さまざまな業界で活躍する先輩たちは、22歳だったらどんなキャリアを選ぶのか——。
連載「いま22歳だったら」では、キャリアのスタートライン=22歳に戻ったとしたら、どんな企業で働き、どんなスキルを習得したいかを聞いていく。
第1回は、SNSマーケティング事業を手がけるFinTのCEO・大槻祐依(おおつき・ゆい)さんが登場。
21歳で学生起業。22歳当時はもちろん、26歳となった今でも、一貫して起業家としてキャリアを歩む大槻さんは、もし今22歳だったら一体どんな仕事を選ぶのか。
「実は、就職活動も精力的に行っていました」と明かす大槻さんに、当時のエピソードを交えて語ってもらった。
—— 大槻さんは学生時代に会社を創業しています。これまでの経験を踏まえ、もし22歳に戻れるとしたら、どのようなキャリアを選びますか?
まずは、自分が「心から好きだ」と思えることを探して、その「好きなこと」で起業します。
私は昔から、世の中に大きな影響を与える仕事がしたいと思っていたんです。
「起業家」という職業には、多くの人に影響を与えるチャンスがあります。
ですから、ファーストキャリアを考えるタイミングに戻ったとしても、また起業の道を選ぶと思います。
—— 「好きなこと」にこだわるのはなぜですか?
「好きじゃないこと」で事業を興して、結果を残せなかった苦い経験があるからです。
現在はInstagramの運用を軸にSNSマーケティング事業に取り組んでいますが、起業当初はフィンテック事業を運営していました。21歳の頃です。
若者向けのマネー系メディアと、給与の前払いサービスの事業を立ち上げたのですが、いずれも軌道に乗らず、1年もたたずにクローズしています。
うまくいかなかった理由はいろいろあるのですが、一番大きかったのは、そもそも私自身が「フィンテックに強い興味がなかった」からだと思います。
「ビジネスチャンスがあるかも」という理由で始めたがゆえに、事業への熱量も維持できず、苦しいタイミングで踏ん張ることができませんでした。
逆に、ピボット(方針転換)してつくった女性向けメディア「Sucle」は、立ち上げから順調に伸びました。
おかげさまで、現在は約65万フォロワーを有する、国内でも有数の“インスタメディア”に成長しています。
さらに、Sucleの運用で得たノウハウを生かして、企業のSNSマーケティングを支援するBtoB領域の事業もスタートしました。
当時の私に「今後はInstagramが成長するだろう」といった見立てがあったわけではありません。
時流に乗れたのは間違いありませんが、「おしゃれやファッションが好き」という自身のピュアな動機で立ち上げたことが、大きな成功要因だったと思っています。