【北野唯我】大学では教えてくれない「ビジネスの教え」

【北野唯我】大学では教えてくれない「ビジネスの教え」

    目次

    • 生意気だった過去の自分に向けて
    • 信頼される若手の共通点
    • リモートワークを言い訳にしない
    • 20代を誰と過ごすか?

    3月に入り、21卒として就職活動をした学生の入社が近づいている。入社を間近に控えた内定者は、不安と緊張、そして残りわずかな学生生活に後ろ髪を引かれながら、着々と入社準備を進めていることだろう。



    内定者の皆さんは、今年1月にKindle限定で発売開始された書籍『内定者への手紙』をご存知だろうか。


     

    本書は若手ビジネスパーソンが持つべきビジネススキルを集約したもので、リリースから6週間でダウンロード数が1.2万を突破した。

     


    著書であるIT企業役員で作家の北野唯我さんは、どのような思いで本書を上梓したのだろうか。

     


    執筆の裏にある背景と、語られた内容について、独占取材を敢行した。

    【北野唯我】大学では教えてくれない「ビジネスの教え」_02
    北野 唯我(きたの ゆいが)さん/著述家・ワンキャリア取締役兵庫県出身。就職氷河期に博報堂へ入社。ボストンコンサルティンググループを経て、2016年、ワンキャリアに参画、現在、取締役。著書に『転職の思考法』『オープネス』(ダイヤモンド社)、『天才を殺す凡人』(日本経済新聞出版社)、『分断を生むエジソン』(講談社)『これからの生き方。』(世界文化社)がある。最新作『内定者への手紙』はシリーズは累計1万ダウンロードを突破。

    生意気だった過去の自分に向けて


    —— 『内定者への手紙』は、誰のために、どのような目的で書いた本なのでしょうか?


    北野:本のタイトルに「内定者」というキーワードが入っていますが、内定者だけに向けたお話ではありません。


    新入社員をはじめとする若手社員にむけ、社会人として持つべきノウハウや考え方を伝えようと筆を執りました。


    ではなぜ、『内定者への手紙』というタイトルをつけたのか。


    自社に21卒として入ってくる新入社員の目をみたときに、「彼らに自分が学んできたものを全て教えてあげなくてはいけない」という使命感を抱いたからです。


    若いときは誰しも、上司や先輩に対するちょっとした反抗心を持っているもの。


    私自身、昔は先輩や上司から言われたことを右か左へ聞き流す生意気な若手社員でした。


    だからこそ、「あのときこうしておくべきだった」という反省も含め、みなさんにお伝えしたいことを一冊の本としてまとめました。


    —— 本の内容について、教えてください。


    北野:本書は、連載企画として計5回にわたり配信する予定です。


    第1巻のテーマは『「仕事が遅い人」と呼ばれないための、10のチェックリスト』でした。

    【北野唯我】大学では教えてくれない「ビジネスの教え」_03
    ※10個のチェックリストの中から、取材で触れた項目を抜粋

    続く第2巻は『TOP1%に近付く最強の文章化術』で、2月にリリースしました。ありがたいことに、現在は累計1万ダウンロードを突破しています。



    信頼される若手の共通点

    【北野唯我】大学では教えてくれない「ビジネスの教え」_04
    北野さんは「内定者への手紙」を学生に負担のない金額で提供することにこだわり、250円にしたという。

    —— 本の中に「“いい会社に入る”ではなく、“いい会社をつくる”という気持ちが大切である」との話がありましたが、実際に会社に入ると、そもそもチーム全体の士気が低い場合もありそうです。


    北野:もちろんそうしたこともあるでしょう。


    その場合、いきなり「私が会社を変えてやる」と息巻くのではなく、自分や自分の身の周りの環境を改善することから始めるべきです。


    いきなり会社全体を変えることは現実的ではないので、まずは周囲に受け入れてもらう必要があります。


    「自分の仕事の精度を上げることでチームメンバーとの関係を整え、その上で部署の環境を整える」など、少しずつ輪を広げていくイメージです。


    —— 若手社員がチーム全体を巻き込んでいくには、まずは身近な先輩や上司の手助けが必要だと思います。先輩や上司が思わず助けてあげたくなる若手社員の特徴を教えてください。


