収入源を増やすため、自己成長のため、空いた時間を活用するため── 。
副業に取り組む理由は人によってさまざまだが、実りある副業ライフを送るには、最低限押さえておきたいルールがある。
「普通の会社員でも、『3つの掟』さえ押さえれば、副業で十分な収入が得られます」
こう語るのは、累計17万部のベストセラー『アウトルック最速仕事術』や、『脱マウス最速仕事術』著者の森新(もり・あらた)さんだ。大手飲料メーカーに勤めながら、ビジネスパーソン向けに生産性向上のノウハウ発信を行う「プロ副業家」として知られる。
どうすれば、サステナブルに副業を続けられるのか。
新刊『普通の会社員のための超副業力』を上梓する森さんに、そのヒントを余すところなく教えてもらった。
森 今でこそ、こうして副業をテーマにインタビューを受けていますが、3年前までごく普通の会社員でした。
新卒で大手飲料メーカーに就職し、3年間の営業を経て、人事部に異動。今は、新規事業の部署で、フルタイムの正社員として働いています。
そんな私が、なぜ副業で本業の倍の収入を得ているのか。きっかけは、「本業で編み出した仕事の効率化のメソッドを、社外の人にも伝えたい」という、極めてシンプルな動機でした。
仕事の効率化といっても、エクセルやパワーポイントのスキルではありません。
私がテーマにしているのは、「アウトルック」。Gmailを抑えて、日本で最も利用企業が多いと言われているメールソフトです。
意外に思われるかもしれませんが、メールがデスクワークに占める時間は実はとても多い。エクセルやパワーポイントをはるかに上回る、年間500時間です。
アウトルックが時短のカギになると発見したのは、人事部で働き方改革担当になったときのこと。
いろんな社員の作業画面を一日中観察していると、想像以上にメールに使っている時間が多く、無駄な作業にあふれていると気づきました。
たとえば、メールの「フォルダ分け」。目当てのメールを探しやすくするために、取引先ごとにフォルダを分けている人も多いでしょう。
ですが、このフォルダ分けには、あまり意味がありません。
というのも、検索機能を使えば一発でメールを探せるからです。むしろフォルダ分けによって無駄なフォルダの行き来が増え、フォルダに分類できないメールへの対応コストも奪われてしまいます。
他にも、10個のショートカットキーを覚える、画面設定をカスタマイズするなど、少しのテクニックで、簡単に時短ができるのに、なかなか知られていない。
そこで、自分で手を動かしながらアウトルックの時短術を体系化し、仕事の合間で社内向けセミナーを始めました。
これが予想以上の反響で、社内のさまざまな部署・チームからセミナーの依頼が来るように。回を重ねるうちに、90分ほどの内容で、年間100時間、うまくいけば200時間ほどの時短になるとわかりました。
現在は、社外のビジネスパーソン向けにセミナーを行ったり、SNSで情報発信をしたりしています。大手企業を中心に50社ほどの法人にも講師としてお声がけいただいていて、「アウトルック時短」の浸透にやりがいを感じています。