さまざまな業界で活躍する先輩たち、22歳だったらどんなキャリアを選ぶのか——。
連載「いま22歳だったら」では、キャリアのスタートライン=22歳に戻ったとしたら、どんな企業で働き、どんなスキルを習得したいかを聞いていく。
スタートアップを中心に、幅広い企業のマーケティングを支援する中川亮(なかがわ りょう)さんは、「いま22歳に戻ったら、マーケターになるというマインドセットを排除する」と語る。
「スキルよりも思考」「全ては課題から始まる」といったキーワードをひも解き、マーケターを目指す若者が身に付けるべき素養を探っていく。
—— これまでの経験を踏まえ、もし22歳に戻れるとしたら、どのようなキャリアを選びますか?
自分が得意とするマーケティングを主戦領域としてキャリアを形成すると思いますが、まずは「マーケターになる」というマインドセットを排除することから始めます。
ビジネスは、何かしらの課題を解決する人たちによって構成されています。
大きく分ければ、プロダクトをつくる人と、そのプロダクトの価値を伝達する人になります。
マーケターが該当するのは後者であり、向き合っている課題から結果的にマーケターとしてカテゴライズされているだけに過ぎません。
大前提として課題解決が役割ですから、特定の技能習得にこだわらず、「課題を特定して、適切な施策を導くこと」に注力すると思います。
たとえマーケターとしてアサインされたとしても、エンジニアリングなど、課題解決へのアプローチをマーケティングスキルに限らず高めた方がいいのではないかと考えています。
—— 「マーケティングができるようになる」という思考は持たないと?
できるようになることを「マーケティング」に絞り込んでしまうのは、もったいないという感覚ですね。
マーケティングにおいて、スキルやノウハウは手段でしかなく、スキルの習得機会も課題解決を行う過程で生まれると考えています。
スキルを得ることを目的にするのではなく、まず課題と解決策を考え抜いて、その結果としてスキルが育つというマインドセットであるべきです。
スキルを高めたいと思ったときこそ、課題解決に向き合うようにするべきだと考えています。スキルを得る必要性が高まるほど、スキルの習得度合いも高まる実感があるので。