    北野:助けてあげたくなる若手社員には、2つの特徴があります。


    1つ目はやはり素直な人です。


    先輩や上司も人間ですから、自分のアドバイスを聞き入れてもらえなければ「この子には教えてあげなくていいや」と思ってしまいます。


    ときには複数人の先輩や上司から、それぞれ異なるアドバイスをもらうかもしれません。もらったアドバイスが、どうしても自分に合わないこともあるでしょう。


    それでも、信頼関係構築のため、一度は実践してみるべきだと思います。自分の仕事のやり方は、その後に少しずつ決めていけばいいのです。


    2つ目は、本書にも記した「タイミングの法則」を守っている人。


    すなわち、「3つのすぐ」=「すぐやる」「すぐ出す」「すぐ答える」を心がけている人です。


    「タイミングの法則」は意識さえすれば誰にでも実行できることですし、若手社員がベテラン社員と張り合える数少ない要素です。


    —— とはいえ、ときには能力的に難しい仕事が回ってくることや、仕事を引き受ける余裕がない場合もあると思います。


    北野:そういうときは、上司が皆さんの仕事を把握しきれていない可能性が高いです。


    上司が納得できる説明とともに、「能力的に難しい」、もしくは「リソース的に厳しい」ことを正直に伝えましょう。


    その際、どのように伝えるべきかは、5秒だけ上司の立場に立てば自ずと見えてきます。


    皆さんも、自分が何かを頼んだ相手に速攻で「無理です!」と突っぱねられたら良い気持ちはしませんよね。


    つまりそれは「コミュニケーションの問題」なのです。


    また、仕事を引き受ける際には「一貫性」も重要です。


    スピード感やキャパシティのムラは不信感につながり、「仕事を頼みづらい」と思われてしまいます。



    リモートワークを言い訳にしない

    【北野唯我】大学では教えてくれない「ビジネスの教え」_05

    —— ところで、コロナウイルスの影響で最近は在宅ワークが主流となっている企業も増えました。今年の新入社員は、周囲とのコミュニケーション方法や仕事の覚え方において、例年とは異なる部分がありそうです。


    北野:新入社員が例年受けていた「ふとした瞬間のフィードバック」がもらえなくなることは、認識しておいた方がいいですね。


    従来であれば、例えば新入社員が電話対応している様子を見た際に、「今の言い方は直した方がいいよ」など、細かいアドバイスができました。


    新入社員側も、先輩や上司の仕事の仕方を、自分の目で見て真似ることができました。


    しかしリモートワークの場合はお互いの働いている様子が見えないので、間違いを指摘してもらえる機会が圧倒的に少ないのです。


    ですから、自分から意図的にフィードバックをもらいにいく時間をつくる必要があると思います。


    —— 書籍内で語られている「Help Needed構文の3つの事前準備」の出番ですね。

    【北野唯我】大学では教えてくれない「ビジネスの教え」_06

    北野:その通りです。上司は皆さんが何に困っているのか、そもそも困っているのかどうかも分かりません。


    ですから、大前提として「Help」を出すことは、皆さんだけでなく上司にとっても必要なことです。


    ただし、時間を割いてもらう立場として、最低限の配慮は必要です。上司の都合のいいタイミングを見計らい、事前に質問をまとめてから話しかけましょう。


    「この仕事のやり方は誰にも指摘はされないけど、本当にこれで合っているのかな」程度の些細な疑問でも構いません。


    私の部下をみていても「今の北野さんの『いいよ』は、『まあまあいいよ』くらいの意味でしたよね? 何か思っていることがあるなら、教えてくださいよ」と突っ込んで聞いてくる社員は、成長も早いです。


    また、先輩や上司の“will(=今後どうしていきたいか)”を聞くのもおすすめです。


    「チームやプロジェクトの今後の展望」と「その上で自分に期待していること」を教えてもらうのです。


    普段の業務では発生しない、一段上のフィードバックをもらうことができます。



    20代を誰と過ごすか?

    【北野唯我】大学では教えてくれない「ビジネスの教え」_07

    —— 最後に、本書を執筆したきっかけである「内定者」に向けたアドバイスをお願いします。


    北野:通常、就職活動を終えてから入社するまでは半年〜1年ほどの猶予があります。


    私は、この期間「何かに熱中する時間」に充てるべきだと思っています。


    特定のスキルを深めたり、特定の分野の理解を高めたりすることは、今後の人生の選択肢を広げます。


    社会人になると、学生時代ほどまとまった時間をとれる機会はないので、今ある時間を存分に活かしてほしいです。


    また入社後は、「身近な5人の平均が自分の姿」という言葉を胸に留めて社会人生活を送ってほしいです。


    20代を誰と過ごすかが将来の自分を決めると思って、ぜひ「将来こんな人になりたい」と思える人と行動を共にしてください。



    【業界分析】あなたの市場価値を最大にする、会社の選び方
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    取材:佐藤留美・倉益璃子、構成:倉益璃子、編集:オバラミツフミ、撮影:竹井俊晴

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