【新潮流】GOプランナー、会社ではなく師匠を選ぶ働き方

【新潮流】GOプランナー、会社ではなく師匠を選ぶ働き方

2018年7月、黒く塗りつぶされた、公的文書のような広告が突如、国会議事堂前駅、霞ヶ関駅に現れた——。

アメリカの人気ラッパー、ケンドリック・ラマーの来日に合わせて掲出された広告は、Twitter上で瞬く間に広がった。

【新潮流】GOプランナー、会社ではなく師匠を選ぶ働き方_飯塚政博_00
国会議事堂前駅、霞ヶ関駅に掲出されたケンドリック・ラマーの来日広告

この広告を手がけたのが、The Breakthrough Company GOのコピーライター/プランナー飯塚政博(いいづか・まさひろ)さん。


2017年設立のGOの新卒第1期生だ。

弱冠24歳(当時)で一躍脚光を浴びたが、意外にも就職活動では、電通や博報堂など大手広告代理店を受けるも「全落ち」だったと振り返る。

「自分は世に、求められてないんじゃないか」とまで思い詰めた飯塚さんは、たまたま雑誌で見かけた、当時3人しかいないGOの門を叩き、インターンになった。


当初は、便所掃除までやったという。


就職活動でうまくいかなくとも、自分の才能を生かす仕事や場を見つけた飯塚さんに、就活で苦戦した人がいち早くリスタートを切るためのヒントを聞いた。

【新潮流】GOプランナー、会社ではなく師匠を選ぶ働き方_飯塚政博

目次

面接から逃げた


—— 現在、GOでコピーライター/プランナーとして活躍されていますが、就活では苦戦したそうですね。


企画を考える仕事がしたくて、特にラジオやテレビなどでのコンテンツ制作に興味があったため、まずはそこから受けましたが、軒並みダメでした。


面接やES(エントリーシート)を書くなど、就活の基本的なルールやセオリーをよく分かっていなかったのだと思います。


それどころか、面接官に張り合おうと「その質問の意図はなんですか?」なんて食ってかかったりして。


若い奴はこのくらい積極的なほうが生意気でかわいいと思われるのではないかと、勘違いしていました。姑息な考えですよね。

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—— それで選考の結果はどうでしたか?


全落ちしました。


しかも、1次だとか書類だとか初期段階で落とされがちでした。


めちゃめちゃ悲しくて、落ち込みました。僕は世に、求められてないんじゃないかと(笑)。


—— ちなみに、GOと同じ広告クリエイティブ業界の電通や博報堂は受けましたか?


受けました。電通は1次で、博報堂は2次のタイミングで面接から逃げました(笑)。


面接に落ちて落ち込む人は多いですが、僕なんて落ちるのが怖いからそもそも受けるのをやめようという始末です。


—— それで、GOとは出会いは?



僕は就活がうまくいかない上に、留年してて。


大学3年のときから、博報堂ケトル内の編集プロダクションでインターンをしていたのですが、卒業すると思ったので、それもすでに辞めていました。


そんな時に、たまたま独立系クリエイティブブティックの特集が組まれていた広告の雑誌「ブレーン」を読んだんです。


そこに、できたばかりのGOも掲載されていました。


その時期は、独立系のブティックがポコポコと出てきたタイミングで、中でも、GOが標榜する“事業クリエイティブ”という言葉を知って、面白そうだなと。


広告やPRを手がけるだけではなく、事業の上流から携われるという謳い文句が気になったので、門を叩いてみようと思いました。


もっとも、当時は事業クリエイティブが指す具体的な意味や、それの何が新しいのかまでは全然理解できていなかったのですが。


—— インターンの募集があったのでしょうか?

【新潮流】GOプランナー、会社ではなく師匠を選ぶ働き方

全くしていなくて、ホームページさえなかったと思います。多分、あったとしても「GO」と書いてあるだけで、何をクライアントに約束している会社なのかも分かりませんでした。



代表の三浦崇宏のことも、よく知らなかったくらいです。


三浦さんも博報堂の仕事をしていたことから、ケトルの人を通して「アルバイトを募集していませんかね?」と聞いてもらいました。


すると、「一回連絡をください」とメールが来たので、ここで直談判するしかないなと思って、履歴書を送りました。


そのあと、三浦さんから「面談しましょう」と連絡が来たのです。


—— 面談では、どのようなことを話したのですか?


まずはクリエイティブのテストの課題を2つ出されました。


1つがクリエイティブテストで、GOが抱えていた案件の企画を考えろというもの。


2つ目は、方法は自由でいいから、三浦さんに1本の映画を見させる、というものでした。


特に、後者には、頭を悩ませました。要は、企画で人を実際に動かせられるか、というポイントを求められていたのですが、僕が仕事としてやりたいのは言葉を起点に様々な企画を設計することだと伝えていたので、ストレートにコラムを書いて勝負しました。


結果的には、『ムーンライト』という映画を、当時アカデミー作品賞を争った『ラ・ラ・ランド』との比較も交えながら「下剋上物語」としての観点で紹介したところ、無事三浦さんに見てもらうことができました。


ところがそれで終わりだと思ったらさらに関門があって、「人間力テスト」というものを出されました。



ギャグみたいな話なんですけど、今週末に会社のバーベキューがあるからと、いきなりお金を渡されて、全部お前が仕切れと言われました(笑)。


さすがに理不尽すぎると思ったのですが、逆にそんな経験ないから面白がってみようと思って、必死に業者を調べて、なんとかケータリングや食材を集め、バーベキューを成功させました。



その後、そのままの流れでインターンとして働くことになりました。


師匠の思考プロセスが分かる

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