学生からも人気が高い職種として知られる「事業開発」だが、実際どのような仕事をしているのかは、学生の目から見えにくい。いったい、どのようにして事業を形にし、世の中に届けているのだろうか。
大学在学中にITベンチャーを創業し、現在は事業開発支援を得意とするフラーで執行役員を務める林浩之(はやし ひろゆき)さんは、「考える人こそが、事業開発だ」と語る。
林さんのキャリアを振り返りながら、デジタル時代を生きる人気職種の裏側を明らかにしていく。

学生からも人気が高い職種として知られる「事業開発」だが、実際どのような仕事をしているのかは、学生の目から見えにくい。いったい、どのようにして事業を形にし、世の中に届けているのだろうか。
大学在学中にITベンチャーを創業し、現在は事業開発支援を得意とするフラーで執行役員を務める林浩之(はやし ひろゆき)さんは、「考える人こそが、事業開発だ」と語る。
林さんのキャリアを振り返りながら、デジタル時代を生きる人気職種の裏側を明らかにしていく。
一言で表現するなら、「事業の立ち上げからグロースまでを指揮する仕事」です。
事業開発の原点は、「世の中にこういうものがあったらいいな」と夢想することにあります。ただ、そのほとんどが、実現可能性を検討していない、いわば“夢物語”です。
事業開発の存在意義は、その夢物語を、夢物語で終わらせないことにあります。
「どうやったら実現できるのか」という戦略を立て、戦略に従ってプロジェクトをつくり、プロジェクトに人を巻き込んで形にしていく。
この一連の流れが、事業開発の職務です。
とにかく、希少価値が高い職業なのです。
インターネット時代が到来して以降、まずエンジニアの需要が急増して、次にUI、UXの文脈が広がってデザイナーの需要が増加しました。時代の要請によって需要が増えた職業はいくつか挙げられますが、そのほとんどが「作り手」です。
翻って、今度は事業づくり全体を設計できる、いうなれば「考える人」が求められるようになりました。この「考える人」こそが、事業開発です。
モノづくりの方法は、それなりに体系化されています。しかし、考えることは、全く体系化されていません。常に前提が違うので、情報共有がされにくく、相対的に生まれにくい。そうした背景もあって、需要が増しているのだと思います。
学生から人気が高いのも納得できますが、エンジニアやデザイナーといった専門職をマネジメントするスキルが求められますし、戦略構築から実装までを一貫して指揮する必要があるので、新卒から担当するのは非常に荷が重い仕事です。
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