「社会人として働く」ということは、いわば“大人としての人生”の幕が上がるということ。これまでの人生で経験したことのない苦悩や葛藤、想像を超える楽しさが待ち受けている。
しかし、社会人として働く以前に、社会人のリアルな声を聞く機会は多くない。それゆえ、働くことにネガティブな印象を持ってしまう人もいる。
本連載「#就活中のあなたへ」では、社会人として働く“等身大のロールモデル”たちが自身のキャリアを振り返り、学生の皆さんが「天職をつかむ」ためのヒントを届けていく。
LINEで働く大嶋泰斗さんは、「自社商品・サービスを成長させることを責務に、プロジェクト全体を統括する」プロダクトマネージャーを、入社1年目から任されている。
「メリハリのない大学生活を送る自分に焦っていた」という大嶋さんは、いかにしてキャリアを切り開いたのか。就職に至るエピソードから、プロダクトマネージャー1年目の苦労まで、余すところなく語ってもらった。
—— 現在、LINEでプロダクトマネージャーをしていると聞きました。ファーストキャリアにLINEを選んだのは、どのような理由からでしょうか?
大嶋:プロダクトのグロースハック(ユーザーから得たデータを分析し、改善を繰り返しながらサービスを成長させていくマーケティング手法)に興味を抱いたことが、きっかけです。
複数社の長期インターンに参加し、実際に働いたことで、自分がどんなことに興味があり、どのような武器を持っているのかが見えてきました。その過程で会社選びの軸を見つけることもでき、LINEへの入社を決めました。
—— 興味関心、そして自分の武器を見つけていった過程について、具体的に教えてください。
大嶋:そもそも長期インターンに参加しようと思ったのは、「メリハリのない大学生活を送っていた」という焦りからです。
「英語が好き」という理由で獨協大学の英語科に入学したのですが、勉強はするものの没頭できず、学内の環境で打ち込めることを探すのには限界を感じ、学外に成長環境を求めて長期インターンに応募しました。
入学から半年間、猛勉強していたこともあり、自信のあった英語の成績は学年上位。TOEICで850点以上点数を記録していたこともあり、「きっと受かるはずだ」という自信もありました。
ただ、そう簡単にはいきませんでした。当時長期インターンに参加していた学生は、いわゆる難関校の学生たちが中心です。
つまり、英語がそもそも武器にならなかったのです。
また、「なぜ長期インターンに参加するのか」「どんなことがやりたいのか」という目的がないために、僕には採用される理由がありませんでした。
10社近く“お見送り”された後、やっと内定をもらった会社でも、価値提供をすることができず、自信をなくして自分から退職を申し出ました。
武器というと大げさかもしれませんが、提供できる価値がなければ、働く資格がないことを知ったのがこのときです。
—— それから「提供できる価値」を身に付けるための挑戦がはじまったのですか?
大嶋:その通りです。当時の僕にある提供できる価値は、時間だけ。
まずは時間を提供することで、より大きな価値提供ができる人材になる。そうやって成長していくことが、学生生活の目標の一つになりました。