就活生の「業界・職業研究」の悩みを解消し、納得する選択を後押しする前後編企画。
前編では、人事・採用コンサルティングを行う曽和利光さんに業界研究の上手な進め方を聞きつつ、業界情報を集める際に役立つ記事を紹介した。
曽和さんは、前編で解説した以下の3ステップを実践することで、職業研究でも自分の志向に合った仕事を見つけることができるという。
そこで本記事では、ステップ3の「知ることで好きになっていく」の参考情報として、学生人気の高い5職種のロールモデルがJobPicksに投稿した経験談を紹介。
合わせて、現役社員&経験者が推薦する仕事理解を促す必読本も紹介していくのでチェックしてみよう(注:ロールモデルの所属・肩書は、全て本人が投稿した時点の情報)。
まず、職業研究で持っておきたい視点を曽和さんに聞いたところ、「会社の勝ち負けを決めるKFS(Key Factor For Success)となる職種を見極める」のがポイントの一つになるという。
企業の屋台骨を支える職種は当然ながら仕事の質が高く、会社の投資が集まるため個人の成長も実現しやすくなるのが理由だ。
このアドバイスで重要なのは、同じ職業でも会社によって入社後に得られるものが異なるという点。
「例えば同じ営業職でも、営業利益率が50%台という驚異的な実績で有名な機器メーカー『キーエンス』の営業パーソンと、他企業の営業パーソンでは、仕事のプロセスも入社後に受けられる教育も大きく異なります」
他にも、優れたマーケティング施策で知られるP&Gのマーケターと、他企業のマーケターでは、社内での立ち位置が異なるだろう。
だからこそ、各職業の仕事内容を調べるのと同時に、興味のある職業で「どんな会社なら中心的な役割を担えるのか」も把握するのが大切になる。
各社のKFSを支える仕事を見極めるには、採用ページでどの職種の情報が充実しているかをチェックするのがいいと曽和さんは言う。
職業別の採用説明会があるなら、経営者が出てくるほど採用に力を入れているかも確認してみよう。OB・OG訪問で直接「御社の花形職種は?」「社員教育に投資が集まっている職種は何か?」と聞いてみるのもおすすめだ。
こうして応募したい企業のKFSを意識することで、面接でも具体的な自己PRができるようになる。
では、実際、各職種の働き方はどのようなものなのか。ここからは、5つの職種についてJobPicksのロールモデルが投稿した経験談と、職業理解を深めるおすすめ本を紹介していく。
1. 顧客ニーズに応える「マーケティング職種」の仕事内容