「社会人として働く」ということは、いわば“大人としての人生”の幕が上がることを意味する。
その先に待っているのは、これまでの人生で経験したことのない苦悩や葛藤、そして想像を超える楽しさだ。
しかし働く以前に、社会人のリアルな声を聞く機会は多くない。それゆえ、働くことにネガティブな印象を持ってしまう人もいる。
本連載「#就活生のあなたへ」では、社会人として働く“等身大のロールモデル”たちが自身のキャリアを振り返り、学生の皆さんが「天職をつかむ」ためのヒントを届けていく。
エイベックス・エンタテインメント(以下、エイベックス)で働く西木沙織さんは、SNSプロモーションやデジタル視点での新人発掘を担当する入社3年目の社会人。
「エンタメ業界で働く」という幼い頃からの夢を叶えられたのは、「誰にでもできることを、誰よりも頑張ったから」だそう。
インスタグラムで英語を学び、アルバイトから経営を学ぶ——。目の前にある選択肢で非凡な努力を積み重ねた彼女の学生生活に焦点を当て、“理想を現実にする就活”を紐といていく。

エイベックス・エンタテインメント デジタルマーケティンググループ 西木沙織さん
—— 西木さんがエンタメ業界に興味を持つようになったきっかけについて、教えてください。
小学校6年生の頃に、人気テレビ番組『めちゃ×2イケてるッ!』で、MCの岡村隆史さんとアーティストのEXILEがコラボレーションした「オカザイル」企画を観たことが全てのはじまりでした。
岡村さんが突如ライブに姿を現すと、会場は大熱狂。笑いあり、感動ありのステージでした。もちろん私も、テレビの前で大いに熱狂しました。
でもそれ以上に心を奪われたのが、EXILEが「自分たちで事務所を経営しながらアーティスト活動をしている」ということです。
番組では、EXILEの歴史と信念、アーティストと事務所が一緒になって目指す未来についても触れられており、とても衝撃的でした。
その日から、私の夢は「エンターテイメントを通じて感動を届けること」になりました。12歳からずっと、エンタメ業界で働くことを志してきたのです。
—— 早くから現在のキャリアを描いていたんですね。夢を叶えるために、どのような準備をしていたのでしょうか?
高校も「エンタメ業界につながる経験が得られるか」で進学先を選びました。
文化祭が楽しかったり、生徒主体の校風だったり、自分たちで学校生活を充実させられる「自由度の高さ」を最優先に考えたのです。
大学は、LDH JAPAN(EXILEの所属事務所)やそのルーツとなったエイベックスが海外進出に注力していると知り、自分に足りない「経営と英語を学びたい」という軸で選びました。
進学した産業能率大学は、その軸に当てはまっていました。小さな大学なのですが、座学で学んだ経営知識を実践するために、地域の商店街とコラボレーションしたり、アーティストプロモーションが学べたりと、オリジナルな授業があるのです。