「泥臭い」といったイメージから、「なりたくない職業」「就かせたくない職業」として名前が挙がることもある営業職。
しかし、キーエンス出身で、2度の転職を経て営業コンサルを行うBuffの事業責任者となった野村幸裕(のむら ゆきひろ)さんは、「営業は先々のキャリアが広がりやすく、ファーストキャリアにお勧めの仕事です」と語る。
営業職を通して得られるスキルから、スキルが身につく会社の選び方まで、現役営業パーソンに仕事の本質を聞いた。
「泥臭い」といったイメージから、「なりたくない職業」「就かせたくない職業」として名前が挙がることもある営業職。
しかし、キーエンス出身で、2度の転職を経て営業コンサルを行うBuffの事業責任者となった野村幸裕(のむら ゆきひろ)さんは、「営業は先々のキャリアが広がりやすく、ファーストキャリアにお勧めの仕事です」と語る。
営業職を通して得られるスキルから、スキルが身につく会社の選び方まで、現役営業パーソンに仕事の本質を聞いた。
そうした側面も少なからずありますが、新卒から法人営業職を担当してきた私からすると、やや誤解があると思います。
営業職の役割は、まず会社の売上をつくることです。
売上をつくるために必要なことは、自社の商品やサービスを購入・契約してもらうために、顧客のニーズを理解し、課題を解決することです。
また、どの顧客に、どのタイミングで提供するかによっても商品の価値は異なります。つまり、たとえ同じ商品でも、営業活動によって価値が変わると把握しなければなりません。
もし現状のサービスで契約に至らないのであれば、ヒアリングを通して「どのような機能があれば顧客の課題を解決できるのか」を詳細に突き止め、その情報を製品開発にフィードバックする役割も求められます。
顧客によって問題や悩みの種類はさまざまですから、それを特定するのは簡単なことではありません。
柔軟に課題を特定し、解決していくプロセスは泥臭いものですが、むしろクリエーティブと表現するのが正しいと思っています。
「顧客の前でペコペコする」「とにかくテレアポをして新規開拓営業の商談を獲得する」といったイメージを持たれているのであれば、きっと前時代的な営業方法や営業形態の印象が強く残っているのでしょう。
営業の現場も進化しており、クリエーティブで付加価値の高い営業手法をしている会社は多数存在します。
その通りです。
私が定義している営業職とは、自社サービスを用いて顧客の課題解決をし、その結果として成約を通じた売上をつくっていく仕事であり、その意味合いではISもCSも営業職だと考えています。
ISは、マーケティングが獲得したリード(見込み客)のニーズを明らかにし、FSに引き継ぐ役割を担っています。顧客と長期的な関係性を築き、適切なタイミングでアプローチする、クリエーティブな仕事です。
FSは、商談を通して顧客に中長期的な利益創出をイメージさせ、自社の商品やサービスを購入・契約してもらう仕事です。顧客が抱える本質的な課題を掘り起こす、営業職の中でも非常に難度の高い役割を担うのが特徴です。
CSは、顧客に伴走しながら課題を解決し続け、顧客と自社の利益を上げ続けるのがミッションです。サポート対応のイメージを持たれがちですが、顧客のLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の最大化を実現する、営業職の中でもかなり大切なポジションです。
たしかに役割は異なりますが、「正しく課題を導き出し、それを解決する提案をしていく」という意味で、業務の目的は通底しています。
営業職は一般的に“根性論の仕事”と誤解されがちですが、気合いだけでなんとかなるようなものではなく、非常に難度の高い仕事なのです。
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