JobPicks Voice
「みんなでつくる仕事図鑑」JobPicksは、さまざまな職業のロールモデルが投稿してくれたリアルな経験談を多数掲載している。本連載では、その投稿内容を参考に、仕事や就職・転職の悩みを解消するヒントを探っていく。今回は、就職で不利と言われることの多い「文学部」出身者のキャリア研究だ。
JobPicks Voice
「みんなでつくる仕事図鑑」JobPicksは、さまざまな職業のロールモデルが投稿してくれたリアルな経験談を多数掲載している。本連載では、その投稿内容を参考に、仕事や就職・転職の悩みを解消するヒントを探っていく。今回は、就職で不利と言われることの多い「文学部」出身者のキャリア研究だ。
「文学部は就活で不利」
就職活動の時期が近づくと、学部生の間でまことしやかにささやかれるこの言葉は、文学部の学生を長年不安にさせてきた。
真偽をデータで見てみよう。大学生の進路を長年調査してきた大学通信が、昨年8月に発表した「2020年 学部系統別実就職率ランキング」によると、就職率が90%を超える学部系統は
家政・生活・栄養系:93.5%
看護・保健・医療系:92.9%
理工系:92.4%
農学系:91.6%
福祉系:90.8%
商・経営系:90.2%
だった。対して、学部別で「文・人文・外国語系」に分類される学生の就職率は86.9%。
就活で有利か不利かを断言できるほど大きな差とは言えないが、仕事につながる専門知識を学ぶ他学部に比べると、確かに就職率は低い。
この背景には、いくつかの要因があるとされる。
就職状況の長期的な変化としては、文学部卒の主な進路の一つだった「教員」や「公務員」で、特に教員に採用される新規学卒者の割合が減っているという事実がある(参照記事)。
これは少子化の影響だ。教員免許を取得しても、就職先となる学校が見つかりにくいという傾向は、今後より拍車がかかるだろう。
また最近は、AIのような最新テクノロジーが、営業や士業など「文系職種」と呼ばれる仕事を奪うという未来予想も、企業の採用計画に影響を与えている。
ただし、文学部にいる就活生は、過度に不安がる必要はない。上の記事でも説明してある通り、これは「文系は不利」「理工系が有利」という単純な話ではないからだ。
実際に、東京大学大学院情報学環の教授・吉見俊哉さんは、「新たな価値やイノベーションを生み出すのに文系の知は不可欠であり、文系の素養がない理系は、どこかで行き詰まる」と指摘している。
では、文学部を卒業して社会に出た先輩たちは、現在のビジネスシーンでどんな仕事をし、どんなキャリアを築いているのか。
JobPicksのロールモデルで「文学部」の卒業生たちをピックアップして、就職した後のキャリアパターンを見ていこう(注:ロールモデルの所属・肩書は、全て本人が投稿した時点の情報)。
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