編集者は「人間らしさ」をつくる仕事。成長に必要な5つのスキルとは

編集者は「人間らしさ」をつくる仕事。成長に必要な5つのスキルとは

技術の進展と文化の醸成が組み合わさり、誰もが発信者になれるようになった。SNSやブログサービスを通じて、誰もがなにがしかのコンテンツをリリースしていることを考えれば、現代は“一億総発信者の時代”ともいえるだろう。


時代の後押しを受け、コンテンツを生み出すためのスキル「編集」はもとより、編集を生業とする職業「編集者」への注目度も高まっている。


しかし、労働人口の少なさも相まって、編集者の仕事は一般的には知られていない。いったい、どのような業務を担当しているのだろうか。


フリーランスの編集者として、20代ながら書籍の構成を手がけ、Webメディアでは自身の担当連載を持つなど活躍する小池真幸(こいけ まさき)さんは、「世間がイメージする編集者の仕事と実際の仕事には乖離がある」と語る。


キャリアの礎となるヒントをひも解く連載企画「5分でジョブ解説」の第8回は、根強い人気を誇る「編集者」に焦点を当て、仕事の詳細について探っていく。

フリーランス編集者 小池真幸さんの経歴

目次

編んで集める現場監督「編集者」


—— 小池さんが考える、編集者の定義について教えてください。

編集者とは、書籍や雑誌、Webメディアなどに掲載される記事など、「テキストを中心とするコンテンツを形にする人」だと考えています。


かつては出版社や編集プロダクションが主な“生息地”でしたが、近年はWeb、スマホアプリ上でコンテンツを提供する媒体も増えています。それだけに、勤め先、働き方の幅は広がっています。


「文章を書くのが好きだから」という理由で編集者を目指す人もいますが、「形にする」のが職務なので、必ずしも文章力に秀でている必要はありません。


コンテンツをつくる際は、テキストを書くライターをアサインすることが大半で、ほかにも写真を撮るフォトグラファーや、レイアウトやビジュアルをつくるデザイナーなど、専門分野を持ったプロフェッショナルがそれぞれの分野を担当します。


まず、つくりたいものの構想を描いたうえで、役割に対して適切な人物を割り当ててその構想を伝え、締め切りに合わせて進行管理をし、コンテンツの質を担保することが主務なので、例えるなら現場監督のような仕事内容だといえます。


—— 編集者とライターは似ている仕事として扱われることも少なくありませんが、異なる仕事なのですね。

スポーツにたとえるなら、編集者が監督で、ライターが選手。編集者がライターを兼ねることはありますが、本来的には異なる職業です。


ライターはあくまでテキストという一部分のクオリティーに責任を持つ仕事なのに対し、編集者はコンテンツ全体に責任を持つ仕事です。


では、どうして編集者がライターを兼ねるのかというと、人材不足やコストの問題があるのではないかと思っています。


編集業界は人材不足なことが多いので、編集者がなんらかの職業を兼ねない限り、円滑に業務を進められないことがよくあるんです。費用対効果の問題で、全ての職種に専任の担当者を用意できないこともあります。


そのようなときは、多くの場合、編集者がライターを兼務します。僕もそうなのですが、編集者には、もともと文章を読んだり、書いたりすることが好きな人が多いので、たまたま職能を満たせるケースがよくあるんです。

編集者とライターの役割分担について語るフリーランス編集者の小池真幸さん

—— 小池さんは編集者をしながら、ライターやフォトグラファーなど、ほかの職種を兼ねることはありますか?


編集者とライターを兼ねることもありますし、ライターとして仕事をすることもあります。

編集を担当するコンテンツであっても、「このテーマの原稿は自分で書きたい」「このジャンルは詳しいから自分で書いた方が良さそうだ」と思うことがあります。

そういうときは、コンテンツそのものはもちろん、書き手としての責任も持ち、2つの職種を兼務している形です。


編集者に求められる5つのスキル

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