【読者の声】名著『ジョブ理論』に学ぶ、売れるサービスづくりの肝

【読者の声】名著『ジョブ理論』に学ぶ、売れるサービスづくりの肝

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「みんなでつくる仕事図鑑」JobPicksは、さまざまな職業のロールモデルが投稿してくれたリアルな経験談を多数掲載している。本連載では、その投稿内容を参考に、キャリアの悩みを解消するヒントを探っていく。今回は、営業やマーケター、事業開発担当者必読の書籍『ジョブ理論』の内容紹介だ。


目次

ジョブ理論とは?著者紹介と要約


「なぜあの商品は売れているのか」「顧客はなぜ競合他社のサービスを評価するのか」


経営者や事業開発担当者だけでなく、ほとんどのビジネスパーソンが興味を持つであろうこの問いに、一つの答えを示してベストセラーとなった『ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム』(ハーパーコリンズ・ ジャパン)。


イノベーション研究の権威として知られたハーバード・ビジネス・スクールの故クレイトン・クリステンセン教授らの共著で、日本では2017年に翻訳版が出版された。

クレイトン・クリステンセン
クレイトン・クリステンセン(Photo:The New York Times/Redux/アフロ)

クリステンセンの名を知らない人でも、彼の処女作の邦題にもなった『イノベーションのジレンマ(The Innovator's Dilemma)』という言葉は聞いたことがあるかもしれない。


イノベーションのジレンマの副題は「技術革新が巨大企業を滅ぼすとき」。各産業で起きる下克上のメカニズムを解き明かし、原書が出版された1997年以降、世界的に影響を与える理論となった。

世の中を一世風靡する製品を生み出した大企業は、その強みを磨くことに専念するあまり、消費者が抱く異なるニーズに気付けなくなる。その結果、新たな魅力を持つ製品を開発した新興企業に、取って代わられてしまう。


クリステンセンはこれを「破壊的イノベーション」と呼び、その後も企業活動や新規事業開発における“革新の起こし方”を研究し続けた。


その過程で導いたのが、冒頭に記した問いの答えとなるジョブ理論だ。


クリステンセンが共同創業したコンサルティング企業・米イノサイトと提携し、本人とも親交のあったインディージャパン津嶋辰郎さんによると、ジョブ理論とは「顧客ニーズの本質を捉えるための視点」である(下の記事参照)。

ジョブ理論とは

上にある「シェイクを買う理由」の話は有名で、書籍では1章:ミルクシェイクのジレンマで詳しく説明されている。


あるファーストフード店が、シェイクの売上拡大を狙って味や量、価格帯を変更したが効果が出ない。そこで改めて購入者の傾向を観察したら、「朝9時前、車で来店した客が、店舗内で飲まずに持って帰る」パターンが多かったという。


これをクリステンセンは、「運転中の気を紛らわせる」という【ジョブ】を解決するために、顧客がミルクシェイクというゆっくり飲める商品を【雇用】していたと説明。


ビジネスでは、こうして顧客が片付けたい【ジョブ】を特定すること(ジョブ・ハンティング)が大切で、ジョブを解決するため自社商品を【雇用】するまでのストーリーを示すのが事業戦略になると説いている。


では、本書から得られる学びは、具体的にどんな状況で役に立つのか。


JobPicksのロールモデルの中で、『ジョブ理論』を薦める人たちのレビューコメントから読み解いていく(注:ロールモデルの所属・肩書は、全て本人が投稿した時点の情報)。


営業関連職に役立つジョブ理論

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