ファーストキャリアでは、成長できる環境かどうかを重視したい──。そんな理由から、外コン・外銀と肩を並べるほど、就活生に人気なのがメガベンチャーだ。
事業領域が幅広く多様な仕事があり、企業規模の大きさからビッグプロジェクトができるのではないかとの期待も大きい。
では、実際にメガベンチャーの若手は、入社前に思い描いたキャリアを歩んでいるのだろうか。
メガベンチャーといわれるDeNA、サイバーエージェント、レバレジーズに入って2〜3年目の社員である、宋拓樹(そう ひろき)さん、高田早記(たかだ さき)さん、綱島章人(つなしま あきと)さんに、新卒社員が担当する仕事内容や、その苦労とやりがいについて聞いた。
—— 今回はメガベンチャーの2〜3年目社員の座談会です。皆さんは、どのような就職活動をして、今の会社を選んだのですか?
綱島:正直に言えば、就活当初は就活サイトのトップページに掲載されるような、名のある企業ばかりに応募していました。
当時はやりたいことが特になかったため、それが見つかったときに行動できる人間になろうという思いがありました。大手ばかりに興味があったのも、「大手の出身ならハクがつくし、その後転職しやすいかな」という安直な理由でしたね。
一方、最終的に入社したレバレジーズは、当時はまだ社員数が500人ほどで、社名も聞いたことがありませんでした。
大手志向から、社員500人規模の企業に入社しようと考えが変わった決め手は、「短期間でどれほど成長できるか」という部分を考えられるようになったのが大きいと思います。
自分の中で、自己成長とは 「意思決定の数と質」だと定義し、若いうちから高い基準で意思決定数をこなせる環境とはどういう場所かを考えたとき、ベンチャーに目が向くようになりましたね。
当時のレバレジーズは、知名度や規模は今ほどではありませんでしたが、売り上げが急激に伸びていました。
若手でも新規事業を任せられるのでないかという思いと、社員や社長との面談を通して「この人たちと働きたい」と感じたことがあり、最終的に入社を決めました。
高田:私はベンチャーで長期インターンをしていましたが、就活初期は「とにかく話を聞こう」と、合同説明会に何度も参加しました。
有名企業をリスト化し、いくつかの企業に目星をつけたこともありました。
ただ、企業の説明を聞いたり、社員の雰囲気に触れたりするにつれ、銀行や大手の総合広告代理店はどこか違うなという気持ちが湧いてきました。
直感で大手よりベンチャーが合いそうだと感じてからは、ベンチャーに絞って活動していました。
宋:僕も最初は、“超安定志向”でした。関西の大学出身なので、大阪ガスのような大手企業も受けていました。
それが3年生の夏ごろ、東京でとあるベンチャー企業のサマーインターンに参加してから、すでに確立している事業より、ゼロイチでの事業立ち上げや裁量の大きな仕事のほうが刺激的に感じるようになりました。
そして、いろんな企業を見た中でもDeNAに最も魅力を感じるようになり、それからは、大手はほとんど見なくなりました。
高田:DeNAのどのような点に惹かれましたか?
宋:自分の価値観に、圧倒的に合ったところですね。
DeNAでは選考が進むにつれ、評価プロセスにかかわらないメンターがつき、就活に伴走するように様々な相談に乗ってくれます。
そのメンターと自分の価値観についてトコトン話し合う機会があり、結果、企業の評価軸として3つの優先順位が浮かんできました。
高い順から挙げると、まずは「人」です。
具体的には、優秀な人材を「ストレスなくコミュニケーションがとれる相手」と定義し、そういった人材が多い企業に行きたいと思いました。
次は「環境」です。
入社当初から刺激的な仕事に挑戦し続けられるかどうか、です。
そして、最後が「事業への興味」になります。
これらの評価軸で、最終的に3社まで候補を絞りましたが、その中では抜きん出てDeNAに入りたいと感じていました。
綱島:僕は各社の社員と、何度も会うようにしていました。
自分自身、“情弱”だと感じていたので、とにかく自分より物事を知っているであろう人たちに、ひたすら話を聞いて回ろう、と。
話を聞く際に重要視していたのが、「その企業ならどういう経験ができるか」「企業ごとに3年目の社員を見比べる」などでした。