、ちょっとやそっとのことで揺らぐことはありません。


そういう存在だからこそ、銀行の外の世界の変化やスピードを感じにくいという面もあるのかもしれません。


各銀行がDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいますが、まだ紙、ハンコで進める業務も一部では残ってますし、組織の意思決定はテック企業に比べて時間がかかったり、他業界との連携が少ないといった傾向も見られます。


そのため、iBankの設立にあたって、まずは顧客視点に立ってサービスを開発することに注力しました。


ユーザーの声を都度取り入れてUIやUXを改善したり、API(あるソフトウェアを他のソフトウェアと容易に連携させるための「窓口」となる機能)連携で他社が提供する機能を取り込みながら、とにかくお客様が使いやすいサービスを作り込んだのです。

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Photo:iStock / Yok_Piyapong

これによって、自分たちが目指す銀行像に近づいているという手応えはあったものの、これらの改善は金融サービスに参入し始めた他社でも可能です。


そこで、自分たちにしか手を加えられない部分を考えた時に、表面の機能改善だけではなく、本質的な金融機能や商品、サービスを変えないと、他社とは戦えないと感じました。


これらの考えから、銀行そのものをアップデートした銀行、「みんなの銀行」をゼロから作ろうとなったのです。


これからの銀行に必要な人材像

残り3922文字(全文5500文字)

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