【moto】「10年で年収を50倍」にしたサラリーマンが語る、無理なく市場価値を上げる方法

【moto】「10年で年収を50倍」にしたサラリーマンが語る、無理なく市場価値を上げる方法

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地元のホームセンターからキャリアをスタートし、“転職と副業のかけ算”によって年収1億円を稼ぐ異色のビジネスパーソン・motoさん。

SNSを中心に「転職のカリスマ」として支持されているmoto氏は、「就職活動は、大学受験ではない」と、ファーストキャリアの選択に強いこだわりを持つ。


なぜmotoさんは、自身のファーストキャリアに「地元のホームセンター」を選んだのか。新卒社会人が描くべきキャリアパスについて話を聞いた。


目次

環境ではなく、どう働くか

—— motoさんの社会人キャリアは、「ホームセンターのレジ打ちからはじまった」と聞いています。そもそも、なぜホームセンターをファーストキャリアに選んだのですか?


moto 「自分のキャリアを自分でコントロールしたい」と考えていたからです。


長野県にある綿半ホームエイドという会社に新卒で入社したのですが、もともとは都内の大手IT企業に絞って就職活動をしていました。ありがたいことにいくつか内定をいただきましたが、どの会社も「総合職」での採用でした。


総合職は入社する4月1日まで、営業職に就くのか、マーケ職なのか、あるいは人事なのか、自分がどの職種に就くのかわかりません。また働く場所も、全国に支社がある会社になると、東京に限らず、北海道や沖縄になる可能性もある。


僕は当時、「30歳までに給与で年収1千万円を稼ぐ」という目標があったので、そこに至るまでの道筋を自分で描けないことに、なんとなく違和感を抱いていました。


では、どうすればいいか。僕の結論は、「自分が成果を出しやすい環境で、転職という手段を通じて自分のキャリアをコントロールしていく」というものでした。


大手企業の内定先で面接をしてくれた部長クラスの人材の経歴を見ても、その多くが新卒入社ではなく転職者であったことも、この意思決定の後押しになりました。

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(Photo : iStock / Kwangmoozaa)

—— ホームセンターであれば、自分でキャリアをコントロールしつつ、実績を上げる自信があったのですね。


moto 根拠のない自信がありました。就職したホームセンターは、日頃から自分がユーザーとして利用していたため、「もっとこうすればいいのでは?」と思う点が多々あったのです。


また、そこでアルバイトをしている友人からも話を聞いていたこともあり、社内の雰囲気もわかっていました。ユーザーとして思うことを面接で社長に直接伝えたところ「それならやってみてよ」ということで、入社を決めています。


自分の給料を上げるには、店舗の売り上げと利益、ひいてはグループ全体の売り上げや利益に貢献することが第一です。給与の評価制度はあるものの、その元手となるお金を稼ぐことが大切です。


入社したホームセンターは「一部門一経営」という方針だったこともあり、新卒であっても売り場を任され、自部門に関するPLやBSを管理させてもらえる環境だったので、僕にとって最適なファーストキャリアになると考えました。


—— ホームセンターでは、具体的にどのような業務に従事されたのでしょうか?


moto 最初の業務はレジ打ちでしたね。商品のバーコードを読み取る「チェッカー」と、商品を袋に詰める「サッカー」の仕事をしていました。


誰にでもできる単純作業かつ、学生のアルバイトも多い環境であったため、“馴れ合いの空気感”が出てしまうこともありましたが、常に「店舗の売り上げに、どう貢献するか?」ということを考えていました。


「小売商売において、レジ打ちという業務がどのような意味を持つのか」を自分なりに考え、来店するお客さんが持っている買い物袋はどこのお店が多いかや、お客さんの待ち時間を短くする工夫、もっと手前のところでは、お釣りの金額を間違えないための仕組み作りなどをしていました。

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(Photo : iStock / Taechit Taechamanodom)

小さなことですが、そのどれもが利益に直結するものです。小売りは利益率が低いため、お釣りひとつの存在も大切にするようにしていました。


—— なによりも「売り上げに貢献する」ことを意識されていたのですね。レジ打ち業務以外にも、貢献実感を得たエピソードはありますか?


moto 自分の「ミス」を「機会」に変えていたことです。


催事の担当としてバレンタインや花火、クリスマスや正月飾りなどの売り場の担当をしていたのですが、ある年にお正月商品である「しめ縄」を誤って本来の10倍の発注をしてしまったことがありました。


正月用品は限られた期間で最大の売り上げをつくりつつ、12月31日の夕方に在庫をゼロにしなければならないため、前年の数字やメーカー在庫を確認しながら慎重かつ大胆に発注していきます。


しかし発注をする際に、初歩的なミスでゼロを一つ多く入力してしまったのです。年末でメーカーが休みであったため「この発注数、本当に大丈夫ですか?」という確認も入らず、入荷して初めてミスが発覚しました。


大量のしめ縄を目の前に「これはどうしたものか……」と呆然としました(笑)。ただでさえ年末で物量が多いため、倉庫スペースにも支障が出てしまうし、売れる時期に売れる商品を返品するなんて悠長なこともできない。


「各所に謝る時間があるなら、少しでもお金にしたほうがいい」——。そう考えて、お店の駐車場の一角にしめ縄売り場を展開し、誤発注した全ての「しめ縄」を売り切る作戦に出ました。


もちろん、店長の許可はもらっていません(笑)。「絶対に怒られるだろうな」と思っていましたが、同時に「在庫を全て売り切ってしまえば、売り上げの数字だけが残る」とも思っていました。


正月の必需品を店舗の外で派手に並べたことで、お客さんの目を引くことができ、無事に完売することができました。

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(Photo : iStock / nikoniko_happy)

—— ミスを犯した状況に立ち尽くすのではなく、なにができるのかを考えたのですね。「売り上げに貢献する」という意識は、どのように形成されたのでしょうか?


moto 入社以前から考えていたことですが、実際に働くことでこの意識をより強く持つようになりました。


同じ会社で働く先輩社員を見ていると、同じ40歳の社員でも品出しだけをしている人もいれば、大きな予算を持って商品の買い付けをする人や、店舗の出店計画を練る人もいる。


良い悪いという話ではなく、働くなかで「入社から同じ環境で同じだけの時間を過ごしているのに、どのようにしてキャリアに違いが出てくるのか?」という点が気になるようになりました。


このキャリアの違いは、「任された仕事だけをこなしているのか、任された仕事の意味を自分で考えて行動したか」によって生まれたものなのではないかと思います。


仕事のモチベーションの源を、自分の中に持てるかどうか——。同じ環境で同じ時間働いていても、「どう働くか」で結果は大きく異なるのだと気が付いてから、より売り上げに貢献する意識を持つようになりました。


仕事を作業にするか、作業を仕事にするかは自分次第。それがキャリアに反映され、年収にもつながるのだと思います。

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(Photo : iStock / takasuu)

応援者をつくる仕事術

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