やりたい仕事がある。でも、忙しすぎてワークライフバランスが取れなくなるのは嫌だ。
就職や転職を考える時は、仕事内容だけでなく、激務かどうかも気になるもの。
同じ職業でも企業によって働き方が異なる上、繁忙期と閑散期の差が激しい仕事もあるが、自立的に生活と両立できるかは「仕事に就く前」に知りたいところだ。
ただ、これを事前に確かめるのは案外難しい。企業説明会や面接で先輩社員の仕事ぶりを聞く機会はあっても、その場で本当の実態を聞き出すのは困難だからだ。
そこで、今年4月23日に出版された書籍『JobPicks 未来が描ける仕事図鑑』では、22職種のビジネスパーソンに仕事のリアルを取材。
その内容と、総勢400人を超えるJobPicksのロールモデル(就労経験のある職業の経験談を投稿してくれたビジネスパーソン)から得たデータを基に、仕事の忙しさと自立実感に相関性があるのかを調べてみた。
ここでいう自立実感とは、JobPicksのロールモデルに「働く時間や場所、仕事のやり方を自分で決められるか?」を尋ね、回答を数値化したものだ。
1点が「全く決められない」で、5点が「自由に決められる」。JobPicksでは、この1〜5点の間でロールモデル各人が採点した平均値を職業別に開示している。
中でも自立実感が高い職業をピックアップしたところ、次のような結果となった。
各職業の回答人数が異なる上、統計学的に有意な数字ではないのを踏まえて見ても、いくつかの傾向を読み取ることができる。
まず注目したいのは、CEO(最高経営責任者)やCOO(最高執行責任者)が同率1位となっている点だ。
経営の仕事は、激務の代表格といっても過言ではない。ヒト・モノ・カネの全てに責任を持ち、起業したばかりのCEOなら土日・祝日も関係なく働くケースが多々ある。
しかし、これらは企業経営の最終決定権を持つ職業ゆえ、忙しさに反して自立実感は高くなるようだ。
CEOのロールモデルで、スキルマーケット「ココナラ」などを運営するココナラ代表取締役会長の南章行さんは、次のように語る。
この仕事をやっていて、眠れないほどしんどい瞬間はどんな時ですか?
実は、コントロールできる悩みはストレスにはならない
自分でコントロールできる悩みは、どうであれ自分で決めるだけなので、さほどストレスにはならない。シンプルに悩み、決める。
ただし、コントロールできないものについては、しんどい思いをすることがある。アンコトローラブルであることがストレスの正体なのだ。
その中でももっともキツイのが、お金の話と、社員の話。
投資家がOKと言わなければお金が集まらず、いつ会社が倒産するかわからない状態が続くことがある。自分が作ったプロダクト、その先にいるユ...
ーザーさん、そして社員の生活。それらが吹っ飛ぶのではないかという状況はキツイ。
また、社員が苦しんでいる瞬間を見るのもキツイ。前向きではない理由で会社を去っていくさまを受け止めるのはとても悲しい気分になる。
特に、他の社員を守るためにネガティブなフィードバックをしなければいけない瞬間は、最もキツイ。
「コントロールできる悩みはストレスにならない」。この一言が、ランキングの意味を読み解くヒントになる。