就職活動で必ず行うOB・OG訪問。先輩の声を聞く機会は貴重だが、訪問できる数には限りがあり、仕事の苦労など本当に知りたい実情を初見で聞くのも難しい。
そこで本連載では、JobPicks編集部が就活生に代わり、さまざまな企業の先輩たちに等身大の体験談を取材。読者にOB・OG訪問の「擬似体験」を提供する。
今回話を聞いたのは、飲料メーカー・アサヒ飲料の猪股真理子(いのまた まりこ)さん。
就活・仕事選びで悩んだことや失敗体験、部署異動後の苦労、今の仕事に慣れるまでの経緯を聞きながら、それらをどう乗り越えてやりがいを手に入れたのかを探る。
—— 猪股さんは現在、アサヒ飲料でラベルレスボトルのマーケティングに携わっていると聞きました。アサヒ飲料に入社した理由を教えてください。
「日常に小さな幸せを届けたい」という思いが実現できる企業だと感じたからです。
きっかけとなったのは、学生時代に「引っ込み思案な性格を変えたい」と思い挑戦したビールの売り子のアルバイトでした。
せっかくやるなら売り上げトップを狙おうと思った私は、多くの顧客を獲得するために「どうすればお客様に喜んでもらえるか」を必死に考え、試行錯誤を重ねました。
その結果、努力が実って新人の中で売り上げ1位となり、新人賞をいただくことができたんです。
この経験で自分自身も成長できたうえ、日常のふとした場面で誰かに「ちょっと嬉しいな」と思ってもらえることで、自分が喜びを感じることにも気づきました。それで、「誰かの日常に幸せを添えること」を軸に就職活動をすることにしたのです。
食品メーカーからハウスメーカー、デベロッパーなどさまざまな業界を検討しましたが、「アサヒ飲料が自分の思いを最も実現しやすい企業だ」と感じました。
—— アサヒ飲料のどのようなところに魅力を感じたのでしょうか?
飲料は子どもからお年寄りまで幅広い世代にアプローチできるうえ、アサヒ飲料は多くのロングセラー商品を抱えているからです。
また、カルチャーフィットも入社を後押しした大きな要因です。
というのも、業界理解を深めるため、周囲の就活生に人気だった金融系の企業や保険会社も見ていたのですが、実際の仕事内容が自分にとってはイメージしづらく、社員の雰囲気もどこか自分とは違うような気がしたんです。
このような経験もあり、「長く働くのであれば企業の雰囲気も大切だ」と考えた私は、実際に社員の声をたくさん聞くように心がけました。
就職活動を通じて多くの企業の方とお会いしましたが、アサヒ飲料は実際に話したどの社員も活気に満ちて溌剌としていたため、「こんな人たちとなら、楽しく働けそうだ」と感じました。